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54話 ヴァルガドの決意



「エ、エレーナとデ、デート、したいんだが、ど、どどど、どうすればいいんだ?」


 ヴァルガドは意を決したようにそう口にしていた。

 

「・・・・・・それ、俺に聞く?」


「逆にお前以上の適任はいないと思うが?」


 そう言われても、俺はデートなんて1回しかしたことないし、どうやってと言われても、分かんないんだよなぁ。


 普通に誘えって言うことしかできない。


「う〜ん・・・・・・なら、この作戦でいくか」


「お? 何か思いついたのか?」


「あぁ、説明するからよく聞いてくれ。まずは・・・・・・」


 そして、翌日。


 ヴァルガドは俺の建てた作戦通りの配置についた。


俺の立てた作戦、それはーー。


最初に、俺がエレーナをヴァルガドのところまで誘導する。


その後、俺がヴァルガドの身体に魂を移動させて、彼の代わりにデートに誘う。


尚、誘う際は、急接近、壁に手を思い切り押し当て、顎をクイっと持ち上げながら、だ。


「あ、奇遇だね、エレーナ。何してたの?」


「べ、別に何もしてないわよ!」


「そうなんだ、ならさ、ちょっと俺に付き合ってくれない?」


「え、ええええ、ええええええぇ?」


 何故か、エレーナは、"え"を連発し出した。


「そ、そんな、で、でも、あなたにはヘレンがいるわけだし、・・・・・・」


 何やら、訳の分からないことをこそこそと呟いているが、とりあえず、俺は再び尋ねてみる。


「ちょっと、来てもらいたい場所があるんだけど、ダメかな?」


「そ、それは、その、さ、流石にヘレンに悪いというか・・・・・・い、いや、決して、いやというわけでは・・・・・・」


 まだ、訳の分からないことを言っている。


「俺の聞きたいことは一つだけだ。真剣に答えてくれ。俺について来てくれるか?」


 俺はいつもよりもかなり真剣な顔で、エレーナを見据えた。


「・・・・・・っ! え、えぇ、あなたが、望むなら・・・・・・」


「分かった、それじゃ、早速行こう!」


 ようやく、エレーナをヴァルガドのところまでつれていける、そう思い俺はエレーナがついて来ているかをこまめに確認しつつ目的地へと向かった。


 そして、到着した後、俺は当初、ヴァルガドに乗り移ろうと考えていたが、取りやめて、身体を入れ替える方向に変更した。


 そうして、俺の身体に入ったヴァルガドは、手筈通りに「ちょっとトイレ行ってくる」と言って、物陰に息を潜めた。


「もう、こんなところまで連れて来ておいて、何なのよ、ガイアのやつ」


「あははは、そ、そう、だな」


「それで、ヴァルガドはどうしてここに?」


「・・・・・・っ! じ、実は、その、エレーナに話があって・・・・・・」


「話? 私に?」


「う、うん・・・・・・明日、良ければ、俺とお出かけしないか?」


 ヴァルガドの口調が今一分からないが、まあ、たぶん、こんな感じだろう。


「・・・・・・っ! ふ、ふんだ! 全く、今更どの面下げて言ってるのかしら?」


「そ、その件については、本当にごめん! 悪魔に取り憑かれていたとはいえ、君を蔑ろにしてしまったことは本当に悪かったと思ってる。だからこそ、その罪を少しでも償わせて欲しい」


「罪って、大袈裟ね。まあ、そういうことなら、遠慮なく使わせてもらうわ、覚悟しておきなさいよ、ヴァルガド?」


「あぁ、任せろ!」


 これで、デート? の約束はできたな。後は、お前次第だ、ヴァルガド。



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