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21話 合格祝い



 王都を見て回って、村に帰ってきた俺たちは、明日の入学式に備えて早く寝ようと思っていたが、いつの間にか、俺たちが合格したことが村中に知れ渡っていたらしく、村に着いた途端、お祝いの声がたくさん飛び交っていた。悪い気はしないけど、これっていつになったら終わるのかというのが気掛かりで仕方がない。皆んなの喜びようを見るに、セントラル魔法学院ってかなりの名門校だったようだな。


「本当におめでとう。2人とも良くやったな!」


父さんも嬉しそうに褒めてくれる。


「ええ、本当に、あなたたちは、私たちの自慢の子供よ!」


あなたたちってことは、ヘレンも入ってるのか。というか、いつから、ヘレンは、母さんの子供になったんだよ。いくらなんでも、それは、違うだろ。


「やあ〜、しかし、本当にすげえな、ガイア、ヘレン! さすがは、ティオとアランの子供だ!」


冒険者のオルドが酔っ払いながら、俺たちを褒め称える。 


「こら、飲み過ぎだぞ、オルド。今日の主役は、子供たちなんだからな」


そういう父さんもかなり飲んでるけど、というか、お祝いしてくれるのは嬉しいけど、もうそろそろ寝たいんだけど。


「あの、この辺で、俺はそろそろ・・・・・・!」


俺がそう言いかけた瞬間、腕を思いっきり誰かに掴まれた。


「何言っているんだい、ガイア君? パーティーはこれからだよ!」


ティオさん!? 顔がすごく赤いけど、もしかして、酔っ払って理性がなくなってるのか?


「いえ、俺たち、明日入学式ですし・・・・・・」


「んな固えこと気にすんな! 起きれなかったら、俺たちが起こしてやるよ!」


もう完全に出来上がってやがる!  やっぱり、今日は、もう寝よう! 


「ヘレン、部屋に戻ろう!」


「え? でも、まだ、パーティーの途中だし・・・・・・」


「そんなこと気にしないで! このままだと、確実に明日寝坊する未来しか見えない! だから、ね?」


「で、でも、せっかく、皆お祝いしてくれてるのに・・・・・・」


あー、そういえば、ヘレンってこういう子だったな。自分のことよりも他人を優先する、まあ、そこがヘレンの良いところでもあるんだけど、今はそんなこと言っていられる状況じゃないし、かくなる上は、あの手しかない。


「・・・・・・ヘ、ヘレン、そ、その・・・・・・今夜は、ずっと一緒にいたい、2人だけで・・・・・・」


「・・・・・・え? それって、どういう意味?」


「言葉通りの意味、だよ」


我ながら、大胆だったかな。でも、たぶん、ヘレンも少なからず俺に好意を寄せてくれているのは事実だし、こういえば、大抵の女子は照れて、ついてくるって前世で教わったんだけど。


「・・・・・・っ! う、うん、分かった。い、いくよ」


よし、とりあえず、ヘレンを連れ出すことはできる。後は、寝るだけだ。


そして、俺たちは、寝室に向かった。行く時に、ヘレンがやたらと緊張して顔が真っ赤になっていたが、まあ、俺があんなこと言ったんだし、無理もないか。


そして、俺とヘレンは、いつものように部屋に入り、ベッドの上に横になった。するとヘレンが何やら覚悟を決めたような表情でこちらを見てくる。


「・・・・・・」


ヘレンは何を思ったのか、突然服を脱ごうとしている。


「ちょっ!? な、何やってるの、ヘレン!?」


あっという間にヘレンは下着姿になり、恥ずかしそうにしながらも、しっかりとこちらを見つめてくる。


「ほ、ほら、ガイアも、早く脱いでよ。わ、私だけ、恥ずかしい、よ」


「い、いや、俺は、ただ、今夜もキミと寝たい、ただ、それだけの、つもりで・・・・・・」


「・・・・・・へ?」


「あ、あの〜、ヘレン?」


「・・・・・・っ!」


ヘレンの顔が見る見るうちに朱に染まり、その場に座り込んでしまう。


その夜、ヘレンがベッドに入ってくることはなく、ずっと床に蹲っていた。そんなところで寝て、風邪引かないと良いけどな。


まあ、勘違いするように言ったのは俺なんだけど、でも、そんなこと知られるわけにはいかないしな。まあ、明日の朝に、謝ろう。



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