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第162話 第八感発動

◾アリス


 こうなったら私もすーちゃんの力を借りるしかない。

 私はホルスターからP320を抜き取り、セフティーを解除しながら、


「すーちゃん。少し力を貸して!」


 ――もちろんよ! けどどうする? そっちに降りた方がいい?


「そうね……相手は神獣だもの」


 ――あーちゃんの体は大丈夫?


「心配はいらないわ。もう2年も経ってるんだから」


 ――わかった。じゃあそっちに降りるわね。5分くらいで着くわ


「了解」


 すーちゃんが八次元世界(神界)から降りてきてくれれば、こっちはとても安心だ。響さんが来るまで確実に持ちこたえられる。

 けど神霊や神獣と同化することは、生身の人間にとっては非常に危険なことだ。下手すれば命を落としかねない。神霊や神獣が高次元すぎて、三次元たる肉体という器が耐えきれなくなってしまうからだ。

 だから私がすーちゃんと同化して戦えるのは長くても10分。それ以上長く同化していると、脳機能から神獣に侵食されて二度と普通の人間には戻れなくなる。

 その上、同化するまでには神霊や神獣が高次元から低次元へ降りてくるための時間が必要になる。

 それまでの間は第七感で神霊や神獣の力を借用することはできるが、第八感に比べれば性能はかなり劣る。

 けど、響さんたちが来るまで耐え抜くには、こうするしかない。


「ふーん……朱雀を呼んだんだ。でも間に合わないと思うよ」


 玄武は目を細めて笑い、手のひらの上に浮かべていた灰色のモヤモヤを一瞬のうちにレイピアに変えて構えた。

 私はP320の銃口を玄武に向け、


「神獣でも剣の構え方くらいはわかるのね」


「前の宿主が西洋剣術の達人だったの。そのせいで私にまで染み付いちゃって、今じゃあこの戦い方が気に入ってね」


 玄武はレイピアの刃先を見つめながら言う。東洋の神獣のくせに、西洋の剣術で戦うなんて、ちょっぴりおもしろいわね。

 玄武は言い終わるが早いか、瞬間的に私の後ろに回り込み、


「同化して低次元化するとはいえ、朱雀と戦うのは少しめんどくさい。そこのザコどもの始末はいつでもできる。だからまずはあんたから潰すわ!」


 私の首をねんとレイピアを振り抜いた。

 しかし、


 ――キンッ!


「アリス! 第六感をしっかり使え! 気を焦るな! お前から朱雀を迎えに行く必要はない。お前はしっかり朱雀が来るまで玄武と戦え!」


 亮二が私と玄武の間に入り、玄武のレイピアをP320でガードしてくれた。

 たしかに亮二の言う通り、すーちゃんと同化すること考え過ぎていた。亮二にはいつも助けられてばかりだわ。


「ありがと亮二」


「構えろ」


 私はもう1丁P320をホルスターから抜き取り、P320を両手に構えた。



 To be continued!⇒

ようやっと第七感と第八感について触れられましたね!

というわけでご閲覧ありがとうございます!

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