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異世界転移に巻き込まれた坊ちゃま好きたちによる坊ちゃまを最強に育てる異世界開拓  作者: 揚惇命
第一章 リーツェン王国

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第十話 危機は突然に

【フリードリヒ視点】


 勇者召喚良いではないか。

 良いではないか。

 勇者に聖女に賢者に拳闘師が一軍だな。

 次いで、バーニングマンにサムライにナイトランサーにネクロマンサーといったところか。

 育てるのはそれぐらいで。

 後はまぁ、飼い殺しで良かろう。

 今日はもう遅いが明日の予定は。

 そうであった応接間にフランク王国の使者殿を待たせているのであった。

 今日はもう遅いので、明日改めて対面すると伝えてもらうとしよう。

 魔物に絶賛攻め込まれて滅びかけの友好国の使者の相手などしたくはないが、滅んだ後目くじらを立てられるのは良くない。

 それに、ここは懐の広さを見せつけることで、余がフランク王国を魔物どもから取り返した暁にその地を治める大義名分も得られよう。

 そう思えば、あの危機的な国の使者と会話をするのもやぶさかではない。

 しかし、24人中8人の当たりとは、こうなると余に楯突いて鬱陶しかった男の持つギフトが何であったかも気になる。

 まぁ、殺した後で嘆いても仕方あるまい。

 ガキの癖に一国の王である余に命令するなどあってはならぬことゆえな。

 あの侵入者も役に立ってくれて何よりだ。

 余の命を守って死んだ英雄となれるだけ有難いと思ってくれたまえよ。

 フハハハハ。


【???視点】


 夜、墓場に忍び込む1人の怪しい少年。


「ふひっ。僕が天から与えられたスキルはネクロマンサーなんだよねぇ。なら、試してみたいことがあるよねぇ。ふひっ。ひひっ。はひっ」


 独特な笑い方で、墓場にやって来たのは、ネクロマンサーのギフトを持つ根暗葬である。


「甦れ〜屍たちよ〜ふひっ」


 何かを唱えると墓場から無数のスケルトンやゾンビが生えてきた。


「ふひっ。ひひっ。やっぱり異世界ならこうじゃないとねぇ。誰が国の奴隷に大人しくなると思ってるんだか。ひひっ。はひっ。魔族側に寝返る勇者なんて居ないと思ってるのかなぁ?全く、平和ボケしてるのは我が国だけにしてもらいたいものだねぇ。ふひっ。ひひっ。僕はねぇ。どちらかというと魔族とか邪悪信仰崇拝派なんだよぉ〜。でも、僕と同じように転移させられてきたクラスメイトたちをいきなり殺すのは流石に気が引けるから、今はこの国の奴らだけにしておいてあげるよ。僕って優しいからさ。ふひっ」


 根暗葬が合図をすると無数のスケルトンとゾンビがリーツェン王国中を襲い始めた。


【フリードリヒ視点】


「陛下!陛下!」


 何だ夜中に騒々しいな。

 兵士如きが、余の眠りを妨げるでない。


「陛下!早くお逃げください!魔物が!スケルトンとゾンビの大群が我が国を襲っております!」


 馬鹿な!?

 スケルトンとゾンビの大量発生じゃと!?

 それも我がリーツェン王国で?

 そんなはずが。

 待てよ。

 ゾンビとスケルトン如きに何を恐れる必要があろうか。

 我が国には、聖女が居るではないか。

 全て、無に返してもらうとしよう。


「馬鹿者が!ゾンビとスケルトンなら今日召喚に成功した勇者の中に聖女が居たであろうが!」


「あっ!」


「あっではないわこの無能が!とっとと聖女を起こして、外の魔物を消してもらえ!」


「はっ!ただちに」


 それにしてもいきなりスケルトンとゾンビが大量発生するなどきちんと使者を弔っている我が国において、おかしい話だ。

 何か裏があるか。

 何者かの陰謀か。

 待てよ。

 確か、今日召喚した勇者の中に死霊術師が居たな。

 2軍要員と考えていたが、我が国を混沌に貶め、余の眠りを妨げるとは惜しいが、こうなっては死んで償ってもらうしかあるまいて。


【ラルク視点】


「フランク王国の使者御一行様、起きていらっしゃいますでしょうか?」


 んん?

 ふわぁ〜。

 ヤバい、寝ちゃってたよ。

 隣を見るとローザとメアリーも寝てるなぁ。

 起こすのも可哀想だし、ここは当主として僕が対応しないとね。


「はい、起きてます!」


 確か成り行き上、僕がフランク王国の使者ってことになっていて、フリードリヒ陛下と会う約束をしていたんだったね。

 ようやく、僕のクラスメイトたちとのやり取りが終わったのかな。


「良かった!フリードリヒ陛下より言伝を預かってまいりました。本日はもう遅いゆえ、明日日を改めて、お会いするとのことです。大変申し訳ございませんが皆様を客間にご案内したいのですが、構いませんでしょうか?」


 うーん。

 確かに不動君と服部お兄さんを弔って戻ってきた時に日が落ちかけてたもんね。

 通りで眠くなるわけだ。

 客間に案内ということは、ローザとメアリーを起こさないとね。


「ローザ、メアリー、起きて」


 僕は2人の身体を揺すった。


「ムニャムニャ。坊ちゃま、いくら私が食いしん坊でも、そんなには食べられませんよ〜」


「んん。坊ちゃま?私としたことが申し訳ありません。坊ちゃまを放っておいて寝てしまうとは」


「僕たちにとって見慣れた場所でも異世界には違いないからね。僕のためにずっと気を張ってくれていてありがとう」


「いえ、もったいないお言葉です。メアリー!貴様はいつまで寝ているつもりだ!」


「きゃいん!?この堅物眼鏡!いきなり何するんですかぁ!」


「誰が堅物眼鏡なんでしょうかねぇ?」


「あっ!」


「そうですか。そうですか。メアリーは、私のことを陰でそう呼んでいたと。なるほど。なるほど」


「あぎゃぱ」


 当然の如く、問答無用で張り倒されるメアリーであった。

 ここまで、お読みくださりありがとうございます。

 少しでも続きが気になると思っていただけましたら評価・良いねしてくださいますと執筆活動の励みとなりますので、宜しくお願いします。

 それでは、次回もお楽しみに〜

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