プロローグ2
2章のプロローグです。
俺に友達は要らなかった。
友達は俺が欲する物ではなく、逆に俺自身が嫌悪するものであった。
なぜなら、友達は簡単に裏切るからだ。
どんなに信用しても、どんなに信頼しても、彼らは何かしらの形で裏切る。
自分の立場が不利になれば、誰かを盾にして己を守ろうとするし、この事が悪いと分かっていても、考えを改めようとせず、また同じことを繰り返す。
「友達」が要らないと強く思ったのは小学生の時。
よくよく考えればあの時に、俺が初めていじめを受けたかもしれない。
幼稚園にいじめられた記憶は曖昧だが、俺の記憶の中では確かに存在する。だが、あの時に比べれば、「怖く」はなかったのだ。
いじめられると傍にいた友達は徐々に減っていき、いじめをする方が徐々に増えていく。
ただ単に増えるだけではない。友達がいじめをする方に入れ替わるのだ。
「友達」だった彼らは俺の足掻く姿を楽しみ、一種の娯楽として満喫する。まるでゲームみたいに。
そして、おもちゃのようにいじめの標的はコロコロ変わる。俺以外のいじめを受けてきた奴はそのゲームに脱落していった。
ゲームに残ったのは俺一人。
その時に俺はもう「友達」を作ることをやめた。
そんな汚れた関係は欲しくなかった。
―俺は純粋で純白で純真な関係が欲しかったのだ。
不純物が混じったものは要らなかった。
何て贅沢な欲望なんだろう。何て自己満足な欲求なんだろう。何て馬鹿な悲劇のヒーロー気取りなんだろう。
そんなものを求めたところで手に入りはしないのに。
俺が「友達」ではなく、「理解者」を求めるのはそこに理由がある。
そんなものを手に入りはしないから、せめて、自分と平等に接してくれる関係が欲しかった。
欲しかったから―。
俺は村川にそう望んでしまった。
何話になるか未定ですが、最後までお付き合い頂けると幸いです。