第95話 超アルティメットサバイバルゲーム
■隆臣
会長の尚子、副会長の下総くるみ、書記の薄男、風紀委員長の高尾美咲などの知っているメンツの他にも、会計の男子生徒や、各委員会の委員長、各局の局長たちが俺たちの前に立ちはだかったいた。
この学園には、風紀委員会、文化委員会、保健委員会、体育委員会の4つの常任委員会と、図書局、放送局、新聞局の3つの局があるので、合計で生徒会執行部のメンバーは11人だ。
尚子だけがイスに座っていて、他の10人が脇に立っている。
さすが暴力団組長。画になるな。
「数々の難題を突破し、よくぞここまでたどり着いた。素直に賞賛しよう。お前たちが一番乗りだ」
尚子は背後の宝箱を親指でさして、
「しかしそう易々と宝を渡すほど私たちは優しくない。お前たちに最後の試練を与えよう」
なるほど、宝を手に入れるためにはこいつらと戦って勝たなければならないのか。
尚子がそう言うと、突然周りの10人が拳銃やら自動小銃やらを構えだした。
それを見た凛、ジョーカー、七海&四谷、仙人は驚いて俺たちの後ろに隠れる。てか仙人、お前もかい!
亮二と篝に関しては眉一つ動かさない。
さすがは普段から銃火器を身につけているMMAだ。見慣れていてどうとも思わないのだろう。
「ほほう、サバゲーか。いいだろう、受けて立つ」
亀有さんは1歩前に出て言うと、
「よし、ではお前たちに選択の権利を与えよう。どれがいいか選べ。1つ目はノーマルサバゲー、2つ目が飛翔装置と浮遊装置を用いたアルティメットサバゲー、3つ目がバトルロイヤルだ」
尚子はこのような選択肢を提示した。
するとくるみ副会長が、
「ノーマルサバゲーは普通のサバイバルゲームで、アルティメットサバゲーっていうのは、空中戦が可能なサバイバルゲームね。バトルロイヤルはPUBGを想像してくれればいいよ」
と、補足してくた。
俺の第一感ではアルティメットサバゲーだな。なんかおもしろそう。
てか第一感って直感ってことだけど、第六感も直感だよね。
そんなことは置いといて、
「どうするお前ら」
亀有さんは俺たちの方を向いて尋ねてきた。
「わたし、サバゲーとかよく知らないから、どれでもいいです」
「わたしも」
「わたくしもですわ」
「うん」
凛、ジョーカー、七海、四谷はみんな同じ意見みたいだ。
「私も何でもいい」
と、亀有さん。
「俺も何でもいいぜ。どれにせよ俺たちの腕の見せ所ってやつよ」
「バトロワ以外なら」
篝と亮二はMMAで普段から実弾射撃練習をしているから、きっとどれになってもキャリーしてくれるだろう。
「ボクテッポウコワイ!」
筋骨隆々なくせして一番ビビっているのが仙人。
「品川は?」
ここで何でもいいと答えてしまうのが日本人なのだろう。
しかしこのままでは一向に話が進まない。
「アルティメットサバゲーで」
俺は素直に答えた。
「そうか。尚子! アルティメットサバゲーで勝負だ!」
亀有さんが尚子に向かって叫ぶと、
「わかった。ではもう1つ選んでくれ。魔法や能力はありかなしか」
なるほどそう来たか。
これは結構大事なところだぞ。魔法や能力次第では、結果がかなり変わってきそうだからな。
ジョーカー1人だけでも余裕で勝てるだろうが、相手は尚子だ。ジョーカーの能力を知っている。
ジョーカー潰しの秘策の1つや2つは考えているだろう。
「この中で魔導具を使えるやつは?」
ジョーカーが小さく手を上げる。
「(どんな魔法だ?)」
「(時間を操る魔法よ)」
小声で尋ねた亀有さんにジョーカーも小声で返す。
「魔法アリで!」
おいおい亀有さん! それはいくらなんでも安直すぎるって!
今回行われる超アルティメットサバゲーは、個人戦、チーム戦、ドミネーション、サーチアンドデストロイ、ハードポイントの5つのモードで行われるようだが、今日は時間がないので明日に全てまとめて行われる。
だから今日は作戦会議だ。
フリーフォーオール→ドミネーション→サーチアンドデストロイ→ハードポイント→チームデスマッチの順にゲームが進み、1キルごとにプラス10ポイント、1デスごとにマイナス10ポイントで、フレンドリーファイアはありというのが基本ルールで、それぞれのモードのルールは以下の通りだ。
フリーフォーオール→1位は100ポイント、2位は50ポイント、3位は10ポイントのボーナス獲得
チームデスマッチ→勝利チームは100ポイントのボーナス獲得
ドミネーション→フラッグ奪取で50ポイント。奪取キルで50ポイント。勝利チームは100ポイントのボーナス獲得
サーチアンドデストロイ→勝利チームは100ポイントのボーナス獲得
ハードポイント→ハードポイント確保でボーナス50ポイント。拠点内キルで50ポイント。勝利チームは100ポイントのボーナス獲得
俺たちの作戦は、亮二と篝とジョーカー以外は極力撃ち合いを避け、物陰に隠れて安全ムーブをし、チャンスでしっかり敵を仕留めるというものに決まった。
亮二、篝、ジョーカーは少数精鋭でハイキルムーブをし、ポイントを稼ぎつつも、失点を抑える。
きっと敵はこの3人以外を狙ってくるだろうが、攻守ともに無敵のジョーカーがいるし、亮二と篝も立ち回りと射撃技術でこのチームの勝利に導いてくれるだろう。
To be continued!⇒
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