第134話 特定! ミンチ事件の犯人!
◾隆臣
放課後。俺とエースはMMA東京本部へ向かい、エースはミンチ事件の犯人の残滓粒子構成を紙に出力したものを捜査員に渡した。
俺たちの役目はここまで。あとはMMAと警視庁に一任だ。魔法や超能力などの超常現象因子を取り締まるMMAと、都民一人ひとりの平和を守る警視庁の手にかかれば、きっと犯人はすぐに捕まるだろう。
そして翌日の放課後。俺とエースはMMA東京本部に呼び出され、犯人が特定された旨をアリスから報告された。
しかし同時に、ありえないようなことを聞かされた。犯人はすでに死んでいる存在だと。
どういうことか。エースが記憶した残滓粒子構成を元に、MMAが国のデータベースからミンチ事件の犯人を探ったところ、子どものころにすでに死んでいるはずの人物の魔力粒子構成と一致したということだ。
最初は何を言っているのかわからなかったが、エースは第九感をオーバーヒートさせていたため、残滓粒子解析をミスったか、記憶をする際にミスったのかもしれない。出力でミスがないよう、エースは何度も確認していたからな。
第九感発動時のエースはスーパーコンピューターのようなものだ。そんなエースがミスなんて信じられないし、エース自身もミスなんてありえないと断言していた。
MMA側での転写ミスは一切ないらしいので、エースは次に事件が起こったら、今度は残滓粒子濃度が高いうちに事件現場でもう一度解析をすることになった。
MMAは今回の魔力粒子解析を失敗とはみなさなかった。たしかにエースが叩き出した結果はありえないようなことだが、それを肯定する側にもいくつか考えられることがある
1つ目は、そもそもエースが解析に失敗したということ。信じられないが、これがもっとも妥当な考えだ。
2つ目は、少年は死んでいなかったということ。何者かが少年の存在を世界から消したとか、そういう感じだ。
3つ目は、少年にはクローンがいたということ。クローンの製造は国連のクローン人間禁止条約や国のクローン人間開発及び製造禁止法で厳しく規制されているが、2030年現在、クローン人間を作ることは容易である。クローン人間が溢れ返っていないのは、多くの人の倫理観がクローンを善しとしないからだ。
しかしクローン人間禁止条約を締結していないアメリカでは、すでに大統領がクローン技術を使って自分を量産しているのではないか、と噂が立っている。
これも巷の噂だが、日本も出産時に新生児の口内粘膜からDNAを採取し、秘密裏にクローン人間を開発しているといわれている。
エースが特定した少年は、生きていれば32歳だ。この噂はここ最近のものなので、犯人クローン説は一番ありえない。
そして数日後。再びミンチ殺人事件が発生した。
To be continued!⇒
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