39話 試験前夜
いよいよ、明日から試験が始まるのか。俺は、明日早く起きれるように、ベッドに入ったが、緊張で眠れずにいた。その様子に気付いたのか、ジークが声をかけて来た。
「どうした、ガイア? 緊張してるのか?」
「それは、まあな。今回の試験で、Sクラスから降格になるかもしれない訳だし」
「でも、そんなに心配することはないだろ。何たって、俺たちは、この学院で1番優秀らしいからな!」
「いや、一概に、そうとばかりは、言えない」
「・・・・・・それは、どういうことだ?」
「確かに、俺たちは、この学院で1番優秀だと位置付けられている。そして、事実、正直に言って、Sクラス以外の生徒は基本的に弱い」
「それなら、やっぱ、不安になるとこなんて、どこにも・・・・・・!?」
「しかし、例外もある」
「例外?」
「・・・・・・Aクラスのヴァルガド・ドルマゲス。あいつだけは、どの生徒とも格が違う。俺やヘレンなら、ともかく、それ以外の生徒では、歯が立たないだろう」
だが、おそらく、あいつの力は、自分の力ではなく、無理矢理与えられた力だろう。昨日、エレーナの話を聞いて、そう思った。俺には、できないが、魔法の中には、相手を洗脳して、力を増大させる魔法もある。しかも、その魔法をかけられた者は、特に闇の力が強くなるのだ。
「それ程、なのか。そのヴァルガドって奴は?」
「ああ、正直、何でAクラスか分からない程だ」
「・・・・・・だが、お前なら、何とかなるんじゃないか?」
「え? あ、ああ、まあ、確かに、俺なら、倒せるが、そもそも、対戦相手がどうやって決まるのか分かっていない以上、そのヴァルガドが他の生徒と当たる可能性もある訳だしな。だから、もし、ヴァルガドと当たるようなことがあったら、すぐに棄権しろ! こんな試験よりも、自分の命の方が大事だ!」
「今の話を聞けば、そんなの当たり前だろ? 試験中に大怪我なんてしたくねえしな!」
これは、何もジークだけではない。Sクラス全員に当てはまることだ。今日は、もう遅いし、明日、皆んなに伝えよう。
「それにしても、何者なんだろうな、そのヴァルガドって奴は・・・・・・」
「さ、さあ・・・・・・俺も、詳しいことは、何も・・・・・・」
村を襲撃した鬼神と女が関与している疑いがある以上、誰にも言うわけにはいかない。言えば、ジークやエレーナ、最悪の場合、他の生徒にも危害が及ぶかもしれないからな。だから、これは、俺だけで、解決する必要がある。
「・・・・・・そっか、まあ、腑に落ちないことは、色々とあるが、お前が、知らないって言うんだったら、そうなんだろ」
ジークは、本当に、人間ができているな。これだと、もう少し、モテても良さそうなものだが、なぜか、ジークがモテているのをこの目で見たことがない。いや、流石に、女子も誰もいない時に、告白とかお誘いとか、するよな。
「じ、じゃあ、ジーク、そろそろ、寝よう」
「ああ、お休み、ガイア」
俺たちは、明日に備えて、今日は、もう寝ることにした。眠らずに試験なんて受けたら、本来の実力を発揮することができないからな。ヴァルガド・ドルマゲス、まだ、その力は、分からないことが多いが、俺は絶対に負けない!
翌日。
俺は、昨夜ジークに行ったことをクラスの皆んなにも伝えた。そして、俺たち、否、生徒全員が試験が実施される会場へと集まった。




