切れどき
夕方、いつもより早く仕事を切り上げ直接マンションに帰ると、決まって玄関に走ってくる小さい足音の迎えが、今日は無い。チヒロはまだ寝ているらしい。
リビングに向かう足を止め、寝室のドアを数センチ開けて中をそっと覗くと、ダブルベッドの脇、毛足の長い絨毯の上で毛布に包まった小さな塊が僅かに上下している。
五年前、女と同棲していた時に買ったダブルベッド。一緒に寝ろとは言わないが、タツノがいない時くらいはベッドを使えと何度怒鳴ってもチヒロは聞かない。あれでなかなか変に頑固なところがある。
起こさない様に静かに寝室のドアを閉め、リビングに行って二人掛けのソファーに背中から倒れ込む。
天井を仰いで、乾いた息を吐き上げる。
一人のリビングがやけに寒い。
このソファーでタツノの隣にチヒロが腰を下ろすことは決して無いが、それでも台所で野菜を切る音や、背中で忙しなく動き回るスリッパの軽い音がしているだけで、室温がずいぶん違うと最近思い始めた。
ああ……明日からはずっとこうやねんな――。
別に寂しくも名残惜しくも無い、そんな自分が一番悲しかった。ただ、もう二度と訪れないという事実を頭の中で反復していると、携帯がジャケットの中で震えた。
天井を向いたままポケットに手をやり、蜂の羽音ような不愉快な振動音を手探りで止める。
「もしもし」
「おぅ。タツノか」
着信表示も確認せぬまま携帯を耳にあてると、聞きなれた親戚、兼上司の男の声が聞こえた。
「叔父貴か」
「お前、もう明日の準備は出来てるんか?」
「んぁ。出来てるでえぇ。」
「なんや、その間の抜けた返事は。お前がしっかりせんからこんな事になっとんやぞボケ。分かっとんか」
「わかっとるってえ」
「ほんなら、その気の抜けた屁ぇみたいな返事やめえ。お前、今家におるんか?」
「せや」
「明日出るまでに一回くらい事務所に顔出すんやろな」
「ああ。今晩寄るわ」
「ほんならその時に二階の応接間のゲーム機とマンガ片付けろ。邪魔でしゃあない。あと、お前の友達にも挨拶くらいしといたれ。明日からしばらく世話になるんやろ」
「わかっとる。チヒロの顔だけ見て、そっちへ向かうわ。明日俺が出る時には、あいつ夢の中やからな」
「おお、それがええ。しっかり話つけてから来いや。また脱走でもされたら店に迷惑がかかるからな。飛ぶ鳥後を濁さずやぞ」
「そうするわ」
通話を切ると、画面に四時五分とデジタル表示された。チヒロが出勤するまでに、まだに三時間半もある。
寝室のドアが開く音――。
チヒロが起きた。
携帯で喋る声がうるさかったのかもしれない。
パタパタとスリッパの可愛い音を床に跳ねさせながら廊下を走って来る。
リビングの扉が開いて、ハッと息を吸う少年の吐息が聞こえた。
「ご、ごめんなさい! まだ夕飯の仕度、出来てなくって、すぐ用意します!」
「せんでええ。今日は外で食う」
「す、すみません……」
チヒロを責めたつもりは無かったが、そうではないと言ってやれる勇気がなかった。
「風呂入る」
「あ、はぃ」と小さく言って、また廊下にスリッパの音を響かせてチヒロは駆けて行った。
束の間して聞こえだした水音を通り過ぎて寝室へ向かう。
クローゼットの中から下着を取って、部屋を出ようとドアに一二歩あるきかけたところで足を止めた。
んっ――?
