第147話 増える犠牲者
◾隆臣
翌朝。今度は11歳の女の子のミンチが荒川の河川敷で発見された。きのうと同様、ミンチの山の上には有明武人が撮ったと思われる写真が刺さっていた。
そして昼頃にはまた警視長官宛に手紙が届いた。下半分が赤くにじんだその封筒の中には、被害者の少女から切り取ったとされる左耳が入っていたという。
きのう宣言通り、ジャック・ザ・ミキサーこと有明武人は被害者の少女の体の一部をミンチにせずに警視長官に送った。
赤く濡れた手紙には、
――親愛なる、警視長官へ。俺の贈ったプレゼントは楽しんでもらえただろうか。採れたて新鮮なものだから、まだ腐ってはいなかっただろう? 今日手紙を送ったのは、明日から始まるゲームのルールを説明するためだ。ルールはモグラ叩きのように簡単。俺は明日から毎日1人ずつ幼女を殺していく。君たち警察とMMAは俺が仕事を行う場所を予測して先回りする。そして俺を倒す。ただそれだけだ。ルールは簡単だろ? それじゃあ明日以降はゲームを楽しもう。我々は赤き剣を手にし、世界の秩序を改変する。親愛なる、ジャック・ザ・ミキサより。追記:ちなみにゲームに参加しないと、君たちは100%俺を捕まえられないよ。ゲームに参加したければ、明日の事件現場にその旨を書いた手紙を置いておいてくれ。――
と、今度は被害者の少女の血で書かれていたという。
ミンチ事件捜査本部は有明武人のクソゲーに参加するようだ。というものの、明日で全てを決する予定らしい。
そう。明日は有明武人が再び事件現場に現れ、こちらからの手紙を回収しに来る。その瞬間を狙い、有明を確保する作戦らしい。
悪くはないと思う。しかし、明日のターゲットは捨てるという精神が信じられない。
確かに何かを成し遂げるためには犠牲は必要だ。しかし国民の平和を守る警視庁がその精神でいいのかと、疑問を呈したい。
魔剣の蔵の方の動きはなく、また日が切り替わった。
To be continued!⇒
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