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異世界転移に巻き込まれた坊ちゃま好きたちによる坊ちゃまを最強に育てる異世界開拓  作者: 揚惇命
第二章 フランク王国

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第六話 貞操の危機

【黛視点】


 うーん。

 私、何してたんだっけ?

 えーっと。

 そうよ!

 ここが異世界で、私の金髪ショタイケメンを愛でる物語が密かに幕を閉じたことを知って、あまりの衝撃に気絶したんだった。


「大丈夫かい比呂?」


 はっ?

 何で、油田が私のことを呼び捨てにしてるわけ?

 全く意味がわからないんだけど。

 訳のわからない世界で、現実世界の人間同士で波風立てるのは良くないわよね。

 仕方がないわね。

 もう話しかけるなと忠告したけど目を合わせてあげましょうか。


「えぇ、ありがと」


「気にする必要ないよ。俺と比呂の仲じゃないか」


 だからなんで、コイツはさっきから私のことを名前呼びなのよ。

 私と貴方、そんなに親しくないでしょ!

 いちいち突っ込むのも馬鹿馬鹿しいから無視するのが1番ね。


「他のみんなはどうしたの?」


「料理人っぽい奴らは、この国の人のために力になるとか言って、台所に向かったよ。ここには俺と比呂だけ。もう誰に気兼ねする必要もないんだよ」


 はっ!

 何なのコイツ?

 頭、大丈夫?

 何で、キス顔で待ってんの?

 私がコイツとキスするわけないでしょうが!

 キモいんだよ豚。


「んぐっ」


 何でコイツとキスしてるの?

 頭は拒否してるのに身体がまるで言うことを聞かない。

 キモいキモいキモい。


「比呂の唇、美味しかったよ」


 キモいキモいキモい。

 何で、身体の自由が全く効かないの?


「ゴフッ。ハァハァハァ」


 えっ?

 何で私の唇を奪ったコイツの方が苦しそうなの?

 苦しいのは私の方なのに!

 油田はずっと苦しそうに喉を抑えて、しばらくジタバタした後、動かなくなった。

 それと同時に私の身体の自由が戻っていた。


「ねぇ油田先生?大丈夫ですか?ちょっと!?死んでる。嘘、何で?」


 私は油田先生の脈に手を当てて死亡を確認した。

 でも、何で油田先生が急に死んだのかわからない。

 そして、この場にいたのは、油田先生の言葉が正しいなら私だけ。


「これ、私が犯人として疑われちゃうじゃない!ちょっと、油田!ふざけてないで、起きなさい!起きなさいってば!」


 何度身体を揺すっても油田が目を覚ますことは無かった。


「ちょっと嘘でしょ?キスしたこと怒らないから。ねぇ?目を覚ましなさいよ!」


 胸の辺りを何度叩いても、起きることは。


「無理だべぇ。もうコイツさ死んでる。それんしても今度の主は、自分で殺した相手に対して、情が深いんだべなぁ」


「だ、誰!?」


 私が見た方向には1匹の蛇がいた。

 その姿は、毒蛇として誰もが知ってるマムシだった。


「蛇が蛇が喋ってる!?」


 私は驚きのあまり再び気絶するのだった。


「やれやれ、世話の焼ける主だべなぁ。こんままだと犯人にされるのがわからんわけではあるまいに。ここは、新しい主のため一肌脱ぐべなぁ。これで良しと」


 突然、現れた大型の蛇に丸呑みされる油田歩夢の遺体。

 そう、これには黛比呂の得たギフトが関係している。


 名前 黛比呂

 職業 国語教師

 ギフト 蛇の遣い(ありとあらゆる蛇を眷属にできる。初めから毒蛇と大蛇は召喚可能)

 生い立ち こよなくショタを愛する国語教師。ショタなら適応範囲が広いが特に金髪イケメンショタが大好物である。当初は、この癖を満たすために英語教師として赴任できる外国の人たちが通う学校を希望していたがラルク=フォン=ビスマルクが留学した学校の英語の授業は本場の人が教えるという縛りがあり、国語教師となったという経緯がある。教え方は丁寧で、子供達にも人気があるが大半が自身の癖によるものである。だが誤解しないで欲しいのだが彼女は、ショタを愛でたいだけで、手を出そうとは考えていない。ここだけは間違いないように。家で蛇を飼っていることは、内緒にしている。


 目を覚ました私は、マムちゃんにステータスを確認するように言われた。

 というかこういう時ってさ。

 能力値とかそういうのが出ると思うんだ。

 少なくとも私がプレイしてるショタゲームの推したちですら人物紹介の後、能力値が出てたもん。

 なのに、生い立ちの欄が長すぎる!

 しかも赤裸々過ぎる!

 何で、私がショタ好きだけでなく蛇好きであることもバレてるの!?


「く、苦しいんだべ」


「あっ!ごめんマムちゃん」


 この子は、マムシのマムちゃん。

 というかお話できる蛇、可愛い。


「撫でられるのは気持ち良いべ」


「主よ。我のことも忘れるでないぞ」


 こっちの大きな子は、大蛇のヤマちゃん。


「勿論だよヤマちゃん。それにしても私の許可なくいきなり殺すなんて、危うく人殺しになっちゃうところだったんだからねマムちゃんのせいで」


「主に危機が迫っていたべな。やむを得ない処理だべよ」


「うむ。主に我らが初期装備されていなければ、完全に詰んでいたところであったな。神の計らいに感謝すると良いぞ」


「えっ?他にもこういったスキル持ちの人にくれてないの?」


「普通は自分で蛇を捕まえて眷属にするスキルだべ」


「うむ。恐らく主が実生活で蛇を飼っていた事が考慮された形であろうな」


「でもマムちゃんとヤマちゃんのお陰で、私の貞操の危機は回避されたって事だよね。なら、ノー問題よ」


「うむ。して主は、上での戦には協力されるおつもりか?」


「何でも、ビスマルク公爵家の使用人たちが前衛と後衛に分かれて、オークとゴブリンの群れを押し出しているとか言ってたべよ」


「ビスマルク公爵家!?」


 それってラルク君の家の人たちだよね?

 そんなん推しのためならお姉さんも協力しちゃうぞぉ。

 でへへ。


「その顔でわかった。では、我らも暴れるとしよう」


「魔物相手は久々だべ」


「いくよマムちゃん、ヤマちゃん」


 こうして、私も推しのためにフランク王国を守るために協力するのでした。

 って、魔物があんなに気持ち悪いなんて聞いてないよぉ!!!!

 ここまで、お読みくださりありがとうございます。

 少しでも続きが気になると思っていただけましたら評価・良いねしてくださいますと執筆活動の励みとなりますので、宜しくお願いします。

 それでは、次回もお楽しみに〜

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