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第163話 焔の槍

◾アリス


「君……そんなに死にたいの? ふーんふーん。よしわかった! それじゃあすぐに殺してあげるっ!」


 攻撃を受け止められた玄武は怒り、亮二の頭にレイピアを突き刺そうと大きく振りかぶった。

 亮二は玄武の額に向け、P320のトリガーを引いて9ミリ対神霊弾を放ち、それと同時にレイピアの軌道から頭を逸らした。

 レイピアの突きを回避することはできたが、亮二の放った対神霊弾は玄武に命中する直前に弾かれた。


「なにッ!」


 亮二は玄武から一旦距離を取り、


「どうして……あの距離なら確実に命中しているはず……」


 そう頭を悩ませた。→


「そんなおもちゃ、あたしには効かないわ」


「対神霊弾だぞ……」


 たしかに対神霊弾は神霊クラスの相手にも攻撃が可能なものだ。無論神獣にも。

 2年前の朱雀事件の際にも使われ、朱雀に傷を負わせて進行を遅らせることができたようなものだ。

 しかし同じレートの神獣である玄武には効果がなかった。

 すると降臨中のすーちゃんが、


 ――まさかここまで……。あーちゃん、この玄武は2年前の私と違って完全体よ。本来持つ全ての力を下界で行使することができるわ。今のは玄武の象徴たる能力――自身の体内で生み出した神力粒子による結界よ。


「神力粒子による結界?」


 ――ナディアのマスケラ・クイントの超上位互換と思ってくれればいいわ。おまけに六次元以下の物理攻撃も全て防ぐ。まさに玄武の甲羅のような結界よ。


 私の疑問にすーちゃんはわかりやすく説明してくれた。

 対神霊弾は、神霊や神獣などの神力粒子により構成される存在に対して、命中した箇所を魔力粒子に置換することができる。すなわち実質的に高次元の存在に傷を与えることができるのだ。

 しかし弾丸自体は三次元。そのため玄武の神力結界により阻まれてしまったのだ。


「みんな、玄武には対神霊弾もその他の攻撃も効かないわ。ここは私が耐え抜く。みんなは捕獲班に合流してこのことを伝えて!」


「わかった。しっかりな、アリス」


「俺はアリっちのことを信じてるぜ!」


「了解」


 私の言葉に亮二、篝、奏はそれぞれそう言って屋上から飛び降りた。

 MMAの戦闘服は防刃防弾対魔力性のあるもので、なおかつ衝撃を軽減する術式が組み込まれている。対神霊装備の場合は俊敏性の代わりに防御性を高めているので、この程度の高さから飛び降りても全然大丈夫なのだ。


「味方を逃がしたか。利口だな」


 玄武は再びレイピアを構えた。


ほむらやり


 私がそう言うと、周りに炎の槍がいくつも出現した。すーちゃんが私に力を貸してくれているのだ。



 To be continued!⇒

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