第99話 ドミネーション
遅れてすみません!
■隆臣
第2ゲーム――ドミネーション。
今回行われる5つのゲームのうち、最も点数を稼ぎやすいモードの1つである。
簡単にルールを確認しておこう。
両チームとも5人を一部隊として、一部隊VS一部隊で行われる。
フラッグはA、B、Cの3つがあり、初回奪取で25ポイント、以降の奪取は50ポイントになる(ブラボーのみ初回も50ポイント)。
通常キルは10ポイントで、アタッカーやブロッカーをキルすると25ポイント、奪取中にキルをすると50ポイント、デスをするとマイナス10ポイントだ。
800ポイント先取で、どちらかのチームが400ポイントを取った時点でハーフタイムとなる。
そんなわけで前半戦は俺、亮二、亀有さん、ジョーカー、四谷の5人が出場することになった。俺たちのチームは9人しかいないので、ジョーカーが前後半どちらにも出場することになった。
「隆臣、がんばってくださいっ!」
凛は子犬のように駆け寄ってきて、俺を応援してくれる。凛は本当にかわいいなぁ。なでなで。
「隆臣、お前ってさ、ロリコン?」
亮二がいきなりそんなことを聞いてきた。
「んなわ――」
「今更かよ!」
俺の言葉を遮ったのは篝である。
「いや確認だよ確認」
「ならよし!」
「いやよくねーよ」
全力でツッコミを入れる。いや否定する。
「凛に対してだけじゃないわ。エースやわたし、自分を殺そうとする女の子にも、カラスに対しても、誰彼かまわずなのよ」
と、ジョーカー。
「俺はそんなんじゃ……」
「ロリっ子依存性には自覚症状がないのよ」
俺はロリっ子依存性ではないと確信していた。しかしロリっ子依存性には自覚症状がないだと? そんなのアルコール依存症とかニコチン依存性とかと同じじゃないか! 嘘だろ? 俺ってまさか……ロリっ子依存性だったのか?
「おい品川、いい精神科紹介してやるよ」
亀有さんもそんなことを言ってきた。
俺は……俺はロリっ子依存症じゃねーッ!
作戦は以下の通りだ。
四谷がAに入り、裏取り対策兼裏取りとして亀有さんが路地裏から回る。そして俺、亮二、ジョーカーでBの奪取に向かう。
「ゲームスタートっ!」
ゲームが開始された。
作戦通り、四谷はAを奪取し、亀有さんは裏取りに急ぐ。
そして俺、亮二、ジョーカーはB旗前に向かう。B旗は中央タワーの1階にあり、かなり障害物が多いところにある。
俺たちは物陰に隠れ、敵の動きをうかがう。
基本、防衛よりも攻撃の方がキルは取りやすいが、奪取キルを狙うならば先に旗に入るのが吉だ。
俺たちのチームは少しの差でリードしているが、差を広げるために俺たちは先にB旗に入ることを決めた。
しかしその前に、敵陣に向けてグレネードを投げ込むというのがCoDの定石。
なので俺たちは敵が隠れているであろう場所に3人同時にグレネードを投げ込む。
するとやはりこちらにも複数のグレネードが飛んできた。
「任せて」
ジョーカーは一歩前に出て、斥力場を発生させる。
爆発により飛び散ったBB弾をすべて跳ね返す。
そして俺たちは3人同時にB旗に入り、障害物に隠れつつも敵を警戒する。
ジョーカーが斥力場を発生させているかぎり、俺たちが被弾することはない。
だがしかし、
『こちら亀有、チャーリーの裏を取った! だが防衛が2人もいやがる!』
『こちら十六夜……アルファに2人のアタッカー、です!』
亀有さんと四谷からそのような報告が届いた。
「AとCが狙いなのね」
と、ジョーカー。
「ということはBについているのは1人だけ。奪取キルのチャンスだ」
そう思っていた俺だったが、
『Aにもう1人加勢が来ました! Aが奪取されるまであと10秒! 攻撃しますか?』
と、四谷が切羽詰まった様子で報告してきた。
「いやだめだ。奪取キルを取られるのはかなりきつい。ここはいったん引け!」
亮二はそう言ったが、
『ダメです……見つかってしまいました。ひゃっ! 撃たれています!』
数秒後、十六夜四谷がデスしたという通知がARグラスに表示された。
To be continued!⇒
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