第三話 星魔術
カイルの家に来てから3年。
俺もあっという間に3歳まで成長した。
3歳にもなれば自分で立つこともできるようになり、魔力も安定してきた
「今日は『魔術全集』を読んで初級魔術でもチャチャっと再習得するか」
が、これが意外と難しいのだ
あれ?こんなに難しかったけか?
ポテチ食って寝てた元フリーターの俺からしたら至難の業だが、俺はフリーターの前に星魔術師だ。
こんなところでめげるわけにはいかない!
と、決心して2時間後…ようやく、初級魔術をすべて再習得した。
うん、ここまでくればこっちのもんだ!
魔術は使い始めこそ難しいが、魔術の引き出し方さえ思い出したらあっという間に上級までは習得可能だろう
カイルは街に出ていて留守だ。
ならばここでいっちょ、星魔術の一つでも使ってみるか!
星魔術の詠唱はどこにも書いていないけど星魔術師には生まれつきその詠唱が脳内に焼き付いている。
俺はそれを淡々というだけ。
星魔術は初級魔術でも変な使い方をしたら魔力災害になりかねない、慎重に扱わねば!
場所選びは特に重要だ、
よしッ!あの山の頂上から星魔術を使おう!
…とは言っても俺まだ三歳だぞ!
普通に考えて三歳児が山を登るなんてどんな英才教育してんだ?って話だよなぁ
が、仕方ない、ここで星魔術を使ったら被害が多すぎるもんな
あの山登るかぁ…
目的の場所について俺はついに28+3年ぶりの星魔術!
あぁ~緊張するぅ
だが、魔術に集中は必須だ、ここはまじめに深呼吸をして、、、
「 深淵の闇に広がりし数多の星の守護神よ、星の導きに従うことを誓わん、我が手に魔力を宿し時には星の光を解き放ち漆黒に満ちた夜空に星が光るごとく照らして魅せよう 『ステラ・グロウィング』‼ 」
家一つは消し飛ぶほどの威力がある光の筋が鼓膜が破れるような音とともに走っていく。
マジか、ここまで強力だったか? 星魔術
まぁでも、これで俺が星魔術師という事が確定した。
なんせ星魔術は一世代に1人しかいないからな、
世界に1人だけってめちゃくちゃ興奮するなー!
何はともあれこれで星神打倒作戦一歩前進!
夜
カイルは冒険者をやめて今は何でも屋になっているらしく日中は街に出ている。
ご苦労さんだぜ
「リリィ、これお前の杖だ、遺品としてあの戦闘後に持ち帰ったがお前に返す」
「おぉ!わが愛しの杖よ!よくぞ無事で‼ これで星魔術もより一層扱いやすくなった。ありがとう、カイル」
思いがけぬ愛杖との再会ッ!
あぁこのにおい、懐かしいッ!
「…そのことなんだが、お前、あの…今日星魔術使っただろ、町の方からも光の筋が見えて町民はパニックになってたぞ」
…ヤッベェー! まさか見られていたとは!
どうする?言い訳するか?
いやでも、ここは正直に…
「あぁ、俺が使った、久しぶりに使いたくなってさ、、」
なんていった方がいいのか?
それとも、
「なんだそれ?そんなことあったのか?」
と白を切るか?
どうする?どうする?
でも、ここは正直に、
「そのことなんだけど、それやったの、俺なんだよね。いやぁー魔力量調整しようとしたんだけど、久しぶりの星魔術で魔力こんとろーるできなくてさぁ~」
よしッシナリオ通り!これで怒ってきたら俺だって逆切れするぞぉ~
…三歳の体でな、、、
「だよな、逆にお前以外ありえない話だ、まだ魔力が体になじんでないのに星魔術なんか使ったら魔力災害が起きるからやめとけ、前回も同じようなことあったろ」
たしかに俺は前前世の時に星魔術を使って魔力災害とまではいかないが地球のJKを召喚させてしまったことがあった。
今どうしてるんだろ?
そいえば前はなかったのにこの世界二回目になってからは地球でも目にするものがあったな?
木製ではあるが歯ブラシとかだな、
もしやすると、そいつが広めたのか?
「リリィお前、星魔術を使うことは構わんがもっと魔力が安定してからにしろよ、その杖も10歳になるまでは絶対に使うなよ!」
あぁはいはいわかりましたよっと
そんなことはどうでもいいから
かわいい女の子はまだかい?