第160話 再開! 玄武と朱雀
ゲームの大会に出てて……それで投稿遅くなったのは内緒です(一応上位1%は取れました)。
◾アリス
MMA東京本部の誇る最大戦力の1人たる代々木響率いる第一小隊は、さいたま市岩槻区へやって来た。
今回の任務は玄武の確保と、赤の剣の構成員の逮捕。前者が最優先事項だ。
現状玄武が暴れ回った形跡はない。今のうちに赤の剣よりも先に玄武を確保しなければ!
同じ四神であり、玄武と対をなす朱雀を宿した私には、玄武の位置がなんとなくわかる。
なので私たちの班を中心に、第一小隊全13個の班はそれぞれ岩槻区内を分担して玄武の捜索行うことになった。ちなみに第二小隊は岩槻区の周辺を担当している。
――この辺からイケ好かない雰囲気を感じる
「そうよね。私も感じるわ。邪悪な雰囲気」
心の中の朱雀が言う通り、目の前の駅前ビルからただならぬ雰囲気を感じる。そう、2年前の翠嵐ラグジュアリーコレクションホテルで感じたものとまったく同じ、すべてを押しつぶそうとしてくるこの感じ。気持ち悪い。あの時を思い出して吐き気が込み上げてくる。
けど私は強くなったんだ。こんなことで怖気づいてはいられないっ!
「みんな、行こう」
私は亮二、篝、奏の一歩前を行く。玄武の気配は屋上から感じる。
「すーちゃん、準備はいい?」
私は心の中の朱雀に話しかける。
――ええ、大丈夫よ。あーちゃん
私は朱雀をすーちゃんと呼んでいる。そして私は朱雀からあーちゃんと呼ばれている。
変な呼び方だと思ってるわ。どうして家族の仇である朱雀をすーちゃんなんかの愛称で呼ぶのかは私にもわからない。
とはいえ、今回の任務はそんなすーちゃんが事件解決の要。一緒に頑張っていくんだ! 私の相棒だから!
「開けるわよ」
私は屋上の扉を開けた。
無機質なコンクリートの屋上。そこには1人の小さな女の子が立っていた。
玄武岩色の長い髪の毛は夜風に靡き、同じ色の大きな瞳は上弦の月をきれいに写している。
肌はシルクのように白くて美しく、はかなげな体躯は10歳前後を思わせる。実際は何百歳とかなんだろうけど。
一見普通の女の子にも見える玄武の腰からは、尻尾が生えている。尻尾とはいってもそれは生きた蛇なんだが。
そして玄武からはとてつもない神々しさを感じる。すーちゃんの神性とは真逆だが、すーちゃんの神性に匹敵している。さすがはすーちゃんと対をなす存在。これは一筋縄ではいかないわね。
私たちが屋上にやってきたのを認識した玄武は、これまた神々しい声で、
「お久しぶり、朱雀。何百年ぶりかしら?」
と、ほほえみながら言った。
To be continued!⇒
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