再会は"憧れの放課後デート" 3
「俺も部活の朝練であの時間だけど、結構早い時間だよね。何か入ってるの?」
「え」
嘘。
だって、しばらく綾波君の姿、見なかったのに。
―――車両が、違った、とか?
信じたい気持ちと信じられない気持ちがひしめき合う。
「部活は、入ってないよ」
「そうなんだ」
へー、と言いながら聖はコーヒーをこくりと飲んだ。それから思い出したように美波留に頭を下げた。
「今日の朝は強引にごめん」
「え?」
「携帯」
「あ、ううん。私もまた会いたかったし・・・」
・・・・
し、しまったー!
ポカンとしている聖に必死で言い訳をしようとした矢先にクスリと笑われた。
「"お礼がしたかった"から?」
「はい・・・」
今まさに言おうとしていたことを先に言われ顔が赤く染まる。
「それから昨日もごめん。アドレス間違ってたみたいで・・・今持ってる?」
「う、うん」
未練がましく財布にしまっていた紙切れを聖に渡すと、聖はそれを見て首をかしげた。
「あれ?合ってるけど・・・」
「え、嘘!だってエラーレポート・・・」
「おかしいなぁ・・・」
そこまで言って聖の眉が情けなさそうに歪んだ。
「あのさぁ0523のあとってさぁ・・・」
それが聖のアドレスを示しているというのは分かった。
昨日、穴が開くほど見て、暗記してしまった羅列。
「ハイフンだよね?」
「アンダーバーだよ?」
ソプラノとアルトがデュオを奏でて、むかえる静寂。
ハイフンとアンダーバー。-と_。
なんというか・・・
「俺ら、何やってんだろうな2人して」
聖がくしゃっと笑い、つられて美波留も微笑んだ。
よくしません?この間違い
あと,と.とか・・・