第十話 好転
【黛視点】
「行くよマムちゃんヤマちゃん!」
なんて、カッコよく外に飛び出した私だけど、何で人の言葉を話すトカゲの集団の真ん前に出ちゃうのぉぉぉぉ!!!!
というか蜥蜴、可愛いすぎてヤバい!
私、爬虫類が金髪イケメンショタの次くらいに大好きなんだぁ。
待って!これって乱獲のチャンスじゃない?
あっ私のギフト蛇遣いだった。
爬虫類遣いだったらよかったのに、シクシク。
ポワワン。
『大蛇、聞こえますか?こちら蛇神です。爬虫類好きの飼い主様のためにギフトを進化させました。ステータスを開くように言ってください』
『承知しました』
「主よ。ステータスを確認してみよと蛇神様が申しておる」
「えっ、ヤマちゃん、蛇神様とお話しできるの!?えっ!?この敵のど真ん中で!?」
「大丈夫だべ。ステータスを開いてる間は、時が止まるのがお決まりだべな」
「そ、そうなんだぁ。ますます、なんかゲームの世界って感じだね。ステータスオープン!」
ブオン。
えーっと何々。
ギフト、蛇遣いが進化して爬虫類遣いになりました。
わーいヤッターこれで、話せる蜥蜴さんたちを乱獲し放題だぁ。
私の推しのラルク君のお家の人を助けたら御礼に屋敷にも出入りし放題かも。
にゃふふ。
「何だあの女、俺たちの前に立ち塞がりやがって、その首掻き切ってやるぜ」
「そういう汚い言葉、使っちゃダメだよ!私の眷属になっちゃえーーーーー!」
某アニメの有名キャラの有名なセリフのように手からビームみたいなのを出して、片っ端から蜥蜴さんたちを支配下に。
って、私のギフト爬虫類相手ならチートなのでは!?
「姫に対して、俺たちはなんて口を。己の口が憎い!姫、我らに御用命を何なりと!」
うん。
フランク王国の兵士さんたちも何が起こったのってなるよね!
安心して、この子達は今日から私の愛くるしいペットだから。
「おい!貴様ら、何をしている!さっさとフランク王国を踏み潰さぬか!」
あれっ?
1匹だけ、私の力が及ばない蜥蜴さんが居る!?
な、何で?
『すみません。私の力でも流石に魔王直属の部下には効果がありませんでした。シクシク。飼い主様のお役に立てず悲しいです』
『成程、蛇神様でも無理だべか。その事、主に伝えておくべ』
『お願いします。私の声は、どうやら飼い主様には、全く聞こえないようですので。シクシク』
「主、蛇神様が言うには、アイツは魔王直属の部下だから力が及ばなかったと謝ってるべよ」
「そ、そうなんだ。それにしてもマムちゃんもヤマちゃんも蛇神様の声が聞こえるなんてずるいよ!」
「うむ。主にも聞こえると良いのだが」
「おい!お前ら姫にあの気持ち悪い蜥蜴野郎を近づけるんじゃねぇぞ!俺たちで、姫を守るんだ!」
いや、君たちも蜥蜴だよね!
という可愛いツッコミはやめておこう。
私を守ろうと布陣して尻尾を振ってる様は、ナイトのようだもん。
守りたい蜥蜴ちゃんの幸せを!
「兵隊の皆さん!私は、黛比呂です!このフランク王国に召喚された勇者の1人です!私の力は、爬虫類を眷属にする力です!この蜥蜴さんたちは、私のペットになりました!だから一緒にあの鎧を着て、強そうな蜥蜴さんを押し留めるのを手伝ってください!お願いします!」
【ホプキンス視点】
あのねぇちゃん、敵のど真ん中に現れるなんて、ついてねぇな。
だが、目の前で同じく異世界に飛ばされた戦友が殺されるのを見てるだけなんて、男が廃る!
ってかそんなことしたら坊ちゃんに合わせる顔がねぇ。
俺は、駆け出していた。
ははっ。
ねぇちゃん、最高だ!
あの話すトカゲを味方にしちまうとはな!
よっしゃ!
後はあのちょっと偉そうに命令してた蜥蜴だな。
「なぁ、アンタら?ねぇちゃんの話が聞こえてたんなら、俺について来い!それにフランク王国の命運を異世界から召喚された勇者に任せてていいのかい?それで、本当にこの国を守れたって胸を張れんのか?」
「勇者ホプキンス殿の言う通りだな!だが、その役目は王である余が担おう!皆の者、あの勇敢なる女勇者が作ってくれた反撃の機会を無駄にしてはならん!今こそ、魔王軍十六神将が1人、アイデクセムを討つ好機ぞ!余に続けえーーーー!!!」
「へっ。やっぱ、アンタはキチンとした王族だぜ。まともな国に召喚してもらったことを礼を言うべきか?」
「そのように言ってもらえれば、あの馬鹿息子がしでかしたことも少しは。マシにならんな!やっぱり、アレは少々甘やかせ過ぎた。この戦が終われば、厳しくせねばなるまいな」
「あぁ、そうした方が良い。特にいきなり召喚した勇者に、何の説明もなくとっとと魔物を倒して来いとか言う馬鹿には」
「ほんにすまんかった!」
「まぁ、今は共にアイツを倒そうぜ!」
「うむ」
【黛視点】
兵隊さんたちに私の想いが通じたみたいで助かったよ。
「私の可愛い蜥蜴ちゃんたち!」
「はっ姫!何なりと御用命を!」
「では、ゴホン。専守防衛を命じます!私の命を守るために死んじゃダメだからね!皆んなで、勝つの!」
「うおおおお姫!!!!俺らの命まで顧みてくれるなんて、あんなクソ蜥蜴野郎と全然違うあったかい言葉に泣いてしまうぜ」
おお、ヨシヨシ。
そんな辛い目にあってたんだね。
異世界にもブラック体質のところってあるんだね。
もう大丈夫だよ。
私は、みんなの命が大事なんだから!
「もう良い!テメェら魔王様を裏切るってなら俺が片っ端から斬り伏せてやるから死ぬ覚悟はできたか?」
そ、そんな脅したって、私たちは絶対に負けないんだから!
こ、こっちには、私の奥の手ヤマちゃんが居るんだからね!
「主よ。足が震えておるぞ」
「慣れないことをするからだべ」
「うぅ。だって、この子達はもう私の大事なペットだから飼い主として、しっかり守ってあげないとだから」
「姫の言葉に痺れる〜!一生ついて行きやすぜ姫!」
こ、怖いけど皆んなで立ち向かえば怖くないよ、ね?
ここまで、お読みくださりありがとうございます。
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それでは、次回もお楽しみに〜




