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命より大切なもの (ショート・ショート風短編)

作者: さきら天悟

「みなさん、命より大切なものがあることをご存知ですか?」

長身の紳士が集まった人々に声を上げた。

すぐに家族連れと分かる人たちが何組もいる。

中学生や母親に手を握られた小学生もいた。

檀上で演説する彼は観衆の雇用主、つまり社長だった。

彼は衆議院選挙で当選するため、演説会を開いていた。

「君、何か分かるかな?」

彼は一番前の中学生くらいの男子に問いかけた。

「愛ですか?」

と中学生はしばらく考えてから答えた。

「そうです。愛です。でも…」

彼は観衆を見渡した。

「家族や恋人に対する愛より尊い愛があります。

それは、国に対する愛です」

中学生は怪訝な顔をした。

「君が学校で勉強できるのも、日本という国があるからです。

自由も人権も人間が生まれながらに持てる権利ではありません。

日本国に生まれたという幸運によってもたらされたものです」

中学生は頷いた。

「ですから、日本に危機が襲った場合、命にかえても守るべきです。

私も、そんな時が来たら、自分の命を差し出す覚悟です」

一人が大きな拍手をすると、観衆全員が拍手した。


『日本の財政赤字は1000兆円を超えました。

このままでは、日本の財政は破綻してしまいます。

赤字の原因は、高齢者医療と年金です。

今、日本は危機に直面しています。

本当は消費税を上げたくないのですが、

このままでは、日本は破綻します。…』

テレビから首相の演説が流れていた。

それを見ていた中学生が呟いた。

「なんだ命より愛より大切なものがあるだ~

政治家は日本が危機になったら命を投げ出すと言ったけど、

お金は出さないんだ~

結局、一番大切なものはお金なんだ~」

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