通り過ぎた視線をゆっくりと床へ戻し、眼を細めて絨毯の上を二度見。
ちょうどチヒロが寝ていた辺り、枕元の毛布の皺に何かが光った。眉をひそめて覗き込みながら手を伸ばして取り上げると、鋭いアルミの錠剤包装フィルムだ。1シート丸々、十二錠分の穴が潰れて全て空になっている。裏を返して見ると、ずっと前にタツノが買った乗り物酔いの薬だった。
顔を歪ませて舌打ちする。
頭から冷たい血液が全身に流れ落ちて行く。
隠しといたはずやのに……よりによってこんな日に――。明日からは傍にいてやれない自分の情けなさが、余計にどす黒い怒りを煽った。
「おい、チヒロ!」
自分が出せる中で一番低い声で少年を呼んだ。
すぐにパタパタとスリッパの音が近付いて来る。
「は、はい」とドアから覗く、軽い表情。
「これ……なんや。説明せえ」
タツノが顔の高さまで上げた薬の包装を見てチヒロは小さく「あっ……」と呟き、小さな顔を強張らせる。下唇を噛む。大きな瞳を伏せ泳がす。お決まりの表情。
「お前、何回言うたら分かるんじゃ」
襟元をつかみ上げ力いっぱい壁に突き飛ばすと、薄い身体は何の抵抗も無く壁にぶちあたり、ふらりとその場にうずくまる。
床に倒れこんだ小さな頭を片手で鷲づかみにし、サラサラとした細い髪が軋むのも厭わず無理やり上を向かせた。
タツノが見下ろして視線を刺すが、チヒロは何としても目線を合わせようとしない。
「ほんま。どうしょうもないガキやのぉ」
いつもならここで気の済むまで殴り倒して終わりだが、今日という最悪のタイミングがその思考回路を別ルートへと導く。
どうしようもないチヒロと、その傍に居てやれない更にどうしようもない自分。
情けなくて。悲しくて。やり切れない。
やりようの無い怒りが、殺意にも似た鋭利な感情になって溢れ出してくる。
「もうええわ」
これ以上無い冷たい声で吐き捨て、つかんでいた小さな頭を突き放すと、チヒロは後ろのめりに壁に頭を軽くぶつけてから横座りしたまま俯いた。ほどなくして、丸めた小さな背中をヒクヒクと上下させ啜り泣きを始める。タツノからは見えない涙を、薄い掌の親指の付け根でぬぐった。
「ご、ごめん、なさい」
消え入る涙声。
いつもこうだ。
チヒロはタツノがどれだけきつく薬の事をとがめても、どれだけひどく殴っても、ただ「ごめんなさい」と泣いて謝るだけで、言い訳はおろか次からはもう絶対しないという約束にも首を縦に振ろうとしない。それがタツノを余計に苛立たせて、混乱させた。まるで悪いのはタツノで、チヒロは悪くないのに自分に気を使って謝ってくれているような、そんな錯覚を見る。
タツノには五つ上の姉がいるが、小さい頃よく勝手に庭に走り出ては転んで石に頭をぶつけた。額に打ち傷を作る度に、姉は弟を見ていなかった自分が悪いとタツノに「ごめんね」と何度も謝る。悪いのはタツノで、姉は決して悪くないのに何故か謝られる。その時のむしゃくしゃした複雑なもどかしさを、五歳以上も歳の離れた少年相手にタツノはいつも感じてしまう。
「おいチヒロ。お前、昨日は何人相手して来たんや」
チヒロの口から聞いて、自分が一番腹が立つ話題をタツノはよく知っている。それは一番聞きたくない話題でもあった。何故腹が立つのか、それを考える前にもう怒りで思考が止まってしまう。
ヒクリと背中の動きを止めて下を向いたまま返事をしないチヒロに、尚も一番しなくない質問を重ねる。
「聞いてんのか? 昨日は店で何人、男の相手してきたんや。七人か? 八人か?」
押し黙ったチヒロの小さな膝をタツノが足先で小突くと、「ご、五人、です……」と震えた声が返って来る。
思っていたより少なかった。
チヒロの人気は、店の売り上げのトップ3には余裕で入る。
八時間の勤務中に五人の相手。それはチヒロの人気が落ちたのではなく、チヒロを気に入った馴染みの客が増え、指名しては時間を延長してチヒロを独占している事を示していた。
