ピチカートベースの響き
エレクトーンって、実は経験者は結構多い。小学生になる前にヤマハの音楽教室「幼児科」にいくと、エレクトーンがいっぱい置いてある部屋でレッスンするから。片手しか使わないような幼児がキーボードじゃなくてエレクトーンを使う意味は…正直ない気がする…。
「公式ツイッター、最終更新、2か月前、って…」
音楽系のサークルの活動場所は大体限られてるし…
「あきらめて帰るか…」
新歓のチラシを両手に抱えながら歩いていると、ふと携帯が震えた。
「ご連絡が遅くなり申し訳ございません!
本日はエレクトーンサークルを探して頂いてありがとうございます
実は私たちのサークルは人数の関係で、明日と明後日の13:00-15:00のみウェルカムウィークに参加をする予定です。ポスター送るので、興味を持ってもらえたらぜひいらしてください。ツイッターで随時情報も更新しているので、もしやっていたらフォローしてもらえると嬉しいです
ぜひ、お待ちしております」
「…なるほど、なるほど…」
予想はしてたけど…現実を突きつけられた感、ある。
「でも、人が多くてうるさいのは苦手だし、これはこれで、うん」
ちなみに、ツイッターは更新されてませんでした。ですよねー…
~次の日~
「おうハル、今日昼どうする?」
「あー、ごめん。1時から用事あって…」
心の中で「ゴメン、リョウ…」
リョウはすごいいい奴、みたい。少なくともまわりのいわゆるウェーイ系よりは全然いい奴。ウェーイ系はフランス語学科とかに多い感じかな、あの人たち、すぐ叩いてきたりしそうだし…ちょっと怖い。叩かれたことないけど…。僕とリョウはロシア語学科だから、あんまりウェーイ、って人はいないけど、それにしても違う意味で怖い人が多い気がするんだよね…
「そういやさ、お前過去問くれそうな先輩見つかったか?」
「あっ…まだ…」
そうそう、忘れてた。ウェルカムウィークの新入生の大事な仕事『過去問集め』
特に僕らみたいなマイナー学科だと、過去問をくれる先輩を探すのもほんとに大変
「早く探そうぜ。なんでも、去年の1年生、3割再履らしいぜ」
「サイリ…?3割…?」
「再履修の略だよ、再履修。ほら、うちの学校2年連続留年で退学勧告だろ?うちの学科は特に退学する人多いらしいぜ」
「ふ、ふぇぇ…」
入学する前から「地獄のロシア」なんて言われてたけど、まさかこんなにヤバいとは…
「とにかくよ、俺は多分応援部で確定なんだけど、どうやら2年のロシア語学科はいないっぽいんだよな」
「あ、そうなの?」
「だからよ、そういうこと。頼むぜ?」
「え、ええ…?」
「んじゃ昼食ってくるわ。じゃな!」
「えええぇぇ…」
リョウと別れてしまった…とりあえず時間もいい感じだし、僕もサークルの教室に向かおうかな。
リョウ君はちょっと大柄な感じの人です。ちなみに2浪で入ってきてるのでお酒も飲めます。
ハル君は現役生で、小柄めです
次の話はやっとサークルの先輩に出会います。日付が変わる前には出すと思います。