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感謝を"コーディネーター新へ"3

 



 心臓が、破裂しそうだ。




 ドン!

「きゃお!!」



 後ろから背中をど突かれ奇声があがる。

「なんて声出してんのよー」

「じゅ、純ちゃん…」

 いまだ心臓はバクバクと高鳴っている。

「心臓、止まるかと思った…」

「やーねー人を犯罪者にしないでよ」

 ふむ、と純は美波留を頭から足の先まで不躾に観察し始めた。

「な、何…?」

「んー?中々上手く合わせてきたなーって思って?"初デート"でスカートはいてきたくなる気持ちは分かるけどこれから遊園地って時には興醒めだし?」

「………」

 グッジョブしぃ兄ちゃん!

「色物を足元にしたのもナイスよねー、モノトーンだと無難すぎるし、かといって初めてのデートで派手物中心コーデもギャルっぽいし。美波留らしさが残っているのが何よりいいわね」

 どこぞの評論家のように純は解説していった。

 さういう純の今日の格好はデニムのスキニーパンツに白いTシャツ、それから水色の上着を羽織っている。

「純ちゃんはいつもとちょっと違うね」

 根っからの運動部の彼女は何よりもジャージを好む。

 それを考慮すれば動きやすさを重視した今日の格好はいかにもらしいと言えたが、意外や意外、ジャージ以外の純の私服はセクシー系が多い。

「そりゃねー、変に肌見せて綾波が私に惚れても困るじゃない?私なりの配慮よ配慮」

 今日の主役は美波留なんだから、私は引き立て役に回るわよー。

 ケラケラと笑いながらさりげなく失礼な事をのたまう純とは対照的に美波留の表情は複雑だ。

 ありがたいような気もするが、感謝するのとは違う気がする。

 それに、


「似てるファッションのほうが、比較の対象になりやすいからなぁ…」


 同じデニム生地のパンツが、足の長さの違いを如実に表していて美波留はうな垂れた。










 そんな馬鹿な事言ってる間にも時間は進む。


「じゅ、純ちゃん、緊張で死に…」

「死んじゃダメよ美波留。あんな男のために死のうものなら美波留を看取った後に綾波殺すわよ」

「純ちゃん、もう呼び捨ててる…」

「本人の前では言わないわよ。美波留の友人としてちゃんと好印象与えるわよ」

 ニコッと、その笑顔が信用ならないが今の美波留はそれどころではなかった。

 約束の時刻に、時計の針が近づく。


 心臓が、痛い。









「貝沢さん!」





 鼓動がはねて、

 風か吹いた。

デートは次話からです^^

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