表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
とりとめのないこと 抜粋  作者: 汪海妹
88/355

セクシー田中さん












   セクシー田中さん

   2023.10.03













毎月、電子コミックの定期購読をしている私。

10/1になった途端、漫画を爆読みし、一日で1ヶ月分の購読費を使い終わり、漫画を一気読みしたために頭痛が止まらないという……。


あんた、何してんねん?というくらい自堕落な一日を過ごした。

で、昨日は様々な作品を一気読みしてましたが、その中で、セクシー田中さんが面白かったです。


これね、10−12月期にドラマになる作品らしい。どれどれと2巻まで無料でしたから読みました。面白かったから買って最新刊まで読んだ。


どこが面白かったかというと、地味で恋愛経験ゼロ、もちろん高齢処女、いわば喪女ですな、の田中さんが実はベリーダンサーだったっていう話なんだけど、この作品、ダブル主役なんですね。アラフォーもじょ↔︎20代モテ女 これで話が進行する。で、わしゃどっちかというと20代もて女の子の悩ましさというのが新鮮で、ほーっと思いながら見てた。


モテ女がアカリちゃんというのだけれど、合コンに行くとまず1番と言っていいくらいモテる。ただよってくるのはいかにも遊んでそうなチャラい男であって、女子は結婚意識してくるとこういうチャラい系じゃなくて誠実そうな男の人がいいのだそうな。そういう系にはモテない女の子なのです。


自分がそういう系ではないので、(私はマニアックな生き物を飼いたい男子にモテる、チーン)なんだかそんな悩みもあるのかと新鮮な気分で読んでました。それでね、男子側の本音も面白いよね。スカートの短い女子が好きだけど嫌いという。男を年収で区別するスカートの短い女子たちね。そのお互いの表の姿と裏の姿のギャップとセルフィッシュな姿がなんだか面白かったのですよ。


スカートの短い女子が好きだけど、嫌い。そして、表でそういう女子にヘラヘラしながら裏でビッチと軽蔑し蔑んでいる。


いや、あるなー、これ。


でも、アカリちゃんはさ、外見はそういう可愛い系でそこそこにおバカそうな所謂日本人男性ウケする(←はいめいちゃんとしては、こういう日本人男子をバーカバーカと思ってます<(_ _)>)女の子なのだけど、内面ではそういうことをやだなと思っていて、そんで、可愛いから別に努力なんかしなくてもみんなに可愛がられるのに、自分探しの旅に出るというか、旅には出ないのだけれど、自分と正反対の田中さんのファンになって自分のモヤモヤを果たそうともがくのですよ。


あらー!

共感しました。


自分は20代半ばで日本を出てしまったので、このあかりちゃんが置かれているような合コンでチヤホヤされる裏側構造というか、そういうのあんまり経験せずに生きてきているのね。ただ、大昔ですが、日本を出る直前の短い東京での派遣OL時代は合コン結構行きました。


合コンってさ、コンビニで商品選ぶのに似てんだよなー。

あれはあれで面白かったんだけど、狩りの楽しさとは全然別次元だよねぇ。

並べられた棚の中の商品からのみ選ぶっていうのが多分微妙なのだと思うのですよ。

同じ牛乳でもね、出会い方が違ったら気分も違うやん。

合コンにはひたすらの妥協があるからな。

牛乳が欲しくって、でも、そこにはすでにコンビニという他者がセレクトして並べられた商品がある。そこから、


「なんとなく、これ?」


と思って取るからなんかいまいち価値を感じられないような。それと、コンビニがセレクトしているっていうのが、なんつうかある程度の収入がある人とか、若くて可愛い子とか、いい大学出てる人とか、そういう一定条件をクリアしてからそこに並んでいるっていうね。


「いい商品ですからこれから選んでください」


って言われてさ、でも、いまいちピンとこないような気がするけど、とりあえず自分の好みとちかそうな人とデートしたりする。で、しかも、この時期って結婚相手探そうと思って色んな人と会うじゃん。で、新しく会った人も既に出会った人たちと比較するわけじゃん。


