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帰路は"少し強引な約束" 2

 

「え」


 聖の目が見開かれる。

 あ、やばい。と美波留は俯いた。

 恥ずかしい。


 "コイツ本気でメールしてきたの"とか思われてたらどうしよう

 "なんで?もしかして俺の事―――"とか気づかれてたらどうしよう


 きゅっと唇をかんでいると「…て、えっええ!?」と聖が声をあげた。

 何事かと顔を上げるとやけに焦っている聖の姿が映る。

「え、ちょ、待って。……えーと、マジで?」

「…何が?」

「…アド、間違ってたって」

「だって…エラーレポート返ってきたし…」

「…マジかよ」

 聖は両手で顔面を覆うと脱力したようにうなだれた。


「あー、じゃあメール、くれようとしたんだ」

「え!?」


 そう返してくるとは思わず今度は美波留が焦る番だった。

「だって…お礼あるし」

 言い訳がましい言葉が口から洩れる。

 ガタン、と電車が揺れる。美波留の降車駅まであと少しだった。


「今、携帯持ってる?」

「え、うん」


 反射でポケットから出して見せると「借りるよ」と聖が美波留の手から抜き取った。

 とっさのことでただ黙って見てる事しかできない。

 いつも自分が使ってるピンクの携帯が聖の手の中にある違和感。

 プラン、と携帯についている黒いビーズ細工のストラップが揺れた。



「はい、今度は大丈夫だから」

「え」



 携帯を返され、美波留は、はっと我に返った。

「え」

 再度つぶやいて携帯の画面を見ると、アドレス帳に昨夜自分で登録したのとは別の「綾波 聖」の文字。

 驚いて聖を見ると、丁度駅に着いた。

「ここだよね?」

 にこっと笑顔で言われ、無言で頷く。

 後ろ髪をひかれる思いで電車を降りようとした、その瞬間、




「放課後、この駅の2階のコーヒーショップにいる」



 聖が美波留の腕を掴んで、そう言うと、すぐにまた手を放した。

 反動で、美波留は電車から降ろされる。


「きっと、来て」

 プルルルル――――――――


 ガタン、ゴトン

 電車が動いて、人工的な風が生れる。

 急遽出来た帰りの予定に、図らずも胸が鳴った。



前回中途半端なとこで止めててすみません

さて、今回の話は友達に不評だった回

友人曰く「聖の誘い方がチャラ男っぽい」との事

作者的にはそんなスラリと聖がセリフを言ってるイメージではないのですが…

皆様はどんな風に読み取ってくれたのでしょうか

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