40話 試験開幕
『それでは、本日より、クラス対抗別試験、魔法競技祭の開催をここに宣言します!』
いよいよ始まったか。みんなの士気がいつも以上に高まっている。これは、面白くなりそうだな。
『開催にあたりまして、学院長よりお話があります! では、学院長お願いします』
『はい、えー、私から言いたいことは一つだけです。みなさん、人間の道徳に則り、怪我のないようにお願いしますね! それから、こちらが、今回のトーナメント表となります。ちゃんと自分の出番を確認しておいてください。間違えたら、即失格なので、ご注意を』
『学院長、ありがとうございました! では、30分後に1回戦を開始します! それまでの間、生徒の皆さんは、控え室にて、準備をしておいてください!』
そして、俺たちは、控え室へと向かった。そこに着くと、少し衝撃を受けた。なぜなら、生徒の数が思ったよりも少なかったからだ。サリー先生が俺たちは8人だが、他のクラスは25人みたいなことを言っていたが、実際には、どのクラスも8人しかいない。まさか、あの先生、また忘れてたのかな。そう考えると、自然と納得できる。とりあえず、トーナメント表を確認するとしよう。
「・・・・・・全部で6つに分かれているのか・・・・・・」
「・・・・・・みたいだな。それにしても、先生の物忘れも勘弁して欲しいな。どのクラスの人数も同じなら、俺たちが負ける道理はないな」
「・・・・・・って、ジーク!? いつから、そこに!?」
「おいおい、ひどいな、ガイア。俺は、さっきから、いたんだが」
「そ、そうなのか、悪い、全然気付かなかったよ」
「何、気にすんな! それより、ガイア、お前は、何ブロックだったんだ?」
「俺は・・・・・・どうやら、1ブロックの1試合目からみたいだな。ジークは?」
「俺は、3ブロックの1試合目だ、相手は・・・・・・カノン・フォード、Aクラスの生徒、みたいだな」
カノン・フォード、魔力も身体能力も平均で、特に強いという程ではないが、この学院の生徒の中では、1番の権力者でもある。まあ、ジークなら、まず負けることはないだろう。それよりも、問題は、ヴァルガドの方だ。一体どのブロックだ。
「お! あれ、お前の言っていたヴァルガドじゃないか?」
「え? どこ?」
「2ブロックの1試合目のところだ」
本当だ、そして、その下の方を見てみると、4試合目のところにエレーナの名前もあった。これって、結構まずい状況じゃないか。どう考えても、ヴァルガドはエレーナよりも圧倒的に強い。そして、この状況は、ほぼ確実に、エレーナとヴァルガドが当たることになるだろう。
「だが、まあ、エレーナ様なら、問題ないだろ!」
「・・・・・・そ、そうだな。たとえ、力の差が、大きかろうと、あの人なら、たぶん、何とか、なる、かもしれないな」
「ところで、ガイア、ヘレンちゃんの出番は確認したのか?」
「あ、そういえば、まだだったな、えーっと、ヘレンは・・・・・・6ブロックの2試合目、か。6ブロックの会場は1ブロックよりも遠いから、ヘレンの試合までに間に合うか、分からないな」
「た、確かにそうだが、お前の足の速さなら、間に合うじゃないのか?」
「いや、こんなに生徒が大勢いる前で、高速移動なんて、できないよ」
だからこそ、間に合うための方法を考えないといけない。まあ、一つあることはあるが、あれはかなりの魔力がもっていかれるから、試合のためにも、できれば避けたい。しかし、ヘレンの試合も見守りたい。
「悪い、ジーク、ちょっと、行ってくる!」
「おう! 走って怪我すんなよ!」
とりあえず、1ブロックから6ブロックまで、どれぐらいの時間がかかるのか測ってみよう。そうして、俺は、まず、1ブロックに行き、そのまま6ブロックへと向かった。
「・・・・・・時間は、5分程度、か」
正直に言って、これぐらいであれば、試合が早く終われば、余裕で間に合う。だから、速攻で試合を終わらせて、ヘレンの試合を見ることにしよう。これで、万事解決だ。
『では、これより、1回戦を開始します! 選手の方は、武舞台にお上り下さ〜い!』
30分が経ち、俺も含めた1回戦目に出る選手が続々と動き出した。




