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33話 ヘレンと仲直り①



 時間が経つのは早いもので、入学してからすでに1ヶ月が経過していた。しかし、この1ヶ月は、本当に波乱の連続だったな。入学して1週間後にエレーナさんが、ハデス教徒に連れ去られたり、それを助けて、逆に俺の正体がジークにバレかけたり、何故か、エレーナさんが、俺に好意を向けてきたり、まあ、それは、別にいいんだけどな。嫌われるよりは、全然マシだしな。


 そんなこんなで、まあ、学院でも何とかやれている訳だが、昨日先生から、明日、クラス別対抗試験の説明をすると言われた。まだ、1ヶ月しか経っていないのに、試験って少し早すぎやしないか。前世の頃は、少なくとも入学してから試験までは3ヶ月ぐらいはあったぞ。まあ、学院によって、試験の日も違うだろうし、文句を言うつもりはないが、なぜ、こんなに早いのだろうか。俺自身、試験は嫌いだったから、正直憂鬱だ。


「おはよう、ガイア・・・・・・そんな浮かない顔して、どうした?」


「あ、いや、これは・・・・・・!?」


「ははーん、さては、正体がバレないかどうか焦ってるんだな?」


「・・・・・・」


「心配すんなって、お前の秘密は、何があっても守ってやっから!」


 俺が、不安なのは、その件じゃないんだけど、今更、言い出しづらいし、このままでいいか。


「うん、ありがとう」


「よし、じゃあ、そろそろ学院に行くか! ガイア、いつもの頼む」


 そう、ジークは、俺がテレポートの魔法を使えると知り、毎日のように、テレポートで学院まで向かっている。しかし、少しは、歩かないと身体も鈍って、運動能力も低下すると思うんだけど。


「はぁ、まあ、別に良いけど、少しは、運動しろよ?」


「はいはい、分かった、分かった」


 それ、もう、絶対聞いてないやつだよね。まあ、ジークのことであって、俺のことじゃないし、別に良いけどな。


「じゃあ、テレポート使うから、しっかり掴まっておけよ?」


「了解ー!」


 そうして、俺たちは、テレポートで学院に向かった。そして、なぜか、着いた矢先にエレーナさんに遭遇してしまった。というか、これは、もう完全に俺のこと、待ち伏せしてないかな。毎日のように、俺たちが来ると、現れるし、ほぼ確定だと思うんだよね。


「あら、今日は、随分と遅かったわね。お陰で足が疲れたわ」


 うん、これは、もう確定ですね。明らかに、エレーナさんは、俺を待ち伏せしている。たぶん、理由は、俺がアレス・ブラッドかどうか、確かめるため、なのかな。


「というか、何で、いつもいるの?」


「そ、それは・・・・・・そう! 私もこの学院の生徒だからよ!」


 今、答えるまでに間があったよな。やっぱり、待ち伏せか。そうでなくとも、きっと、何かあるはずだけど、正直面倒くさいし、適当にあしらっておけばいいかな。


「へえ〜、じゃあ、俺たちは、教室に行くから。エレーナさんも早く行かないと遅刻するよー」


 俺たちは、エレーナさんを後にして、教室へと駆け足で向かった。そういえば、ヘレンを置いてきてしまったから、後で謝っておこう。


「ち、ちょっと、待ちなさーい!」


 そして、教室に着くと、皆んな、すでに席についていた。しかし、相変わらず、この特別クラスは、人数が少ないな。全員合わせても8人しかいない。確か、噂によれば、他のクラスは、25人クラスなのだとか。なぜ、このクラスは少ないのかと真剣に考えていたが、特別クラスに入れるだけの才能を持つ人が少ないのだと思うようになり、あまり気にしないようにした。


 それよりも、ヘレン、もう来てるんだな。なんか、来るの早くなってないか。ハデス教の一件が終わって以降、中々、口聞けてなかったし、もう、俺には興味ないってことかな。一応、声はかけてみるか。


「お、おはよう、ヘレン。今日は、随分と早いんだね」


「・・・・・・べ、別に、そんなの、私の、勝手でしょ!」


 やけに刺々しいな。やっぱり、俺、何かヘレンのご機嫌を損ねるようなことしたのかな。全く心当たりがないけど。


「な、なあ、ヘレン、何に怒っているんだ? 言ってくれれば、俺も改善できるように努力するから」


 すると、ヘレンの顔がどんどん真っ赤になっていく。これ、もしかして、俺は、今地雷を踏んでしまったのか。


「・・・・・・じ、自分の、胸に、聞いてみて!」


 そのまま、ヘレンは、どこかに走って行ってしまった。というか、もうすぐ、ホームルームが始まるし、連れ戻しに行った方が良いよな。しかし、今、俺が行っても逃げられるのが目に見えている。さて、どうしようか。


「おい、ガイア、お前、ヘレンちゃんと何かあったのか?」


 タイミングが悪すぎる。とにかく、ヘレンと喧嘩のような状態になっていることをジークに知られたくはない。何とか誤魔化さないと。


「い、いや、べ、別に、な、何にも、ないよ!」


 やばい、俺としたことが、動揺しまくってしまった。これは、流石に、バレてしまうのでは・・・・・・。


「・・・・・・そうか、まあ、お前がそういうなら、別に良い」


「あ、ああ」


 あの顔、完全に気付いているな。しかし、何も言われなかっただけマシか。とにかく、今は、ヘレンと仲直りしないとな。このままでは、俺とヘレンの学院生活に支障が出てしまう。


「じゃあ、俺、ちょっと、ヘレンを探してくる!」


「ああ、こっちは、俺が何とかしておく。お前は、早くヘレンちゃんのところに行ってやれ」


「ありがとう、ジーク! この恩は、いつか・・・・・・!」


 俺は、ヘレンを探すべく、教室を飛び出した。


 

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