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第165話 朱雀の降臨

◾アリス



 ――玄武のことわりは黒、冬、水、そして氷。今のはあの灰色のモヤモヤに触れたものを一瞬で凍らせる能力だわ。


 と、すーちゃんは切羽詰まった様子で説明し、未だに凍った足を炎の熱で溶かしてくれる。

 とはいえ足の周りが凍りついていたわけではなく、内部から凍らされていたので、溶けたとしても激痛は収まらない。


「これでも死なないの? ほんとうにしぶといのね。普通の人なら確実に死んでるのに」


 玄武は口角を釣り上げて楽しそうに言った。

 すると玄武の背後から灰色のモヤモヤが再び大量に発生する。モヤモヤは上空へ向かい、雲のように辺り一体を覆った。

 玄武は宙に浮かび、私を俯瞰しながら、


「そろそろケリをつけないと。色々と厄介なことになってしまうわ。予定なら5秒で始末していたはずなのに、あんたしぶとすぎ。ゴキブリかっつーの」

 と。


「さすがにこれで消えてよね」


 朱雀は白くてきれいな手を空に向け、腕を振り下ろして私に向けた。


「え?」


 瞬間、辺りが真っ暗になり、


「いたいっ!」


 突然体中に激痛が走った。何かに噛みつかれような痛みが絶え間なく私の全身を襲う。

 どうしてだろう……それと同時に意識がどんどん遠のいていく。眠たい。戦闘中なのに……このまま寝てしまいたい。

 ああ、もう痛みはまったく感じない。睡魔が痛みに余裕で勝っているのだ。


 ――……ちゃん! あーちゃん!


 すーちゃんの声が聞こえる。あれ? そういえば私、何してたんだっけ?


 ――あーちゃん! 気をしっかり持って! これは玄武の蛇の毒よ!


 毒……? 苦しくないのに毒? 眠たくなる毒? よくわからないわ……。


◾朱雀


 玄武は「黒」の理を使用してあーちゃんの視界を奪い、次にあの灰色のモヤモヤから雨を降らせ、その雨粒を自身の尻尾の蛇と同じ毒蛇に変えたのだ。そしてその蛇たちにあーちゃんを襲わせた。

 今は催眠症状しか出ていないようだけど、きっとすぐに猛毒による症状も出てくるわ。

 しかもその毒は三次元由来の毒ではなく、八次元由来のもの。このままでは肉体だけでなく、精神まで猛毒に侵されてしまうだろう。

 でもよかった。なんとか間に合った。ようやく八次元世界から三次元世界に降りてきた私は、すぐにあーちゃんに同化した。



 To be continued!⇒

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