タツノの中で、何かがプツリと途切れた。
「ふうん。ずいぶん賢お稼いどるやないか。そんなに儲けといて何が不満やねん」
こんなに沢山の言葉を自分からチヒロに投げかけたのは初めてかもしれない。必要な時以外は、わざと会話することを避けてきた。
よりにもよって、こんな夜に……。
「まだ稼ぎ足りんのやったら俺が買うたるわ。サービスしてくれや」
そう言ってYシャツのボタンに手をかける。
チヒロの両肩がビクンと一度大きく脈打つ。
「出来るやろ? いつも客にしてるんと同じ様にしたらええだけやん」
見下して嘲笑うと、チヒロは俯いたまま首をぶんぶんと横に振る。
「早よせえや。ベルトくらい外してくれるんやろ?」
また少年は首を振る。
チヒロは頑固だ。しないと言ったら絶対しない。
タツノはボタンを外す手を止めて、ため息をついた。
どんどん崩れていく。
自分が壊していく。
帰ってきては「飯。風呂。寝る」、この言葉だけを一方的に投げ掛けるだけの少年との関係。
明日からは消える自分を思うと、もう全てがどうでもよくなった。
チヒロの白い足首と、自分の欲と、やりようの無い現状と、怒りに負けた。
細い二の腕をつかんで無理矢理立たせ、チヒロが一度も寝たことが無い自分のダブルベッドに投げ倒す。
少年を軽く受け止めたベッドにタツノも上がり、チヒロに馬乗りになった。
チヒロの服を剥いでいく。
「やっ……!」
今からの展開を把握したチヒロが、四肢を振り回して暴れる。
「おとなしせえや」と無表情で吐き捨て、迷いの無い手付きで非力な身体を押さえつける。
「ぃやっ……やめて! やめて下さい……タツノさん……やぁ、それだけは……」
「無理やな……できん相談や」
最悪なことに、これが別れる前にチヒロと喋った最後の会話だった。
部屋にひびく痛烈な悲鳴。
遠くの水音。
軋むベッドのスプリング。
怒りと欲にまかせて少年を犯し続ける。
本番禁止の風俗店で働くチヒロが、まだ他人と身体を繋げた事が無いと承知で、その未成熟な身体を無理にこじ開け、切り裂きながら押し入った。
性行為とは言えない、ただの暴力。傷害。消えない罪。
言葉にならない悲痛な声で泣き叫ぶ少年よりも、ずっとタツノの心は悲しく辛かった。
快楽ひとつ感じない。
一滴たりとも満たされない。
代わりに得られるのが、途方も無い虚無感だと薄々感づきながらも小さな身体をむさぼる。
浴室のドアを開けると、浴槽から湯が膨らみ溢れ出ている。
もうどれくらい無駄に流れていったのだろう。優に一時間。
蛇口をひねって湯を止めると、甲高い悲鳴のベースにずっと流れていた不調和音がやっと消えた。
タツノは浴槽の湯で濡らしたタオルを持って寝室へ帰り、意識の無い小さな身体を丁寧に拭く。
もう一度浴室へ行き、使ったタオルを湯船に浸すと、罪深い体液と一緒に鮮血が透明の媒体に拡散し、溶け合っていく。
浴槽の栓を抜き、排水溝に渦巻いて消えていくチヒロの血を宿した透明な液体を、下着一枚で浴槽の縁に腕を置き、最後までぼんやりと眺めていた。
リビングへ行くと夕方の五時半。チヒロの出勤まで二時間ある。
下着とYシャツだけ新しいものに替えて、元着ていたスーツを着込む。
最低限いる生活用品だけを紙袋につめこんだ。こんなに広い部屋に暮らしていながら、いざ必要な物を選んでみると驚くほど少ない。
ズボンのポケットに無理矢理突っ込んでいた、帯封が付いたままの札束をテーブルの上に投げる。
一つ。二つ。
ジャケットの内ポケットのから三つ目。
最後の一束の帯をちぎって適当に半分に割り、積まれた札束の上に投げると、二三枚横滑りして床にはらりと落ちた。
これで三百五十万。
一度抱いた分の報酬にしては高いが、うら若い少年が店で身体を売る理由としては安過ぎるとタツノは思った。
