プロローグ02 メアリーの場合
〜メアリーside〜
「わ・た・し・は、最強のメイド〜♩」
いつものように歌いながら仕事をこなしているメアリー。
「メアリー、また替え歌歌ってるよね?」
「やめなって!蠍座を最強と本気で聞き間違えてるだけかも知れないでしょ!」
「えぇ、でも流石に女をメイドと聞き間違えてるなんてことないから有り得なくない?」
「というか音程はそうだけど。ワンチャン違う歌の可能性も」
「ないない!あの音程は、絶対。蠍座の◯◯◯よ!」
メアリーの歌を聞き、あれが何の歌の替え歌なのかを連想する他のメイドたち。
おっと、私の紹介がまだでしたね。
坊ちゃまの可愛い専属メイドメアリーちゃんとは、私のことなのです!
ここビスマルク公爵家が日本での仕事の際に購入した邸宅では、メアリーを含むメイドが20人近く働いているのです!
その中でもメアリーは超優秀なのです!
坊ちゃまの専属メイドを任されているぐらいにはですけどね!
コツコツコツ。
ヤバい!
この床を軽く叩くような音は、私の恋のライバルで坊ちゃまの専属執事を務めているローザ様の足音なのです!
メアリーは、賢いので、隠れることにします!
「メアリー!仕事は終わりましたか?メアリー?メアリー?」
フッフッフッ。
私の隠密スキルにかかれば絶対に見つからないのです!
これで、朝、偶々。
本当に偶々、割ってしまった花瓶で怒られる心配は無いのです!
確か数千万とか言ってましたが知りません。
あんな割れやすいところに置いてる方が悪いのです!
「あっローザ執事長様!メアリーでしたらそちらのカーテンの裏側に隠れていますよ」
なぬぅ!
何故、バラす!
人が隠れているのだから察して、そのままにするのがメイドの嗜みでしょうが!
「まぁ、良いでしょう。隠れているのなら皆の前で貴方がしたことを暴露するまでのことですので。メアリー、貴方、また花瓶を破りましたね?」
なぬぅ!
バレている!
何故、これだけ多くのメイドさんが居ながら私と断定できるのですか!?
それに、アレは完全にバレないように割った後、隠したというのに。
ローザ様の目を誤魔化しきれませんでしたか。
「これでも、出てこないとは良い覚悟ですね。そこです!」
「あばばばばば、何故、ココだと?」
「貴方のことですから居場所をバラされたら動くと予想していましたよ。さぁ、来なさい!あまりにもそそっかしいとこちらから坊ちゃまの専属メイドを変えるようにお伝えしますが」
「ローザ様〜後生ですからそれだけはやめてください〜」
「なら、しっかりと私の説教を受けていただきますので、お覚悟を」
「どっちも嫌ぁぁぁぁぁぁぁ」
ローザに引き摺られていくメアリー。
「あーあ。本気で花瓶割ったのが自分じゃ無いって隠し通せる気だったのかしらね?」
「そもそも、いつも割るのは、坊ちゃまの部屋の前の花瓶なのだから。メアリー以外、有り得ないのにね」
「ふふ。知ってる。アレ、いつも仕掛けてるの坊ちゃまらしいわよ。それに、数千万とか言ってるけど実際は100円の安物なんですって。ほんと、日本ってお得商品がたくさんあるわよね」
なんてその場に残された他のメイドたちが話し合っていた。
「メアリー、貴方ばかり坊ちゃまに悪戯されてずるい」
だから捕まりたくなかったのです。
こうなったローザ様は、永遠と。
「聞いてるのですかメアリー!」
「は、はい。聞いてます。聞いてますよ」
「でしたら坊ちゃまは、どうして、私にはイタズラを仕掛けてくださらないのですか!」
「えーっと。母のように慕っているからでは無いでしょうか?私は多分、ペットか何かだと思われているからイタズラして楽しんでいるのかと」
「まぁ。そうなのですね。母のように。そうですね。何たって、私は0歳の時から坊ちゃまの専属執事として、御世話を」
そこで赤くならないでよ。
ほんと、私もだけどローザ様も普段は完璧なのに坊ちゃまが絡むと途端にポンコツになるのです。
「ゴホン。そのことはもう良いです」
切り替え、はやっ!
「そろそろ、坊ちゃまを起こす時間です」
「あっ!直ぐに行ってきまーす!」
「えっ!?待ちなさいメアリー!その役目、今日は私が代わって。ってもういないじゃない!」
ふぅ。
危ない。
危ない。
坊ちゃまの学校への送り迎えという2人きりの空間のあるローザ様に坊ちゃまを起こすという2人きりになれる時間まで奪われてしまうところでした。
さぁ、気を取り直して。
この後、坊ちゃまとなんやかんやあった後、玄関でローザ様と坊ちゃまをお見送りし、坊ちゃまの部屋へ。
「ローザ様の方がずるいのです!坊ちゃまの匂いを直嗅ぎするなんて。私だって、坊ちゃまの匂い嗅ぎたかったのに。こうなったら坊ちゃまの部屋へ。あぁ、やっぱり坊ちゃまの匂い、良い。安心する」
こう思う私はやっぱり犬メイドなのでしょうか。
ちがーう!
断じて、私は坊ちゃまのペットじゃなーい!
坊ちゃまの専属メイド、坊ちゃまが成長したらアッチの手解きを。
にゃふふ。
何でしょうか空が突然赤く?
「な、何なんですか!?どうして、坊ちゃまの部屋の天井から魔法陣が迫ってくるんですか!?嫌ぁぁぁぁぁ!私はまだ死にたく無いのです!」
逃げようとする私でしたがまるで身体が鉛のように重く動けないまま魔法陣に飲み込まれたのでした。
グッバイ、私の幸せな日常。
グッバイ、私の大好きな坊ちゃま。
グッバイ、ホワイトな職場。
いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
と叫ぶ、私の意識は、暗い闇の底へと沈むのでした。
ここまで、お読みくださりありがとうございます。
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それでは、次回もお楽しみに〜




