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37話 試験対策①



 翌日。  

 ガイアたちは、試験に向けての対策のため、早朝から学院に来ていた。


「まだ、俺たちだけか」


 少し、早く来すぎたかな? いや、でも、1限が始まる前に済ましておきたいから、これぐらい早く来ておいた方がいいんだよな。


「それは、そうよ。あなた、今何時だと思ってるの?」


 横でエレーナさんが何か言っているが、聞こえないふりをしよう。彼女に関わると碌なことがないからな。


「ちょっと、何で、無視するのよ!? 今の絶対聞こえてたわよね!?」


 聞こえてはいたが、返事するのが面倒臭いため、無視することを俺は選ぶ。これは、別に意地悪ではない。本当だよ!


「それより、ガイア、これじゃあ、試験対策なんて、できないぜ。せめて、あらかじめ、残りの4人に伝えておいた方が良かったんじゃないか?」


 確かに! そんなこと考えもしなかったが、何も伝わってないと、当然来るはずがない!


「・・・・・・そ、そうだね、そうした、方が、良いかも、しれない、ね・・・・・・」

「おい、ガイア、ひょっとして・・・・・・」

「な、何!?」

「まさかとは、思うが、気付いてなかった、なんてことはないよな?」


 学院主席という立場上、死んでも気付かなかった、なんて言えるわけがない。ここは、気付いていたということにした方が良いな。


「ま、まさか〜! そんなことないよ〜!」

「そうだよな、お前、学院主席だし、気付いてないわけないよな!」


 何とか、誤魔化せたみたいだな。しかし、これからは、もっと、よく考えて行動するようにしよう。


「でも、ガイア、私たち以外誰も来てないけど、どうするの?」


 ヘレンの疑問も尤もだ。俺たち4人は、試験対策なんてしなくても何とかなるだろうが、残りの4人は、別だ。少なくとも、実力だけは知っておきたい。


「そ、そうだね、今日はもう来そうにないし、放課後にしようか!」

「ちょっと待って、ガイア! 誰か来てるわよ」

「・・・・・・あ、本当だ、あれは、確か、リーナさん、だったかな?」

「ええ、リーナ・ブライト。ブライト騎士爵家の令嬢で、歴代の騎士の中で最強と謳われているそうよ」


 騎士の中で最強なのは、素晴らしいけど、今俺たちに必要なのは、魔法で優れた人なんだよな。あのリーナって人、剣はともかく、魔法はどうなのだろうか。古今東西、騎士というものは、魔法の適性がほとんどないというのが、前世での常識だった。500年が経っているとはいえ、その常識が覆っているとは正直思えないが、でも、まあ、少なくとも中級魔法ぐらいまで使えるのなら、まだ何とかなるのかな。


「あら、皆さん、こんなに早く、どうしたんですか?」

「・・・・・・実は、次の試験の対策をと思い、集まったんですけど、リーナさんも参加して、もらえますか?」


 一応、貴族ということだし、口調は、こんな感じで良いかな。


「ええ、喜んで! それで、具体的には、どういった対策を?」

「その前に、まず、キミの実力を知りたいんですけど、良いですか?」

「はい、構いませんよ」

「では、早速、俺と・・・・・・!?」


 突然、エレーナさんによって言葉を遮られた。どうして、こんな時に、ふざけるんだろう。もっと、空気というものを読んでもらいたい。


「待って、ガイア。私が、彼女と戦ってもいいかしら?」


 どうやら、ふざけていたわけでは、なかったようだな。それにしても、エレーナさんが戦うとなると、リーナさんの身が心配になるんだが。


「ちょっと、何て目で人を見てるの!? そういうの、本当にムカつくからやめてもらえる?」

「あ、ごめん、あの・・・・・・くれぐれも手加減は忘れないようにね・・・・・・」


 俺は、エレーナさんだけに聞こえる声の大きさで、そう囁いた。彼女が手加減なしに戦ったら、リーナさんの命が危ないからな。


「あなたが、私をどういう目で見ているのか気になるけど・・・・・・まあ、あなたの言うことにも一理あるわね。安心して、絶対に怪我はさせないわ!」


 いまいち、信用に欠けるが、まあ、エレーナさんも無知な子供じゃないんだし、それぐらいは、弁えられるのかな。


「それじゃあ、リーナ、始めましょうか!」 

「はい、よろしくお願いします、エレーナ様!」


 その前に、2人の周りに結界を張っておくか。魔法が暴走して、周囲にも被害が出るかもしれないし、念のためにな。


「・・・・・・っ! さすが、ガイアね! これで、思いっきり、闘えるわ!」

「これが、ガイアさんの魔法、やはり、凄いですわね」

「ま、まあ、私が、その気になれば、ガイアなんて、余裕、だけどね!」

「ふふ、では、そのお力、私に見せてくださいね」

「ええ、そうさせてもらうわ!」


 そして、2人の戦いが始まった。エレーナさんはともかく、リーナさんも、かなり速いな。身体能力だけなら、エレーナさんと渡り合っている。


「じゃあ、次は、魔法を使ってみてもらえるかな?」

「・・・・・・だそうだから、良いわね、リーナ?」

「はい、で、ですが、私、魔法の方はあまり自信がなくて・・・・・・」

「・・・・・・一応、見せてくれないかな? 見ないことには、対策も練れないから」

「わ、分かりました、やってみます! フィジカルエンハンスメント!」


 身体能力強化の魔法か。しかも、精度が高い。かなり、使い込まれている証拠だな。しかし、強化魔法では、今回の魔法戦闘においては、勝つことができない。


「今の強化魔法は良いね! それで、攻撃魔法も見せてほしいんだけど・・・・・・?」

「攻撃魔法、ですか。そ、その、本当に申し訳ないのですが、私は、マジックショットしか攻撃魔法を使えないので・・・・・・」


 マジックショット、魔力で弾丸を形成し、それを高速で飛ばす初歩的な魔法。魔法の適性が乏しい人でも使えない人はいない。それが、使えるのなら、魔法の基礎は身についているとも言うことができる。


「別に構わないよ。使えないのなら、これから、鍛錬すれば良いだけだし! だから、リーナさんのマジックショット、見せてくれる?」

「・・・・・・っ! 分かりました! マジックショット!」


 予想はしていたが、まさか、これほどまでに威力が低いとはな。これでは、上手くいっても、目眩し程度にしかならない。やはり、最低限の初級魔法と中級魔法は教えておいた方が良いかもな。


「・・・・・・では、そろそろ1限も始まりますし、今日は、この辺りでやめておきましょうか」

「は、はい、あ、ありがとう、ございました・・・・・・」

「じゃあ、早く教室行こうぜ。特にヘレンちゃんとガイアは、先生に目つけられてんだから、尚更遅刻するわけにはいかねえだろ」

「うっ! そ、そうね、ガイア、ジーク、早く行きましょう!」

「じゃあ、私は、お先に失礼させてもらうわ!」


 そう言った後、エレーナさんは、飛行魔法で俺たちよりも先に教室へと戻って行った。その後、俺たちもすぐに教室に向かい、先生が取り乱す前に、戻ることができた。



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