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とりとめのないこと 抜粋  作者: 汪海妹
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トヨタ社長の一言












トヨタ社長の一言

2023.12.27














ダイハツの社員の皆様の前で一言、トヨタの社長さんが


「この中に告発者の方がいると思うのですが、告発してくれてありがとう」


このような内容のことを発言したとニュースで見たのです。

その後番組では、告発者という言葉を使うのが、何か告発した人に対する企業側の圧力を感じるから良くないとか、猛省の様子が見られないとか、そんなコメントが続いてました。


このコメンテーターたちにはあまり同調できないというか。

この人たちこれより前にこういう話をしていたの。


今回のような不祥事が起きて、消費者は自分の資産の価値が下がったことに対して不満を覚えているだろうと。

ダイハツだから、軽自動車ですね。


もしも対象品が不動産だったら、資産価値と言われてもピンときますが、軽自動車を投資目的で購入している人がいますか?

そりゃ、中古車販売に出す人はいると思いますが、大多数の人は自分が乗るために買ってると思うんですね。

消費者の不満は資産価値が下がったことに対してじゃなくて、この車、安全なの?ってとこでしょうと。


それと、今回のダイハツの問題は、検査をきちんと行なっていなかったこと。

検査基準を満たさない車を販売したことではなく、実際、問題が起きてからの検査では、すべての車が検査基準は満たしていたと報道してるんです。


だから、非難されるべきなのは、危険な車を売ったことではなくて、検査をきちんとやらなかったことに対してなんですね。


ずれてんなーと思っちゃいました。

もちろん消費者には不満、不安、怒りはあるでしょうけど。マジョリティはこのコメンテーターが表現するほどには怒ってないと思ってて、多分、困惑しているという状態じゃないかなと。


今回、経済産業省がダイハツの関連で利益が落ち込む下請けや地域経済の救済に乗り出しましたよね。


国土交通省も、ダイハツの問題を公にする前に、段階があったと思うんですよね。公にしない形で是正できるなら、それを目指したと思います。その報道されない前段階があったんだろうと思ってます。なぜかといえば、どれだけの経済上の影響を起こすか政府だって理解しているからですね。


それを敢えて踏み切った。その背景を感じるんです。

そして、自分の会社を告発した人の気持ちにおもい馳せます。

会社を思うからこその行為だったと私は感じているのですが……。

そして、そこに「密告者の方、ありがとう」。


ものづくりに携わっている人たちの中でのコミュニケーションだなと。

トヨタの社長の言葉とそれを聞くダイハツの人たちの間でのみ通じるコミュニケーションだなと思って見てました。


私が、このニュースで一番関心を持って見ていたのは、ダイハツの開発速度、ですね。

ダイハツの利益率を上げ、軽自動車売上ナンバーワンを疾走し続けるためのダイハツ経営層や親会社のトヨタからの圧力。

無理な域になっていても、誰にも止められなかった日本のものづくりの世界です。


大きな会社には、動かせないものというのがあって、会社の下の方にいる人たちがそれを止めるには、自分たちの大切な会社を密告するしかなかったのだと思うのですよ。トヨタやダイハツのような大きな会社では、個人の力は限られている。間違ったことでも、無理なことでも、たくさんの人がそれを推し進めようとしている時、個人の力では止められない。


このような生産体制で突き進んでいけばいつか自分たちの作った車で人が死ぬ。


そんな正義感でもってやっちゃったんじゃなかろうか。

勝手にそこに美しい物語を想像しちゃったりして。


ま、でも、それは置いといてね。こっからちょっと冷静に。

私はかなり企業よりの立場で好意的に解釈しますけど、私のように捉えたりする一般人はやっぱ少ないんじゃないかなと。

はっきりいって、政府も企業も真面目ですよ。安全基準検査を守らないという悪例を正すために大鉈振るったんだからね。


だけど、真面目すぎるんだよな。これだとズルく賢い人たちに追い抜かれちゃう。


日本の検査基準は例えば、ずるい人代表の中国と比べたら、ははは!言っちゃった。

えっと、この国で安全に暮らしていくために言い直そうかな。ずるいではなく要領のいい人たち。

某社の方のように帰国時に捕まるとかやだかんな。

きちんと検査している国の車と適当に検査している国の車なら安全な車は前者だって私はわかるよ。


だけど、世界を眺めれば、わからない人の方が多いと思うんです。そんな人たちの前で生真面目に大規模なリコールを行い世界のニュースになって仕舞えば、トヨタとダイハツだけでなく、世界の人にとって日本車は安全な車ではないなと広告しているようなものですよ。


海外の人から見たらね、どこの会社の車かなんて細かく見ない。日本の車ってことで、信頼を一気に下げてるとおもいます。

問題を起こすにしても、それを利用して名声を上げるぐらいの戦略があって上等。ただ馬鹿正直にリコールをしたって、一部の有識者以外の大部分の消費者に、日本車はもはや安全な車ではないと意識づけるだけですよ。


日本の実直さはかつてはブランドでした。

だけど、最近はその実直さが裏目に出ているように思うんです。


そして、さまざまな日系企業の構造に無理がきているように感じていて、大きな変革をできないそれなりの規模の会社が、今までの方法で角を曲がりきれずにさまざまな事故を起こしているように感じているんです。


問題を起こさない制度を作る。やっぱりコーポレートガバナンスなのではないかな。

そして、大きな変革が必要とされているのではないでしょうか。


本日もまとまりのないままに

汪海妹


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