34話 ヘレンと仲直り②
教室を飛び出した俺は、ヘレンを探すために、魔力感知を発動した。ヘレンの魔力は、底が知れないから、簡単に見つけることができる。
「それにしても、ヘレンのやつ、一体、どこまで上に上がったんだよ」
そう、俺は、先の見えない階段をずっと上がり続けていた。というか、この階段の数は、本当に嫌になるな。まだ、ヘレンにたどり着ける気がしない。
いや、いくらなんでも、ここまで、長い階段は、流石におかしい。それに、1ヶ月だけだけど、こんな道なんて、一度も見たことがない。もしかしたら、ヘレン、空間干渉系の魔法でも使ったのか? いや、まだ、学院の隠し通路の可能性も残っている。しかし、もしも、ここが、本当に、ヘレンの魔法で作られた道なら、おそらく、無効化魔法が有効なはずだ。試してみる価値は十分にある。
「・・・・・・アンチマジック!」
すると、俺が魔法を唱えた瞬間、周りがモヤのように、ゆらゆらと景色が揺れ始め、消えていった。やっぱり、魔法の類だったか。これで、ようやく、ヘレンの元へ行くことができるな。
そして、空間が完全壊れると、いつもの俺の知っている道に戻ったので、俺は、そのまま突き進んだ。そうして、屋上に蹲っているヘレンを見つけた。
「・・・・・・ようやく、見つけたよ、ヘレン」
それを聞いたヘレンが一瞬こっちに振り返ったが、またすぐに、視線を逸らした。
「何しに来たのよ、ガイア?」
「君を、連れ戻しに来たんだよ」
すると、若干、ヘレンの目頭に水滴が流れ始めた。というか、俺、何か、ヘレンの泣くようなことしたっけ? 全然記憶にないんだけど。
「・・・・・・わ、私のことは、ほっといて! ガイアは、どうせ、私よりも、エレーナ様の方が、大事なんでしょ!」
「そ、そんなわけ・・・・・・!?」
「エレーナ様には、デレデレするくせに、私には、何もしてくれないじゃない!」
そもそも、俺がいつ、エレーナさんにデレデレしたんだ? 全く覚えがない。それに、何もしてくれないって、俺結構、ヘレンのフォローしているつもりなんだけどな。恩着せがましいのは嫌いだから、言ってないけど、でも、少しは、俺の気持ちを分かってほしい。しかし、ここは、感情的にならずに、冷静に対処しよう。
「ごめん、ヘレン! 何か気に障ったなら、謝るから!」
「うううううう! そういうところが、ムカつくのよ!」
ヘレンの怒りが収まることはなく、むしろ、逆に、火に油を注ぐだけになってしまった。もう、どうすればいいのか分からなくなったので、俺は、その場から離れようと思った。
「・・・・・・じゃあ、ヘレン、俺はもう行くから、ちゃんと教室には戻って来てね、もうすぐホームルームも始まるし」
そして、俺は、教室に戻るふりをして、扉の前で、様子を見ることにした。もしかすると、ヘレンの言葉遣いからして、おそらく、俺に顔を合わせづらく、無理をして、俺を遠ざけようとしていたような気がする。これは、ただの俺の直感であって、確証はないけどな。




