22話 入学式
ああ、もう朝か。いよいよ、入学式か。しかし、合格を祝ってくれるのは嬉しいが、昨日は、本当に大変だった。冒険者って結構酒癖悪いんだな。あんな風にならないように気をつけないとな。
そして、ふと横を見てみると、未だに床で寝ている下着姿のヘレンの姿があった。というか、結局床に寝たのか、しかもあんな格好で。風邪とか引いてないといいけどな。
「・・・・・・」
どうやら、ヘレンも目が覚めたようだな。まだ、状況が飲み込めていないのか、キョロキョロしている。
「・・・・・・っ!? あ、あの、その・・・・・・」
「おはよう、ヘレン!」
「う、うん、おはよう、ございます」
「そ、それより、その、早く、服を着た方が・・・・・・」
「・・・・・・きゃあっ!? み、見た!?」
「は、はい・・・・・・すいません」
「うううううううっ!」
そして、ヘレンは、顔を真っ赤にしながらも、大慌てで服を着た。
その後、俺たちは、父さん、母さん、ティオさんたちに見送られながら、テレポート屋から、王都へと飛び立った。
そうして、現在、俺たちは、セントラル魔法学院の校門の前にいた。しかし、門が空いておらず、どうやら、他の生徒たちも、混乱しているようだ。
「ねえ、ガイア、これ、どうするの? このままじゃ、入学式に遅れるよ?」
「うーん、仕方ない、ヘレン、飛行魔法を使おう!」
「あっ! さすが、ガイア! それなら、校内に入れるわね!」
そして、俺が飛行魔法を使おうとした時、魔法の放送機から声が聞こえてきた。
「入学生の皆さん、ようこそ、我がセントラル魔法学院へ! 只今より、開門いたしますので、少々お待ちください」
どうやら、これから開くようだな。それにしても、開けるのが少し遅いんじゃないか。現に、ここにいる生徒のほとんどが、焦ってたぞ。
「ただ、門が開いていないだけで、あんなに焦っているなんてみっともないですわね」
「ふふ、ですが、門が開いてなかったのに焦ったのは、私も同じです。だから、あまり、皆んなを悪く言っちゃダメですよ」
「でも、エレーナ様は、全く動じてなかったじゃないですか。それより、むしろ冷静といいますか、やっぱり、そこらの人とは、比べ物になりませんよ!」
あれは、確かブラッド家のお嬢様だったか。というか、あの取り巻き、俺たちのこと相当見下してるな。少しむかついてくる。
そんなことを思っていると、門が開き、生徒が続々と入り始め、俺たちも続いて入っていき、放送で昨日の体育館に向かうように言われたので、昨日の体育館に向かった。
「ねえ、ガイア」
「ん? 何?」
「私たち、本当にここまで来れたんだね」
「うん、頑張った甲斐があったね」
そして、俺たちは、用意された椅子に座った。
「では、これより、第500回、入学式を開始いたします。まず、最初に、入学主席者の発表を行います」
主席の発表と聞いた瞬間、辺りがざわつき出した。エレーナさんの取り巻き2人もエレーナさんが主席というような話をしている。また、今いる生徒達の中で1番険しい顔をした生徒も、俺が主席なんだと何度も呟いている。
「・・・・・・第500回入学試験主席、ガイア・アーカス」
「・・・・・・え? 俺?」
「凄い! 流石、ガイア!」
俺が主席か、嬉しいけど、何か、凄い殺気に満ちた視線を感じる。
現に、エレーナさんの取り巻き、否、エレーナさんも俺の方をずっと見ており、険しい顔の人もずっと俺の方を見てくる。
「では、入学試験主席ガイア・アーカスさん、演壇にお上がりください」
俺は、多くの視線に晒されながら学院長の立つ壇上に足を進める。
「新入生代表ガイア・アーカス君! 本学院に入学されたこと、心よりお祝い申し上げます。これから3年間、勉学ともに魔法の研究を進めるとともに、充実した学院生活を送ることを望んでいます! 第500回、新入生代表ガイア・アーカス。おめでとうございます!」
「あ、ありがとう、ございます」
そして、俺は賞状を司会の人のところにある机に置き、自分の席に戻った。
「では、続きまして、生徒会長の挨拶です。生徒会長、お願いします」
「では、まず、新入生の皆さん、入学おめでとうございます。私は、生徒会長のルシウス・ソルティウスです。早速ですが、皆さんも本学院に入学したのなら、学院のルールには絶対従っていただきたい。例年、新入生の校則違反や暴力事件が続出している。皆さんは、決してそのようなことのないように、以上!」
「は、はーい、生徒会長、ありがとうございました! では、これをもちまして、第500回、入学式を終了いたします。新入生の皆さんは、これから、それぞれのクラスに担任の教員が参りますので、勝手に退出しないようにして下さい」
そして、俺たちの特別クラスに、担任と思しき人がやって来た。
「はーい、皆んな、初めまして! 今日からあなたたちの担任になりました、サリー・ローズです! これから、3年間、よろしくね!」




