表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/55

31話 事件解決後



 無事、エレーナさんを救出して俺たちはセントラル魔法学院へと戻ってきた。しかし、戻った瞬間に、先生から思い切り、怒鳴られてしまった。行くなって言われて、行ったんだから、当然といえば当然か。


「はぁ、今回は無事なので良かったですが、これからは、このようなことはないようにして下さいね?」


「は、はい、分かりました」


「では、エレーナさん、念のために、治癒士のところに行きましょう。見えない傷を負わされているかもしれませんし」


いや、見えない傷は、治癒魔法じゃ治せないと思うけど。そういうのは、精神科医に見せた方がいいと思いますよ。


その後、エレーナさんは先生と一緒に、どこかに行った。俺はと言えば、再び、ハデスの遺跡に来ていた。行く時に、ヘレンとジークも連れて行ってほしいとしつこく言われたので、2人の根気に負けて、連れてきてしまった。まあ、中に入らなければ、危険は特にないし、別にいいか。


「それで、ガイア、ここで何を調べるんだ?」


「・・・・・・悪いが、それは、言えない」


俺の私情で2人を危険な目に遭わせたくない。それに、これは、俺の、俺だけの問題なんだ。他人が入る余地なんてない。


「そ、そうか、まあ、何かあれば言えよ? いつでも、協力するからな」


「・・・・・・じゃあ、早速だが、お願いできるか? 俺が入っている間は、誰もこの遺跡に入れないで欲しいんだが・・・・・・」


「それぐらい、お安い御用さ!」


「うん! 私たちに任せて!」


この様子なら、2人に任せても大丈夫だな。俺は、ハデスの封印をし直しに行くとするか。まあ、今の俺じゃ、無理かもしれないけど、やれるだけやってみよう。もし、邪神ハデスの封印が解けたら、本当に世界は終わりだからな。


そうして、俺は、2人を置いて、再び遺跡の中に入った。正直なところ、壊してしまいたいぐらい何だけど、それで、ハデスが出てきたら、本末転倒だしな。とりあえず、前世の俺が施した封印の様子を見に行ってみるか。


俺は前世の記憶を頼りに、ハデスが封印されている場所へと向かう。確か、遺跡を入って、すぐ、角を右に曲がり、その次の角を左、そして、燭台に火を灯す。そうして、封印場所への道が開かれたはず、と思いながら、進んで行く。そして、なんとか、ハデスの封印してある場所に着いた。

 

前世の時とあまり変わってないな。やっぱり、あの教徒たちが手入れしていたからだろうか。封印の方も、問題はなさそうだな。そう思った矢先、封印されているはずのハデスの方から声が聞こえてきた。


「・・・・・・貴様、ここで何をしている?」


 これは、想定外だな。まさか、封印されていても意思疎通ができるとは、いや、やはり、長い時間を経て、封印が甘くなっていたのか。仕方ないが、念のためだ。


「おい、貴様、私を無視するとは、何事・・・・・・!?」


「それ以上、喋るな! ゴッドシーリー!!」


これで、静かになったな。それに、また、前世の頃よりは弱いとはいえ、神の封印魔法を使ったわけだから、少なくとも100年間は出て来られないだろう。じゃあ、目的は果たせたし、そろそろ戻るとするか。


そして、俺は、遺跡から出て、2人の元へ戻った。見た感じ、外では何もなかったようだ。


「じゃあ、帰るか、ヘレン、ジーク」


「あ、ああ、そ、そう、だな」


何か偉く歯切れが悪いな。


「どうしたんだ、ジーク?」


「・・・・・・いや、大したことじゃないんだが、実は、お前が遺跡の中に入っている時に、ヘレンと話してたんだよ」


ジークに続いて、ヘレンも口を開く。


「うん、あのね、よく考えてみたら、私たちのやってることって校則違反なんじゃないかと思って・・・・・・」


「え? それって、どういう・・・・・・?」


「入学式の日に先生に言われたでしょ? 卒業するまでは、学院から出ちゃ行けないって。でも、今、私たち、完全に学院の外に出てる。これって、もう、校則違反、だよね?」


ああ、なるほど、そういうことか。確かに、卒業するまで外に出られないって言われた記憶はあるな。


「じゃあ、尚更、早く帰らないとな。とりあえず、バレないように寮までテレポートしよう」


「だな、じゃあ、よろしく頼むぜ、ガイア!」


「おう! ヘレン、ジーク、しっかり掴まっててくれよ!」


「うん! いつでもいいよ!」


「・・・・・・テレポート!」


 俺たちは、学院の寮に転移し、なんとか、先生たちに見つからずに、戻ることができた。そして、偶然にも証言が終わったエレーナさんも来たので、彼女が話したことを俺たちも聞きたいと思い、今寮の部屋で話をしている。


「それで、エレーナさん、本当に変なことはされてないんだね?」


「え、ええ、されてないわよ。というか、変なことって・・・・・・?」


「い、いや、何もないなら、良いんだ!」


「・・・・・・」


「な、何!?」


ヘレンがじーっと見つめてくる。何だろう、俺、何かヘレンの気に触るような事言ったかな。


「・・・・・・別に!」


その後、俺は、なぜか、ヘレンから冷たい視線を向けられていたが、学院側から今日は寮に戻っていいと言われたので、自分達の寮に戻った。


「そういえば、ガイア、お前に一つ聞きたいことがあったんだ」


「ん? 何だ、ジーク?」


「お前は、何者なんだ?」


「・・・・・・」


「ずっと、おかしいと思ってた。確か、お前、入学試験の実技の時、神級魔法を使ってただろ? 普通は、あんな高度な魔法、俺たちみたいな10年そこそこしか生きてない人間には使うことはできない。だが、最初は、お前が天才すぎるだけなんだって、そう思ってた。エレーナ様を助けに、あの遺跡に行く時までは」


 何も言い返せない。まさかとは、思っていたが、本当に、俺の正体がバレかけているとは、夢にも思わなかった。


「・・・・・・」


「お前、あの時、ブラッド家にしか使うことができない魔法を使っただろ?」


「・・・・・・な、何で?」


「俺は、そこんとこ敏感だからな。誰がどんな魔法を使うのか、そいつの魔力の流れ方を見れば、すぐに分かる。そして、ブラッド家の魔法は、エレーナ様のを嫌と言うほど見てきているからな」


「そ、それで、もし、俺が、その・・・・・・アレス・ブラッドの生まれ変わり、だったら、どうするんだ?」


「別にどうもしねえよ、ただ、俺は、気になるから聞いているだけだ」


ジークは、こう言っているが、人というものは、簡単に信用してはいけないと前世で習った。しかし、友達を疑うのもいけない気がする。こんな時、俺は、どうすれば良いのだろうか。


「・・・・・・本当なのか? もし、嘘だったら、分かっているな?」


「本当さ、俺は、お前が何者であろうと、手を出すつもりなんてない。さっきも言ったが、俺はただ真実が知りたいだけだ。それで、どうなんだ? お前は、アレス・ブラッドの生まれ変わり、なのか?」


「・・・・・・今は、まだ、言いたくない」


「そっか」


「でも、時が来れば、必ず話す」


「ああ、じゃあ、気長に待っておくよ」


 それ以上、ジークは言葉を発さなかった。きっと、隠し事の多いやつとは関わりたくないということなのだろう。それなら、それで俺は構わない。


いつだって、そう、俺は、1人なのだから。



続きが気になると思った方は、ブクマや

⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎で評価していただけると、筆者の励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