確かチヒロの借金は二百五十万程。余分に百万あれば、新しい生活を始めるのに不自由しないだろう。
元々面と向かって話し合う目算などありはしなかったが、結果的にこんな別れ方しか選べなかった事が、何故か馬鹿な自分らしいと感じた。そんな自分も明日には消え、チヒロは自由の身になる。その手助けとしてしてやれる唯一の事が、目の前に散らばった札束の山だった。
あっ……そや――。
思い出して腕の時計に手をやり、バックルを外す。
二十五万円のクロノグラフ。鳥の羽をかたどったフレームが気に入って数年前に買った。
少し前に風呂上りのリビングで、チヒロがこの時計を手に取って見ているのを目撃した事がある。
紙袋を持ち、部屋の中をぐるりと一度見回してから玄関へ向かう。寝室に寄ってベッドに横たったチヒロの顔を覗きこむと、長い睫毛の周りが濡れて光っている。
何も身につけていない白く繊細な身体の手首をそっと取り上げ、さっきまで自分がしていたクロノグラフを巻き付ける。やはり細い手首にはブカブカだが、自分で店に出向きサイズ調整くらいは出来るだろう。フレーム自体は小降りで綺麗なデザインなので、チヒロがしていても違和感は無い。鳥の羽だと思っていたフレームの彫刻が、白い肌に巻かれると天使の羽のように思えた。
チヒロがいつも見ている時計は残酷なものばかりだ。
サービスの残り時間を確認する個室のデジタル時計、その店に行けとチヒロを起こす目覚まし時計。
どうかこれからは新しい生活で自分の時間を過ごして欲しいと、薄汚れたヤクザには似合わないことを思ってみたりする。
チヒロが出勤する三十分前に目覚まし時計をセットした。出来る事なら、この時計が鳴るのはこれが最後であってほしい。
横たわる天使を起こさないように、静かに部屋を出た。
「おう、タツノ。早かったな」
「叔父貴、また飲んでるんか? ようツマミもなしに飲めるなあ」
「アホ言え、これは水じゃ。どこぞにこんな無味無臭の酒があるねん」
タクシーで事務所に向い、部屋に上がって奥へ行くと、いつものように足を大股に開いた偉そうな叔父が応接セットの上座を陣取りテレビを見ていた。いつも通りのくだらない掛け合いをしてから、ソファーの端に座る連休前につかまえた親友、兼運転手に声をかける。
「歩。ちょっとええか?」
タツノの意図をくみ取ってか、鳴砂は真剣な表情で頷き立ち上がった。
二人でパーテーションの裏へ行く。
「悪いな、明日から。よろしく頼むわ」
親友は少し辛そうな表情を噛締め、何度も頷いた。
「わかってる。
俺のDS持って行くか? 暇つぶしになるやろ?」
「さすがにゲーム機は無理やろ……遊びに行くんと違うんやし」
「せ、せやんな。ごめん……。ほんなら、あれは? 攻略本。お前読みたがってたやろ?」
「せやな……本くらいやったらええか。借りてくわ」
「返さんでええよ、やるわ。俺もう読んだし。二階にあるし持っていけや」
「ありがとうな。あっ、せや。これ……」
ジャケットの内ポケットから、帯をちぎって半分に割った残りの札束を取り出す。
眼を丸くした顔に「これ、取っといてくれ。世話になるし」と約五十万を差し出した。
「いや、こんなん受け取られへんって」と押し返す鳴砂に、受け取ってもらわんとこっちの気が済まんと無理やり札束を握らせた。
「わ、わかった……ほんなら必要な分だけ使って、残りは返すわな。俺……絶対毎日会いに行くから……だから、気ぃ落としたらあかんで」
親友は優しい。今までタツノの周りにはいなかった種類の人間だ。
明日からの三ヶ月間、タツノが自由を失う事を叔父から聞き可哀想に思ったのか、鳴砂はその話には一切触れずに、やたらとタツノに気を使い親切に接してくれた。
「あ、あの。チヒロ君はどうなんや? たまには様子見に行ったりした方がええんか?」
「いや、あいつは放っといたらええ。勝手にどこなと行くやろ。それなりの金は渡して来たし、ちゃんとそういう風にケジメつけて来た」
