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本日は"あこがれの遊園地デート"

 

 聖のファッションはデニムのパンツに淡い黄緑のTシャツ、上着がわりにシャツを羽織っていた。

 聖の友人はサルエルのような軽い感じのズボンにダメージ加工されているTシャツを重ね着している。




 目が、合わせられない・・・。




 聖は格好良かった。

 歩いてくる姿が遠目でもわかり、近づけば近づくほど直視できなくなっていく。

 ―――――――もちろんその8割は惚れた欲目だったが。

 聖の顔も整っているが聖の友人はその比ではなかった。

 道行く女の子の視線を集めているのは聖ではなく彼の方だった。


「はじめまして、藤村ふじむら六夜ろくやです。アヤ・・・この綾波とは同じバスケ部仲間です」

「黒峰の藤村?」


 純が「ん?」と反応を示す。

「あれ。俺のこと知ってるの?」

「噂程度には。私もバスケ部なんで。西宮の女バスしてる木下純です」

「西宮の木下?あぁ・・・なんか言いたいことわかった、俺も噂程度に君のこと知ってたわ」

 にこにこと微笑む姿は好青年以外の何者でもない。

 バスケ部三人衆の長身に囲まれたわけになった美波留だったが、長身の双子の兄でなれていたためか威圧感は感じないで済んだ。

 聖は兄よりも低そうだがもしかしたら六夜は榊よりも高いかもしれない。



「貝沢さんどうする?ジェットコースター好きって言ってたよね。さっそく行く?」


 聖に声をかけられ美波留は硬直した。

 情けなくも呆れつつ純がフォローを入れる。


「今日のこれって美波留のバースデー兼ねてんでしょ?なら好きにしちゃったら?」

「で、でも・・・」

「そういや木下さんはジェットコースター好きなの?」

「・・・美波留ほどではないけどね」




 この時一瞬遠い目をした純の心情を、男二人が理解するのはほんの三十分後である。






「そんじゃ、はじめ何乗る?」

 どうやら仕切り役は六夜らしい。

「美波留はあれが好きなのよね」

 そう言って純が指差したのはメイン通りから少し離れたところにあるひとつの絶叫マシンだ。

 聖がパラパラとパンフレットをめくる。

「えっと・・・『岩盤のスクリュー』?一番人気の『炎のツインタワー』じゃなくて?」

『炎のツインタワー』は入場門から見えるほどの大規模のジェットコースターだ。テーマパークの目玉で、行列の数もすごい。

 聖の疑問に美波留はコクンと頷いた。


「『炎のツインタワー』は大人から子供まで楽しめるようにっていうコンセプトだから、あまり勢いが強くないの」


 ふーん、と納得したように聞き流す聖と六夜の後ろ姿を見て純はほくそ笑んだ。

 純が美波留とテーマパークに来た回数は四月に一回。

 その時の事を思い出し――――







 さぁ、どこまで耐えれるかしら?





純ちゃんは去年のことを許してないので綾波くんが不幸になるのを楽しんでます。

でも美波留ちゃんには幸せになってもらいたいジレンマ。


純ちゃんが遠い目をしちゃうほどの美波留ちゃんの絶叫マシン好きとは!?笑

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