だから、ますますピンとこなくなると思うんだよなぁ。


本当にものを選ぶのとそっくりなんですよ。合コンって。めちゃくちゃ条件とか損得勘定が前面に出てきますよね。

それはそれで面白い世界だなとは思うんだけど、合コンみたいな仕掛けで相手を選ぶのが苦手な人もいると思うよ。自然なことだよね。


そして、アカリちゃんのモヤモヤって、ものとして見られていることなんじゃないかなぁと思うんです。

外見のいい人って、まるで綺麗に包装されたプレゼントで、外装ばかり見られてちゃんと自分の中身というか人間性のようなものを見てもらえないことってあるんじゃないかなと思いますので。


それはそれで、ひどい話ですよねぇ。


可愛いとかノリも可愛いとか、そういうイメージで見るんじゃなくて、中身を見て欲しいってやつですね。更にあかりちゃんは自分がどういう自分を演じたらモテるかというのも熟知していて、そういう造られた自分を演じつつ、でも、そんな自分に同時に違和感を感じているわけで。


私自身はまたちょっと違う方向で自分を演じているからね、人間って結構こういう本来とは違う自分を演じたくないなと思いながらも演じているものですよ。それが、人間の枷だなと思うわけで。


あかりちゃんは自分で、自分のこの可愛さというのは若い間だけのもので、誰か選んで結婚すればそれはそれで人生の成功というか勝利なのだけど、歳を取ったら夫には尊重されなくなる未来が待っていると気づいているのです。


これね、ある。ありますよ。

もちろん結婚されたすべての夫婦がこうなるわけじゃないけれど。

昔、可愛かったお母さんって、おります。


可愛かった、ね……。

これ以上はちょっと怖いので、言葉を差し控えましょうか、こほん。


しかし、ま、ぶっちゃけ、さまざまな残念な男性陣を横から観察してきた経験も踏まえてここにちょっと書くと、


あかりちゃんが警戒しているようなチャラ男はさ、まず、好みの可愛い奥さんと結婚して、奥さんが年取るまでの間は楽しみ、子供産んでもらって家庭も確保。それなりに収入のある方なら、まず、若い女の子と浮気するわ。


金あってチャンスあれば、やるっしょ!


結婚を控えた女子が目指すのは、イニシアチブを奪われない結婚。

セクシー田中さんの中のお言葉を借りて言いますと、対等な関係というやつですかねぇ。


恋愛がしたいんじゃない、人間として尊重されたい


こういう言葉が出てくるのですけど、これ、いいね。大事だと思います。


浮気されたり、モラハラされたり、DVされたり、結婚って気をつけないと結構洒落にならないことが起こる場合もありますからね。恋愛相手や結婚相手を選ぶときに重要な物差しは、自分を対等な人として扱ってくれるかどうかではないですかね。


そういう男の人って実はいそうでいないと思うのよ。だから、あまりね、年収がどうのとか、顔とか、条件にこだわりすぎないほうがいいと思います。相手に条件を求めるということは、相手からも条件を求められるということだから。基本的には美だと思うのですが。揺るがない美を持っていて、崩れない自信があるのであれば別枠ですけどね。


相手に条件を求めるなら、自分自身が客観的に見てどれほどの条件を満たしているのかを見積もるべきだし。

身の丈に合う人をお互い求めれば、尊重し合えるはずです。


この漫画はさ、男の我儘と女の我儘が垣間見えるのが私的には面白かったんです。

ここの部分に興味を持って、そんで、自分がこの男女それぞれのわがままをもとに書くなら、セクシー田中さんとはまた別で、もっと醜い場面を淡々と書きたいなとちょっと思う。


セクシー田中さんは、これはこれでいいんです。ただ、この我儘という部分でまた違う形の作品も書けるなと。つまりは、自分は色々な男女というのを実生活で見てきたので。そこで出会った


「うわー」


というのをなんか自分なりに書いたらスッキリするかしら?と思っちゃった。いわば他人様の漫画の中に切り口を見つけたというか。


じゃ、書くんですか?というと、うーん……


結婚のビフォアアフターについてはもう少し、書くべきなのかなとは思うこともあるんですけど。私なりのタッチで。私、多分、女子側と同時に男子側にも入り込める人間なので、ある程度多角的な話にはなるのかなと。ただなー、問題があって、私ね、優しいんですよ。ははは!


