2話 初恋と魔法
俺がガイアとして生まれ変わって6年の月日が流れた。その間、俺は、村の図書館や父さんと母さんに聞いて、この時代のことが分かってきた。
この時代では、8人の英雄とそれを束ねる1人の英雄王によって統治されているということだ。
まあ、今の俺には関係ないだろうけどな。ただ、相手が英雄と名乗っている以上、油断はできないな。俺がもしアレス・ブラッドの生まれ変わりだとばれたら、確実に命を狙われるだろうしな。大量虐殺した俺が悪いんだけど。
とりあえず、今は、遊ぶか。前世では、王族の職務で忙しくて遊ぶ暇なんてなかったからな。
というわけで、俺は、今村の近くにある森に来ていた。単純に遊び相手が欲しかったからである。
できれば、ゴブリンみたいな知恵のある魔物の方がいいけど、何かいないかな。
………ん? あれは、確か、サーマレストさんのところの……こんなところで、何をしているんだ?」
俺はその子のことに夢中で、うっかり落ちていた木の枝を踏んでしまった。
「……!? だ、だれ!」
「……えっと、その、ガイア・アーカス、です」
「!? なんでここに! 私に近づかないで!」
「いや、その、俺は、ただ……!?」
「来ないで! すぐ行って! 早く~!!」
そう言うと、彼女は俺から逃げるように森の奥まで走っていった。別に逃げる必要ないのに、そんなに俺って怖そうに見えるのか?
流石に初対面の人に避けられると心にくるものがある。でも、あの子、正直可愛かったな。綺麗な銀髪に空色の瞳。将来はきっと美人になるだろう。できれば、あの子と友達に――
いやいや、冷静になれ、俺! あんなぶっきらぼうで無愛想な子なんて!
はぁ、とりあえず、適当に魔法を撃って帰ろう。
「今の俺がどこまでやれるか……炎魔法! ファイア!」
魔法の威力は、使い手の魔力量に依存する。今使ったのは初級魔法。それは木を黒焦げにした。
「6歳でこれほどの威力なら、上出来だな!」
実際、初級魔法のファイアでは木を一本燃やすことも難しい。少なくともアレスのときはできなかった。これはおそらく前世の力をしっかり継承できているということだ。
でも、まだだ。俺はもっと強くなる。さらなる高みを目指す!




