26話 事件発生
俺たちが、セントラル魔法学院入学して、1週間が過ぎた。その間にあったことといえば、朝昼晩、懲りずに何度も何度もエレーナさんが勝負を吹っかけてきたことぐらいだ。それ以外は、特に疲れる事はなかったな。
そして、俺とジースは、寮を出て、学院に向かった。しかし、学院の周りには王国騎士団が立っており、とても学院に入れるような状態ではなかった。
「あ、ガイア! ねえ、どうしよう! このままじゃ、遅刻しちゃうよ〜!」
どんな時でもヘレンはぶれないな。ここは、普通、遅刻よりも何があったのか気になるところなのに。
「う、うん、そうだね。でも、何で、こんなに騎士が・・・・・・!?」
すると、背後から担任のサリー先生が肩を叩いてきて、一瞬飛び上がるぐらい驚いてしまった。まずいな、ヘレンに幻滅されてたらどうしよう。そんなことを考えながらも、俺は先生に何があったのか聞こうとしたが、聞く前に、先生が答え出した。
「皆さん・・・・・・良かった、無事だったんですね」
「無事? というより、先生、この騒ぎは一体何なんですか?」
「・・・・・・実は、昨夜、エレーナさんの屋敷に族が侵入しました」
俺は、先生のその発言を聞き、正直驚いた。しかし、同時に違和感も覚えた。あれ程、強いエレーナさんなら族程度で返り討ちにできるのではないか、と。そして、先生がまだ話を続ける。
「そして、エレーナさんは・・・・・・族に連れ去られてしまいました」
「え? エレーナさんが、連れ去られた? そんな、だって、彼女は・・・・・・!」
「ええ、彼女もまた、あなたと同様に学院の基準値を遥かに越えた力を持っていました。それでも、族には、敵わなかった、ということでしょう。今回の件、生徒会だけでは荷が重すぎます。ですので、今回は、私たち教員が、必ずエレーナさんを取り戻します。良いですか、ガイア君? 決して、族のアジトを探そうとか、エレーナさんを1人で助けに行こうとはしないで下さいよ?」
「・・・・・・っ! 分かり、ました」
しかし、教員だけで解決できるのか。相手は、最低でもエレーナよりも強い。そして、この学院でエレーナより強いのは、はっきり言って俺しかいない。
それに、族が1人とも限らない。仮に、エレーナ以上の強者が複数いるのだとしたら、確実に教員たちだけでは歯が立たないだろう。
先生には、止められたが、ここは、やはり、俺が族を潰しに行くしかないか。それに、エレーナさんは、俺の子孫でもあるしな。親が子を助けるように、先祖が子孫を助けちゃいけないなんてことはない。
それに、幸いなことに族のアジトを見つけ出す方法は、すでに考えてある。上手くいけば、すぐ見つかるだろう。
「・・・・・・ヘレン、ジース、ちょっと、こっちに」
「ん? 何だ?」
「うん? 何?」
そして、俺は、ヘレンとジークを人がいないところに連れてきて、作戦を伝えた。
「俺は、エレーナさんを助けに行く。だから、協力してくれないか?」
「別に、いいけど、何すればいいんだ? 言っておくが、戦うのだけはごめんだからな!」
「そこは、安心していい。ジーク、お前って、人以外のものの過去も見れたりするのか?」
「あ、ああ、やったことはないが、たぶん、できると思う」
「・・・・・・試しに、学校の校門はどうだ?」
「わ、分かった、やってみる」
すると、ジークの魔眼に魔力が集まっていくのが、ヒシヒシと伝わってくる。
「・・・・・・! お、おい、ガイア! 見えたぞ!」
「本当か! それで、何が見えた?」
「ガイア、お前、学院でいちゃつくんじゃねええぇ!!」
「ちょっ!? お、おい、そんなに揺らすな! 一体何が見えたんだ!?」
「・・・・・・お前とヘレンちゃんが仲良く手を繋いで登校しているところだ」
「あ、その、なんか、ごめん!」
「おい、やめろ、謝るな! 何か、俺が惨めになるだろ!」
取り敢えず、ジークが物の過去も見ることができることが分かった。後は、エレーナの部屋に行って、その部屋にある物から過去を見てもらい、それを追うように進んで行けば、族のアジトに辿り着けるはずだ。エレーナ、無事でいてくれよ、必ず助けに行くからな。
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