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異世界転移に巻き込まれた坊ちゃま好きたちによる坊ちゃまを最強に育てる異世界開拓  作者: 揚惇命
第二章 フランク王国

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第二十二話 ケーキ前で既に大満足

【とある女性冒険者の視点】


 私の目の前には、一口サイズに斬られた鮪と言う生魚が酢飯と呼ばれるご飯と海苔に巻かれたものがある。


「これがマグロ巻き……」


 私は付け合わせのわさびとやらを少し塗って醤油に付けて、食べた。


「美味しい……今ツーンと鼻に」


「ふふっ。それがわさびの良さですよ」


 メイド服を着たウェイトレスさんにそう言われた。

 確かに、なんか心地よいツーンなのよね。

 ついつい、付けて食べてしまう。

 でもこれが生魚だなんて信じられない、それにこんなに生魚に合うご飯があるなんて……毎日通いたい。


「ウマッ!俺マグロ寿司、何個でも食えるわ!」


「お前、大袈裟だなぁ……美味すぎるだろサーモン寿司!」


「あれっ。私のは、生魚じゃなくて、きゅうりなんですね?あれ、でも河童巻きを頼んだのですが」


 確かにこの娘のだけきゅうりだね。

 ウェイトレスさんが注文を聞き間違えたとか?


「それが河童巻きです。きゅうりを酢飯と海苔で巻いたもので、名前の由来は河童の好物がきゅうりであることから河童巻きと名付けられたそうです」


「そ、そうなんだ。アンヌ先輩、マグロ巻きと1つ交換してくれませんか?」


 そうだよねリーリルも生魚食べてみたいよね。


「リーリル、私もちょうどきゅうりが食べたかったんだよね。交換しよう」


「ありがとうございますアンヌ先輩」


 流石に、きゅうりを酢飯と海苔で巻いたのが美味しいわけが……ね。


「えっ?美味しい」


 私の言葉にリーリルも恐る恐る食べる。

 なんかこの様子を見ると自分の事は棚に上げて、普通は食べた事もない生魚の方に驚くだろうという気がして、自然と笑みが溢れる。


「美味しい、というか私コレ好きかもです!」


 わかる…なんか安心する味というかもっと欲しくなる。

 でも、駄目、この後にもまだまだ料理が来るんだから。

 次に私たちの前に並べられたのは、三日月を横にしたような肉の塊ね。


「こちらがソーセージです。熱々の肉汁と食感をお楽しみくださいませ」


 成程、熱々だからフォークで突き刺して食べてくださいってことね。

 こんなどうみても肉の塊がパリッとするわけ…。


「美味しい」


 さっきからこの言葉しか出てこないけど別に私に語彙力がないというわけではない。

 というのも人間本当に美味しいものを食べたら美味しいって言葉しか出ないのかもしれないと思う。

 外はパリッとしてて、その食感が心地良くて、噛めば噛むほど凝縮された肉汁がさらに旨味をプラスしてくれている。


「クソうめぇなコレ!」


「だからお前は一々大袈裟なんだって……クソ美味すぎるなコレ!」


「美味しいです」


 本当に何個でも食べられちゃいそうだからおかわりしたいけど、この後もまだまだ頼んでるから我慢ね。

 そして、次に並べられたのが。


「こちらが醤油ラーメンで、こちらが味噌ラーメンで、こちらが豚骨ラーメンです。端で麺を掴んでつるんとした食感とスープのハーモニーをお楽しみください」


 ラーメンとやらを運んできてくれたスーツ姿のウェイトレスさんに言われ、各々が注文したラーメンを手に取る。

 リーリルが羨ましそうにみてる。

 もう、仕方ないわね。


「ウェイトレスさん?思った以上に多かったので、小皿に少し移したいのだけれど構わないかしら?」


「はい。かしこまりましたこちらをどうぞ」


 えっ?

 今、この人何をしたの?

 何もない空間から丼サイズの皿と箸を出したわよね?


「す、すみません!驚かせちゃいましたよね。私も恥ずかしながら勇者みたいでして、この通り食器を生み出すしかできないのですけれど」


 いや、何言ってるの?

 食器を生み出すしかできないって?

 それ、料理屋にとって、最強のギフトでしょう!

 成程、この女性が勇者様でメニューも多分この人が決めたのね。

 ウェイトレスじゃなくてオーナーだったなんて。

 私は器に少量の麺を取って、スープをかけるとリーリルに手渡す。


「はい、リーリルの分」


「そんなアンヌ先輩に気を遣わせちゃって、ごめんなさい」


「良いのよ。どんな料理でどんな量が来るか分からなかったから迂闊に頼めなかったもんね」


「はい。でも、それじゃアンヌ先輩の分が」


「気にしないで、さっき言った言葉は嘘じゃないから思ったよりも多かったのよね。だから少し食べてくれると私も嬉しいわ」


「ありがとうございますアンヌ先輩」


「そういうことなら俺たちとも味をシェアしないか?ウェイトレスの姉ちゃん、俺たちにも小皿をくれ!」


「はい。ただいま!」


 確かに色んな味があるのならそういう食べ方もアリね。

 人生初のラーメンとやらはどんな味なのかしら。

 ツルツルツルと啜ってみる。


「美味しい」


「へぇ、こんなにスープ一つで味が変わるんだな」


「だからお前はずっと大袈裟なんだよ……マジかこんなに変わるのかよ。これは、塩も頼んでおくべきだったか」


「ラーメンの追加でごわすか?おいどん、嬉しいでごわすよ!」


「おいこの麺バカが!お客様から追加の注文頼んでねぇだろうがじっとしてやがれ!」


 奥から聞こえるデブの料理人じゃなくて、体格の良い料理人がまたも料理長に怒られているようだ。

 でも、確かにこうしてシェアし合えるなら塩と頼んでおいても良かったと私も思う。


「はぁ、なんかホッとする味なんですねラーメンって」


 うん、リーリル。

 私もよくわかる。

 あったかいものってホッとするのね。

 もう、大満足なんだけどこのあと私とリーリルにはメインディッシュ顔負けのケーキが待ってるのだから。

 ここまで、お読みくださりありがとうございます。

 少しでも続きが気になると思っていただけましたら評価・良いねしてくださいますと執筆活動の励みとなりますので、宜しくお願いします。

 それでは、次回もお楽しみに〜

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