第8話
「あと申し遅れたのですが私は志水と申します。あなた様はなんとお呼びすればよろしいですか?」
「我はスライム、名前など無い。」
「そうなんですかー。私が想像してたよりも大きくて強くてらっしゃるのでスライム様とは思いませんでしたー。」
「まあ我はスライムを統べる王だからな。強くて当たり前なのじゃ。大きいのは100体のスライムを取り込んでいるからじゃな。サイズは適当じゃ。」
(ですよねー絶対普通のスライムじゃないですよねー)
そう思ったけど志水はスルーした。
「ところでシミズ、おぬしから美味しそうな匂いがするのじゃ。」
「えっ!?私は食べても美味しくないと思いますよ!」
「だれがおぬしなんて食べるか!なんか甘い匂いがおぬしからするのじゃ!」
慌てた俺はポケットにブラックサ⚪ダーがあるのを思い出した。
「もしかしてこれのことですかね?」
俺はスライムに見せるようにして袋からブラックサ⚪ダーを取り出した。
「おお!それじゃ!我にくれんかの?」
「どうぞどうぞ!私より間違いなく美味しいですよ!」
「ではいただくのじゃ。」
そういうとスライムはすぐにブラックサ⚪ダーを取り込んだ。食べ終わったみたいですがプルプル震えて大丈夫ですかね?もしかして犬猫に玉ねぎはーみたいなスライムにもチョコはー的な駄目なやつがあったか?
「スライム様どうされましたか?大丈夫ですか?」
「うっ、うっ、」
「う?」
「うまいのじゃー!!!こんなに甘いものはじめて食べたのじゃー!!!」
「それはよかったです。」
(セーーーフ、やらかしたかと思ったわ。)
「これはもう無いのか?もっと欲しいのじゃ!」
「今はあと50個ぐらいありますね。差し上げますよ。」
俺はリストウィンドウからブラックサ⚪ダーを50個取り出してスライムに渡した。
「うまかったのじゃー。この世で一番うまいのはブラックサ⚪ダーなのじゃー。」
「この袋はゴミなので処分しておきますね。」
「なんじゃゴミなら我が溶かしてやるのじゃ。」
そういうとゴミは消えてしまった。
「ありがとうございます。ゴミのポイ捨ては環境によくないですからね。森林様も感謝しておられると思います。」
「環境とはよく分からんがまあ感謝してるのならいいのじゃ。」
よし、そろそろ満足しただろう。そろそろ切り出すか。
「あのスライム様、私はそろそろ行こうかと思います。日が暮れる前に森を抜けたいので。」
「まあ待つのじゃ」
えぇ…