暇を持て余した神々の遊び
父から受けた仕事をいい感じにこなしていた神は少し暇をしていた。なんかオモロイことないかな、なんて考えていると兄弟間でビオトープづくりが流行っていることを耳にした。
なんだか気になるし我もやってみよっかな〜。
神は暇を持て余していた。
やるべきことはあるにはある。最高神である父から受けた仕事だ。しかし、その仕事は神にとって得意分野中の得意分野。神と呼ばれるに相応しいその権能を待ってして仕事をそうそうに軌道に乗せ、今こなすことは全て消費してしまった。
致し方ないこととはいえ暇すぎて困っている。
なんだかなぁと思っているとふと考えついた。
神と同じように最高神たる父から兄姉たちも皆仕事を受けている。兄弟間でも、権能にはある程度の違いがあるが、神ほど仕事を有能にこなしている奴はそう多くはない。きっとうまくいっていない奴もいるに違いないはずだ。
我、手伝ってやろ〜。
まずは1番仕事が溜まっていそうな長姉のところだ。
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「やっほ〜。仕事まみれのあねうえ〜。我が来ました〜。」
「うげ。」
長姉は案の定仕事の真っ最中であった。可哀想に。
この姉、有能ではあるが、手よりも口がよく動くものだから仕事が全然進まずいつも溜め込んでいるのだ。
「我は暇ゆえ、姉上の仕事を手伝いに来ました〜。」
「いらん。貴様にできることなどたかが知れている。私の仕事で貴様ができるものない。余計な手を出されるとかえって邪魔だ。第一、貴様が暇だろうが暇ではなかろうが私には一切関係ないことだ。そうやってうだうだ絡んでくるな。帰れ。」
い、一言うと十返ってくる〜。姉上は本当に口数が多い。
しかし、姉上のところでは我のする仕事がないとなると他の兄姉のところに行くしかない。
「うーん、姉上のお手伝いができず残念です。仕方がないので他の兄上、姉上方のところへ行ってきます。ありがとうございました。」
「待て待て待て。貴様他の兄弟たちにも迷惑をかけるつまりか。少し待っていろ。貴様でもできるような物があるから見せてやる。」
「なぁんだ。あるじゃないですか、仕事。早く寄越してください。」
「うるさい。仕事ではない。
暇な時に何も仕事をしなくてもいいだろう。趣味を待て、趣味を。」
そう言って姉上はあたりをゴソゴソと探し始めた。
姉上は調和の権能を持っているため、周囲がとても整っている。たがいかんせん、仕事やら私物やらが多すぎて目当てのものが全く見当たらないらしい。
「姉上、もうよいですか。そろそろ兄上のところにでも行きたいのですが。」
「待て待て、貴様飽きるのが早すぎるぞ。姉の探しものの間くらい大人しく待てないか。っとあったぞ。これだ。」
そう言って長姉が取り出したのは何やら薄らと光る物体だった。
「なんですか、これ。」
「ビオトープだ。」
「はぁ。ビオトープですか。」
「はぁとはなんだ、はぁとは。貴様絶対分かってないだろう。ビオトープとはな、空間の中に生命の居場所を使ってやった場所のことだ。ほら、よく見てみろ。」
じぃっと目を凝らしてよく見てみると、物体の中は小さな何かが忙しなく、もじょもじょと動いている。
「うわ、きもちわるっ。姉上、このもじょもじょ、人間じゃないですか。これがいいんですか。趣味悪いですね。」
「口が悪い上に失礼だな。まぁ嫌いならわざわざ作らなくてもいい。好きな物だけを詰め込めばいいのさ。ほら他のところも見てみろ。」
「はぁ。こっちは竜やら魚やら…まぁ確かに見るところによって雰囲気が結構変わりますね。」
「そうだろう。どうだ?気になるか?やってみると面白いぞ。趣味程度でできるもんだし、なんやかんやで他の兄弟たちも皆やっているしな。」
「えっっ!みんなやってる??我だけ除け者じゃないですかっっっ!!」
「うわ、うるさ。」
なんてことだ。この我を除いて皆やっているなどと。みんなでわいわいわいわいしているのに教えてくれなかったというのか…!!
「ずるい!!」
「別に皆わざと貴様に教えなかったわけでもあるまい。たまたまビオトープの話題の時に貴様がいなかっただけだろう。まぁ、間が悪かったのだ。これから始めればよかろう。」
「仕方ないですね、これから会う兄上、姉上方には1発ずつ強めのラリアットを喰らわせることにします。それでチャラです。」
「なんと理不尽な…。」
それに我は有能なので、皆と一緒に作り始めたら我のビオトープが飛び抜けて素晴らしいものになり、「ええぇ〜貴様のビオトープすごすぎじゃん?なんかやる気なくなるわ〜。」と嫉妬を買ったり、周りの創作意欲を削いでいたに違いない。そう考えると今くらいから始めてみるのもいい気がしてきた。
「姉上ぇ〜、我もビオトープやってみます。きっと凄まじいものができますからね。姉上に見せつけにきます。」
「別に見せつけんでもいいが…。」
よーし、我、ビオトープ作っちゃうぞ〜。
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続きができたらあげます。