だから、わがままのどろどろ加減をそのまま書けない。どろどろに行ききれず道徳的に綺麗な感じにまとめちゃうの。これだと多分、面白くないよ。昼めろの面白さというか、韓国ドラマの面白さというか、人間の我儘とか、悪役がめちゃくちゃに嫌な人だったり、こういうところが私、弱いんです。自分がめっちゃ我慢強い人間で、負の感情を閉じ込めてる人だから、作品で出てこないのよ。


じゃ、あんた、負の感情ないんですかと言われると、あるんだよ。あるんだけど、簡単に出てこなくって、作品書いててもブレーキかかってんだよね。作風といえば作風なので、別にこれをメチャメチャに壊そうとも思わないんだけど。だって、簡単に別のものを書くって話じゃなくってさ、作風っていわば人間の性格というかものの考え方というか、そういうのから根ざしていると思うので、これを変えるって、自分をいじるようなものなんですよ。


道徳的な自分が、スカート短くして、羽目を外してみるみたいなもんだ!ハハハハハ!

言い換えてみれば、男と簡単に寝ない女がある日を境にやりまくる人になるようなもんで、かなり極端な話ですが、


いやー、無理でしょ。


自分の貞節を守りつつ、他人様の不道徳な行いを批判を交えず淡々と描けるでしょうか?結局はそういうことですね。作品は語り口が命。クソ真面目な自分が、うわぁっと食傷気味に眺めてきた男女の我儘な側面を面白おかしく書けっかしら?これは未知数ですね。


作品って不思議なもんで、書き始めるとキャラに愛着が湧いて、そのキャラがはちゃめちゃに辛い目にあうのが忍びないなと筆がゆるまることもあるしな。はいめいちゃんの物語世界はだから、基本、優しいのですよ。私、優しいからな!ハハハハハハ!


自分で自分のことを何度も優しいと言って、さすがに若干、良くないかしら?優しいというか争いごとが極端に苦手だからね。ひどい出来事を脚色してそこまでひどくない出来事に置き換えちゃう人なんですよ。その置き換えをゆっくり少しずつ、オリジナルに近づける調整をしてる。


つまりは私にとっては、ひどい出来事って、課題なのですよ。

でも、ひどい出来事をそのままに書くつもりはないんですけどね。そこでそこまでひどくないと脚色してしまうことこそが、自分だと思っているので。その脚色の程度を調節できるように、そこが今の私の課題でして。


今だって現実でひどい目に遭ってるんですよ。だけど、やっぱりそれをどこかで脚色して、笑いながら自分を潰さず生きてきているとこがある。そういう自分を悔しいくせにヘラヘラ笑ってると自己否定しているわけじゃないんですよ。そんな子供じゃないんでね。私は笑いながら、相手から見えない死角で刀を研ぐ人間ですから。


なんかちょっと別の話になっちゃったな。


セクシー田中さんを読んでて、なんかこんな切り口もあるなとふと思いついたものがある。今の自分の程度からいくと、そこまでわがままや狡さをふんだんに書ける気もしないので、まぁ、多分、そんな作品は書かないでしょうけど、けどね。


書けないなと思うからこそ、そういうものを書いたほうがいいのかなとも思いますね。

自分は多分、自分という人間に何が足りてないのかはわかっていると思いますので。


こういうのって、絵を描くのに似てるんですよ。私の絵に黒い色彩が足りないから、だから、黒を塗り込む。これ、大きく塗りこんでしまうと画の全体を壊してしまうから要注意ですね。


このモチーフはもう少し先の未来に置いておきましょうか。


汪海妹














評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