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episode 1 序章
このサイトで初めての作品となります。
初めてまして、夢幻面想です。
これからよろしくお願いします。
「ーーこれは、とある世界に生まれた、二人の少女の御伽噺。
茶色い髪のオッドアイの召喚主、渚と
金色の髪のオッドアイの召喚獣、白亜の
二人の誕生と出逢い、そして送る日々の御伽噺。
彼女の巡る月日と最期の涙を、知りたい?」
一冊の厚い皮表紙の本を手に取り、紅い炎を燃やしながら暖かい空気を送る暖炉のそばのロッキングチェアに腰掛ける。
そして出した言葉は、機械のようにどこかニュアンスの可笑しい、少し厨二臭いような言葉。
【彼】は本を膝の上に置くと、表紙を捲り、タイトルを読み上げた。
「【碧の館〜アスター編〜】…アスターの花言葉は、【追憶】だよ」
花言葉の解説も付けながら。
彼はロッキングチェアを軽く揺らして、ページを捲る。
「それじゃあ、読み始めようか。哀しく、楽しく、滑稽でいて、辛い御伽噺を」
そう言うと、文に指をそらせながら、淡々と物語を読み始めた。