4話 少年の戦い
俺は、ついさっき、悲鳴が聞こえた方に行ってみると、尻餅をついているサーマレストさんと全身真っ黒な奴がいた。
状況から見て、早く行かないとやばそうだな。魔力の半分は無くなるが、しょうがない。
「ファストスピード!」
そういうわけで、俺は彼女がやられる前に間に合ったというわけだ。
サーマレストさんは、上手く逃げられたようだな。これで、俺も思いっきり戦える!
「・・・・・・小娘、取り逃した、だが、お前を、殺した後で、捕まえれば、いい・・・・・・」
「そんなこと、させると思うか?」
「思、わない。だから、殺す」
「ああ、俺も、お前を殺す!」
とはいえ、今の俺の魔力は半分、最上級魔法を1発撃てるか撃てないかだが、果たして勝てるのか。あいつの力は未知数、普通に考えれば、瀬戸際の戦いだ。それなのに、俺は、今、なぜか高揚している。
「マジック、ボム」
「そんなもの!」
マジックボムぐらい、魔力の流れを堰き止めれば、簡単に無効にできる。
「なる、ほど。それ、なら、これは、どうだ? マジック、アロー」
こんな魔法、魔力を使うまでもない。
「マジックリフレクション!!」
「魔法の反射、か」
まあ、あの程度の魔法を反射されたところで、やられるわけないよな。それにしても、なぜ、あいつは無属性魔法しか使わないんだ。無属性魔法なんて他の属性と比べたらカスみたいな魔法なのに。
もしかして、俺の力を測っている、のか。それなら、見せてやるか。俺の力の片鱗を。
「マジックラピッドファイア!」
目には目を、無属性魔法には無属性魔法を! 前世の俺が作り出した最高の魔法だ。普通なら魔法を連続で発動させることなんてできない。現に、俺も昔はできなかった。でも、この魔法を使えば、不可能も可能になる。ただ、この魔法の唯一の欠点は、定められた方向にしか撃てないことだったが、すでに、それは解決済み、今は、全方位から撃てるから、躱すことは、ほぼ不可能。
「・・・・・・!?」
「これで、終わりだ! 発射!」
「・・・・・・マジックシールド!」
・・・・・・手応えはなかった。防がれてしまったか。それにしても、まさか、あれを防ぐなんて、只者じゃないな。
「今の、は・・・・・・そうか、お前、が、あの方の。しかし、まさか、これほどとは、想定外。一時、退却」
「待て、逃すか!」
俺が駆け出した時には、すでに遅く、あいつのテレポートが発動してしまった。
それにしても、本当にあいつは何者なんだ。それに、最後に言っていた、あの方、というのも気になる。もし、あいつらの黒幕が俺のことを知っているのだとしたら、また相対する機会もあるだろう。今日は取り逃したら、次会ったときは、絶対に倒す。
じゃあ、村に帰るとするか。たぶん、もう、サーマレストさんも村にいるだろうし、これを機に友達になれるといいけど。
しかし、現実は、それほど甘くはなかった。その後もサーマレストさんに会ったが、名前だけを言って逃げられてしまった。




