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20話 王都散策



 無事、セントラル魔法学院の入学試験を合格して、学院の説明を受けた後、俺たちは、そのまま帰ることなく、今王都の街を散策している。


「あ、見て、ガイア! 見たことのない食べ物が売ってるよ!」


あれは、確か、クレープだったか。前世でも、よく食べたな。あの生地のほのかな暖かさともちもち感、さらにアイスの冷たさとマッチして、絶妙に美味しいんだよな。かと言って、ここでクレープと答えると、何で知っているんだって聞かれてややこしくなりそうだから、黙っておこう。


「じゃあ、食べてみよう! 幸いお金は結構持ってきてるから!」


「え、いいの! ・・・・・・じゃなかった、これぐらい、自分で払うわよ!」


「そんな気にしないでもいいよ。俺が払いたいから、払わせて?」


「し、仕方ないわね、そこまで言うなら・・・・・・」


「うん、じゃあ、何味がいい?」


「えーっと、そうね・・・・・・どれも美味しそうで選べないわ。そうだ、ねえ、ガイア、お互いに違うのを買って半分個ずつしない?」


「うん、いいよ、俺も色んな味を食べてみたいから」


「じゃあ、私は、このチョコバナナにするわね。ガイアは?」


「俺は、そうだな・・・・・・いちごにしようかな。すいませーん、いちごクレープとチョコバナナクレープをひとつずつー」


「はーい、代金は、合わせて600ゴールドになります」


600ってことは、一つ300ゴールドか、結構高いんだな。まあ、いい。そして、俺は、600ゴールドを支払った。


「はい、ちょうどね。すぐ出来上がるので少々お待ちください」


そして、おばちゃんが、クレープを作り始める。まず、生地を焼き始め、その後、アイスを入れて、包んでいる。


「はい、お待ちどうさん!」


「「ありがとうございます!」」


「毎度あり! また来てね!」


俺とヘレンはクレープを受け取り、ちょうど良いところに、公園があり、ベンチもあったので、そこで食べることにした。


「・・・・・・じゃあ、ガイア、あーん・・・・・・」


「・・・・・・え!? あーんって・・・・・・」


まさか、半分個ってこういうことだったのか!? というか、めっちゃ、顔赤くなってるし、これ相当無理してるな。ヘレンが恥ずかしいのを我慢して、してくれているんだし、その努力を踏み躙るわけにはいかないよな。


「い、良いから、ほら、早く、口開けて・・・・・・」


「う、うん、あ、あーん・・・・・・」


「・・・・・・っ! ど、どう? 美味しい?」


あーんされるのってめちゃくちゃ恥ずかしい。というか、恥ずかしさで味が全然分からない!? でも、ヘレンがくれたもの、美味しくないわけない!


「う、うん、美味しい! これ、めちゃくちゃ美味しいよ!」


「よ、良かった・・・・・・それで、その・・・・・・」


ヘレンが、顔を赤めながら、口を指差している。そうか、次は、俺があーんしてくれということか。恥ずかしいけど、ヘレンがしてくれたんだし、俺だけやらないのは良くない。


「う、うん、ヘレン、いくよ。・・・・・・は、はい、あーん・・・・・・」


「あーん・・・・・・」


「ど、どう?」


「うん、ガイアのも美味しい!」


なんだか、一気に疲れがきたな。でも、これは、嫌な疲れじゃなくて良い疲れだ。まさか、ヘレンにアーンしたりされたりする日が来るなんて夢にも思わなかった。


そして、俺たちはクレープを食べ終わった後、王都の図書館に行ったり、美術館に行ったりもした。図書館にも美術館にも前世の俺の絵や本があったが、この時代では、俺って結構偉人みたいな扱いなのかな。


その後、王都も一通り見たので、行きと同じようにテレポート屋から送ってもらった。テレポートは、本当に便利なもので、一瞬でどんな離れたところでも行くことが出来る。そして、俺たちは、村に帰ってきた。明日の入学式に備えて今日は早く寝よう。



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