「金って……手切れ金か……?」
「まあ……そんなとこやな」
「そうか。それで、二人がええんやったら……」
「ええねん。ちょうど切れどきや」
鳴砂は心配そうな表情でまた頷く。
「おいタツノ! 二階の片付け忘れんなや!」
パーテーションの裏から声が飛ぶ。
タツノが事務所を出て二階へ行くと、鳴砂は重苦しい雰囲気のまま九鬼の隣に腰を下ろした。
「チヒロとは、ちゃんと話おうて来たと言うてたか?」
ニヤニヤ笑いながら興味深げに九鬼が聞く。
「不謹慎ですよ? 二人にとっては大切な話です。チヒロ君、大丈夫やろか……」
「大丈夫もクソもあるかい。どうせ別れを惜しんでピーピー泣いて抱きおうとったんやろ。あいつ眼ぇ真っ赤やったやんけ」
「なんちゅう事言うんです。少しはタツノ君の事、心配してあげたらええのに」
「ほんならお前が抱き締めて慰めたれや。何がええねん男同士で。気色悪い……」
「そ、それは……。俺も、ちょっとよくは分かりませんけど……」
「せやろ? 俺も二回くらい頼まれて店のサービス受けたったけどな……まあどいつもこいつも女みたいな綺麗な顔してるから、口でしてもらう分には何とも無いけどなあ。同じ造りの身体と寝るっちゅうのはなあ……」
聞いても無いのに九鬼が真剣に話し始めた。
面倒臭くなった鳴砂はテレビのリモコンを取ってチャンネルを変える。ちょうど毎週見ているお笑い番組が始まった。
オープニングトークに笑い声をあげていると、隣がやけに静かと九鬼を振り向く。
九鬼は片手に透明な液体が入ったグラスを持ち、少し眉を寄せて鳴砂を見つめていた。
「ど、どないしたんです?」
「お前……よう見たら、綺麗な顔しとんな……」
信じられへん……この男――。
鳴砂の表情が固まり、頬がピクリと動く。呆れてしばらく声が出なかった。
「九鬼さん……。それ、やっぱり水やないでしょう?」
水みたいな清酒が入ったグラスに手を伸ばすと、それに伴いグラスが向うに逃げる。それを追いかけた鳴砂の首に、上からがっしりと九鬼の腕が回った。この距離だと、はっきりと日本酒の匂いがする。
「な、なにするんですか……離して下さい!」
「キスくらいさせろや、減るもんやなし。嫌やったら俺のこと殴って逃げてもええで?」
タツノがゴミ袋を取りに事務所へ降りてくると、さっきまでいたはずの親友の姿が無い。叔父が難しそうな顔をして、膝に肩肘を付いて何かを考えている。
「あれ、歩はもう帰っ……うぁっ!」
「あいつは帰った。俺は帰りタクシーや」
「それより叔父貴。そのほっぺた、どないしてん……。また、どこぞの女が来て引っ叩かれたんか?」
肘をついて押さえている方の叔父の頬が真っ赤だ。
気の強い女が好きで、女遊びが絶えない叔父は、たまにこういう打撲痕を顔につくって事務所に来る。
それにしても、ようこんな短時間に……。言い争う女の声も聞こえへんかったけどな――。
「ああ。気は強いけど、ええ女やった」
叔父の目線が遠い。
「大丈夫かいな。ええ加減にせんと、その内ストーカーされて刺されるで?」
「モテへん男の忠告なんて、ひがみにしか聞こえへんぞ? 惚れた女に刺されて死んだら本望やんけ」
それを鼻で笑い飛ばしてから、今晩はここに泊まって明日は直接出掛けると叔父に伝え、ゴミ袋を持って部屋を出て階段を駆け上がった。
いや今日も長かったですね~(他人事……)
ほんでもって視点がコロコロ変わって読みづらかったですね……すみません。
更にまた、内容が暗い暗い。ガガガ━(ll゜д゜ll)━ン!!
最近NHK教育の「みいつけた!」という子供番組がマイブームです。サボさんというサボテンのおっさんがシュールで良い。そして椅子の歌が良い。スイちゃんも可愛い。コッシーの声がサバンナ高橋さんというのも尚良し。
明日はまた鳴砂の視点に戻ります。
ではでは♪