第1話
今日は12月31日。俺、志水は会社にいた。
高卒で入社した建設会社は超絶ブラックだった。残業・休日出勤は当たり前。朝は現場朝礼からはじまり、作業終了の夕方まで工事指示や進捗管理、資材手配や打ち合わせ、夜は書類製作や工事写真整理のデスクワーク。
まあ仕事内容なんて言い出したらもっとあるのでキリがない。なぜ大晦日なのに仕事をしているのかはお察しである。
カタカタカタカタパーン
(もう昼か…飯買いにいこ…)
「ありがとうございましたー」
おにぎり2つとファ⚪チキを買って会社に戻る。夜はスーパーの半額弁当を食べて寝る。俺の生活は完成されていた。
(今日はどん兵衛にしようかな。あぁそうだった、材料屋の会社が休みだからホームセンターで材料用意しなくちゃいけないんだった…)
1月1日~3日はさすがのブラック会社でも休みである。志水は3日間は絶対に家から出ないと決めているので今日中に済ましておく。
会社の戸締りをして車に乗ると眠気がきた。
(ちょっと仮眠してから行くか…)
そこで志水の意識は消えた。
享年30歳、死因はストレスによる急性心臓死。
親族もいなく1人の社畜人生の終了である。
「…ん?っやべコー⚪ン閉まるって…は?ここどこ?」
そこには木しかない森の風景と夜のはずなのに青空満天の空が広がっていた。
「こんにちは志水さん。ここはあなたが死んだので私が転生させた異世界です。」
「は?」
「だからあなたの住んでた世界とは別の異世界です」
「はあぁぁぁ?」
どうやら俺は死んだみたいです。