48話 少し早めの夏休み:海に行こう!
魔法競技祭が終わり、俺たちは、少し早めの夏休みに入っていた。
「うわぁ〜、楽しみだね、ガイア!」
「あぁ、そうだね」
夏休みということもあり、俺たちは、学院の管理しているリゾート地に向かっていた。
船の代金や、旅費などは、学院の生徒といっただけで、免除してもらえたので、すごく助かった。
「学院の所有地って聞いたから、どんなに堅苦しい場所かと思ったけど、結構賑わってるみたいね」
「・・・・・・」
「それより、ガイア、ちょっと、食堂行こうぜ! 俺、腹減っちまってよ〜」
「お前・・・・・・さっき、昼飯食ったばかりだろ?」
ここに来て、新たな事実も判明した。ジークは、意外と食いしん坊ということだ。
それとは別に、ヴァルガドは、何だかバツの悪そうな顔をしている。
全部、悪魔がヴァルガドの身体を使ってしたことだし、気にする必要はないと思うが、やっぱり、本人としては、この場に居づらいんだろうな。
「ところで、そ、その、ガ、ガイアは、着いたら、どうするの?」
「うーん、特に、これといって予定とかはないかな」
「そ、そっか。じ、じゃあさ・・・・・・」
「なら、私と一緒にいよう! いいよね、ガイア?」
「あ、うん、もちろん」
エレーナが何か言いかけてた気がするが、まあ、彼女のことだし、戦いたいとか魔法の訓練に付き合えとか、そんなところだろう。
「ところで、エレーナ、今何か言いかけなかった?」
ただ、俺の思い違いということも十分あるため、念のために尋ねる。
「!? べ、別に! ただ、私、あなたに負けたままだったから、リベンジしようと思ってただけよ!」
「な、何だ、そんなことか〜」
「そんなことって・・・・・・あなたね! 私にとっては、重要なことなのよ! 公爵家の美人令嬢がただの村人に負けただなんて、世間が知ったら、権威が失墜するどころの話じゃないわ!」
「あー、それは、大変だね〜」
というか、自分で美人令嬢ってーー。どれだけ自分に自信があるんだよ。まあ、それは、別に良いことなんだけど、聞いてる方は小っ恥ずかしいからね!
「ムゥ〜、もう、怒ったわ! 明日は絶対に私と戦ってもらうわよ! 精々首を洗って待ってなさい!」
「!? あぁ、その代わり、負けてやるつもりはないからな?」
「ふん、そんなの当たり前よ! 良い、手加減なんてしたら、承知しないわよ!」
そう言って、エレーナは、プイッと顔を背けて、海の方を眺めていた。
「・・・・・・ん?」
「? どうかしたの、ガイア?」
「い、いや、別に、そういうわけじゃ、ないんだけど・・・・・・」
何だろう、この海の底にとてつもなく巨大な魔力を感じる。
確か、ここは、ルイボス海で、特になんて事のない普通の海のはずだがーー気になるな。
まあ、今は、別に良いか。せっかくのバカンスだし、楽しまないとな。調べるのはいつだってできるし。
「おぉ〜、ここが、アルフォート島か〜」
船の中で見た時から、人が多そうなのは分かっていたが、想像以上だ。
実際、ここは、カイザール帝国で有名な観光地の一つだし、当然と言えば当然なのだが。
それに、何か良い匂いもする。あぁ、お腹空いたな〜。
『本船は、間も無く、リゾート、ルイボスに到着いたします。ご乗車の皆様を忘れないもののないよう、気を付けてお降り下さい』
船は、そのままルイボス島の港に停り、俺たちは、膨らんだ期待を胸に、ついにルイボス島の地へと足を踏み入れた。




