表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
105/363

第100話 黒ロリは無敵じゃない

祝100話!

◾ジョーカー


『こちら亀有、チャーリーのディフェンダーがブラボーの方に移動した!』


 敵の裏を取ってC旗の様子をうかがっていた蘭がそう報告してくれる。


「十六夜四谷のリスポーン地点はチャーリー側だ。蘭は十六夜四谷とともに、俺たちと撃ち合っている敵を背後から狙ってくれ」


『了解』


 亮二は手際よく次の作戦を説明し、バックパックから跳躍地雷を取り出した。

 そしてそれをタワー1階のチャーリー側のドアとアルファ側のドアのそれぞれ目立ちにくい場所に放り投げた。


「予想だが、アルファ側からも敵が来るだろう。そして挟み撃ちにされる。アルファ側の敵の対処はジョーカーに任せた。チャーリー側は俺と隆臣でどうにかする。入ってくるところを狙おう」


 と、亮二。


「わかった」

「了解だわ」


 隆臣とわたしがそう返すと、


『こちら十六夜四谷。チャーリー側にリスポーン。蘭さんとブラボーに向かいます。さっき死んだとき、アルファ側に1人だけ残って、2人はブラボーの方に向かって行きました。挟み撃ちに警戒してください』


 四谷がリスポーンしたようで、そのようなことを報告してくれた。

 亮二の予想どうり、アルファからも敵がくるようだ。もう1人はイモってアルファの防衛についたのか?


「了解」


 部隊のリーダーである亮二がわたしたちを代表して答えた。

 少しして、チャーリー側から2人の敵影が見えた。

 わたしたちは隠れて敵が入口から入ってくるのを待つ。

 敵は2人。順番に入ってきた。

 跳躍地雷が作動。顔付近まで飛び上がり、破裂して中に入っていたBB弾が飛び散る。

 奥側にいた1人にはキルが入ったが、手前の1人にはなぜかキルが入らなかった。

 わたしたちは目を疑ったが、すぐにその理由がわかった。

 跳躍地雷のBB弾に1つたりとも当たらなかったのは、わたしの宿敵であるKKKトリプルケーことカミ回避清瀬だったからだ。


「薄男!」


「亮二。この俺にその手は通じないよ」


 罠による奇襲でも全弾避けるなんて、すごい動体視力と第六感ね。


「こちら清瀬。アルファ側の入口にSマインが設置されている。気をつけろ」


 KKKが仲間に跳躍爆弾のことを知らせると、外から入口に向けてグレネードが投げられた。

 グレネードは破裂してBB弾をまき散らし、それにより跳躍爆弾が誘爆してしまう。

 その際のBB弾は斥力バリアによりわたしたちには命中しない。


「よぉ黒ロリ! さっきはられちまったが、もう負けねぇ!」


「誰が黒ロリよっ!」


 わたしはロリじゃない!

 ロリと言われてムカついたわたしは、清瀬に向けて93Rのトリガーを引きまくる。


「無駄無駄」


 距離は8メートル。先ほどよりも近いがこれも全弾避けられてしまう。

 そしてアルファ側からも敵が入ってきた。


「次こそ仕留めてやる! 黒ロリッ!」


 KKKはそう言って遮蔽物に身を隠し、銃だけをこちらに向けてきた。

 アルファ側の2人も同様にする。

 そして、


 ――ズダダダダダダ


 乱射してきた。

 斥力によりBB弾がB旗の周りを飛び回る。


「黒ロリ言うなっ!」


 敵がリロードするタイミングで斥力バリアを一瞬だけ解除し、まずはアルファ側のザコから片付けようとトリガーを引く。


「おしりが丸見えよっ!」


 見知らぬ男子生徒と、前夜祭のフードファイト対決では実況をつとめていた高等部生徒会副会長の下総くるみは隠れるのがへたっぴすぎる。

 2人とも頭隠して尻隠さずなので、わたしは容赦なく93Rでキルを入れた。

 瞬間、わたしだけでなく、隆臣と亮二も目を疑った。


「ジョーカー……死亡?」


 ARグラスに表示されていた文字を、わたしは小さな声で呟いた。


「ど、どういうこと?」


 何の音もなく、1発で倒された。一体なぜ?

 わたしはアルファ側の男子生徒とくるみ副会長をキルするために斥力バリアをほんの一瞬だけ解除した。その瞬間に殺されたんだ。

 1発で体力満タンかつフルシールドのわたしを倒すことができるのは、スナイパーライフルによるヘッドショットのみ。わたしは狙撃されたんだ。


「こちら清瀬。ジョーカーの死亡を確認。作戦成功。亮二と隆臣の始末に移行する」


 KKKは冷静だ。


「あんた小癪こしゃくね」


「死人に口なしだ」


 KKKはウザイ顔で鼻先に人差し指を当て、そんなことを言ってきた。

 ちくしょう! フリーフォーオールのときのわたしのマネをして煽ってきた!

 ルール違反してでも時間を止めてボコボコにしてやりたいっ! ファックファック! ほんとにファック!

 ARグラスに蘭が薄男をキルしたと表示されたが、今のわたしにはどうでもよかった。

 自分より格下と認識していた人間に殺されて煽られるなんて……こんな恥ずかしくて情けないことはない。

 恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい!

 こうしてわたしのプライドは、清瀬薄男によりゆっくりじっくりへし折られ始めていた。



 To be continued!⇒

ご閲覧ありがとうございます!

前書きにも書きましたが、ついに拙作も話数が3桁に到達しました! (*´꒳`ノノ゛☆パチパチパチパチ

書き始めの頃は100話まで書き続けられるか心配でしたが、無事に乗り越えられました!

でもまだまだ第2部第1章なんです。第2部は第3章まであるし、第3部以降も複数の章に分かれる予定ですので、千話以上いくんじゃないですかね(果たして僕はそこまで書き続けられるのか!?)? だから100話なんてまだまだプロローグってことになっちゃうんですよねw

最後に、ここまで続けてこられたのは、読者のみなさまのおかげです。話数を重ねるごとにPV数やブクマや感想が増えていって、ほんとにモチベーションが上がったんです! もっとブクマを増やしたい! もっとPVを増やしたい! そう思って今まで書いてきました。もちろんこれからもその思いは変わりません。

これからもがんばってほぼ毎日投稿を続けていくので、今後とも拙作をよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