53話 人魚歓迎会
「じゃあ、2人とも、俺にしっかり掴まってくれ」
「「うん!」」
「よし・・・・・・テレポート!」
俺たち3人は、取っていた宿へとテレポートで向かった。
「あ、やっと来たわね。全く、どこで、道草・・・・・・食って・・・・・・ッ!? ちょっと、そこの女は何!? どういうつもりなの!?」
テレポートで着いた瞬間に、エレーナが凄い剣幕で迫ってきた。
「エ、エレーナ、落ち着いて! 彼女のことは、ちゃんと説明するから!」
「そ、そういう問題じゃないわ! あんた、ヘレンがいながら、よくもまあ、知らない女連れてこれるわね!」
何やら、エレーナは飛んだ誤解をしているようだ。
「い、いや、別に、マリーと俺はそんな関係じゃ・・・・・・」
「マリーッ!? もう、名前で・・・・・・あんた、やっぱり・・・・・・」
エレーナの魔力が赤黒い色となって、身体中から溢れ出ている。
これは、まずいな。流石の俺でも、今のエレーナを相手にするのは、かなりきつい。
早く、誤解を解かないと!
「この・・・・・・ばかあああああぁぁぁあ!」
「!? 痛ッ! もう、いきなり、何・・・・・・って、ヘレン!?」
「何やってるのよ、エレーナ! ガイアが困ってるじゃないの!」
ヘレンが突然、エレーナを叩いたのだ。
これには、さすがの俺も驚いた。
「お、おい、ヘレン、別に叩かなくても・・・・・・」
「うるさい! ちょっと、ガイアは黙ってて!」
「・・・・・・はい」
ヘレンは、物凄い圧力のこもった目で睨んできたため、それ以上何も言えなかった。
「・・・・・・とにかく、後で私の部屋に来て、エレーナ」
何やら、ヘレンがエレーナの耳のそばで呟いていたが、声が小さすぎて聞こえない。
まあ、そもそも、盗み聞きする趣味なんて、俺にはないけどね。
「せっかくの楽しい旅行なんだから、喧嘩なんてよそうぜ!」
途中からジークも仲裁に入る。その時には、もう、喧嘩は終わっていたのだがな。
しかし、これは、うやむやにできるチャンスだ。ここは、ジークに乗っかろう。
「そうだよ、みんな。楽しい場で楽しまないなんて損だよ!」
「ええ、そうね。それじゃあ、マリーとの出会いを祝して・・・・・・かんぱーい!」
「「「「かんぱーい!」」」」
ヘレンが乾杯の音頭をとり、俺とジークとエレーナ、そして、主役のマリーも飲み物を片手に乾杯を交わした。
ヴァルガドはといえば、ずっと端の方で蹲り、どこか羨ましいそうな目でこちらを見ていた。
あんな目をされたら、流石に放っておくわけにはいかないよな。
「おい、ヴァルガド、いつまでもそんなところにいないで、こっちに来ないか?」
「なんだ、お前か・・・・・・同情なら、やめてくれ。俺は、お前たちといる資格なんてないってことぐらい、自分で分かってる」
「ぶふッ! はははははははははははっ!」
「!? な、何がおかしいんだ!?」
「いや〜、お前って、本当に馬鹿だよな」
「なッ!?」
「あの事件は、悪魔がしでかしただけで、お前に非はないだろ?」
「た、たとえ、そうだとしても、周りの奴らはそれを認めてはくれないだろ・・・・・・」
「そう、かもしれないな。だけど、少なくとも、俺たちは、お前を認めてるし、否定するつもりもない」
「はぁ・・・・・・何だよ、それ。お前、変なやつだな」
「ひひひひ、お前ほどじゃないけどな」
「なあ、ガイア、一つだけ、お願いがあるんだ」
「? まあ、俺にできることなら、いいが・・・・・・」
ヴァルガドは、顔を真っ赤にして、とても言いにくそうにモジモジしていた。
投稿が遅くなり本当にすいません。諸事情により、投稿頻度が減少しますが、どうか本作品をよろしくお願いします。




