十年ぶりの
十年ぶりの
2022.05.27
転職活動かな。
履歴書を書き、職務経歴書を書き、(途中から物語のようになりました)現在の待遇とまた、仕事を替えたい背景やら仕事に対する希望をせっせと書いた。
思えば、私、就職活動をあまりやったことがない人。
なんか、人づてに決まったことが多かったな。
中国に来ることが決まったのは、日本語教師養成の専門学校の学長に養成講座の講師の先生が私を推薦して、で、面接して決まったのだ。
学長に人が欲しいと声かけていた人がいてね。
次は、定年退職して起業するおじさんにくっついて仕事して、そこを飛び出して全日制の学校の教師になって、この時は募集見つけて応募してそのまま決まったな。で、学校が廃校なって子供産んで、仕事どうしようかと思ってたら、今の会社の人から声かかって決まったな。
コネ入社だ。
……
こうやって書いてみると、割と波瀾万丈じゃね?
つうか、踏んだり蹴ったりだな!いや、違う違う。
捨てる神ありゃ拾う神あり。
よくもまぁ、考えなしに次から次へとぽんぽん渡り歩いてきたな!
「とりあえず転職できるのかどうか調べたいんです」
「いや、もう、転職しなさい」
「……」
断言されちゃったわ。人材紹介の人に。
こう、なんで転職したいかという件を物語的にとうとうと語った後、いかがかなと受信した虎の吠えるメールの文面を見せる。
「これ、訴えられますよ」(←私が訴えられるのではなく訴えるのが可能だという意味ね)
「あ、そうですか」
「パワハラですよ」
「そうですよね」
で、冒頭に戻る。転職しなさい。
えー、10年働いた会社、やめんの?
生涯の中で一番長く働いた会社だったな。おっと、過去形になったぜ。
「こういうのって他の会社でもあります?」
「ないとは言えませんが、ここまでのは珍しいと思いますよ」
「……」
我慢強いくらべ大会で一位取ってもなぁ。
中国来てからも踏んだり蹴ったりで、結構すごい思いをしてきてて、
今働いている会社は、かなり安定して働けたのですが、それでもこんなことを言われてしまいました。
私、仕事運とことんないのかしら。ピラニアの池の中にいたので、ヒルの池の中にいても無感覚だったのかな。
「すぐ紹介できそうなのありますよ」
「え?!」
仕事なんてないと思ってました。
でもね。流石に財務の仕事はそんな募集ないよね。営業とかだってさ。
私、営業やんの?いや、生まれて今までやったことないんだけど。
それはそれで疲れそうな気がしてやだなぁ。
まさかこの年でなぁ、転職する羽目になるとは思わなかったぜ。
日本に帰る時に無職になる覚悟はしてたけど、中国内でもっかい転職するなんてなぁ。
なーんって運のないのだろうな。やれやれ。
「仕事決まるまで会社に仕事辞めるって言わないほうがいいですよ」
「……」
契約上一ヶ月でやめられます。
最後の最後までもめもめになるだろうなぁ。
真面目にコツコツ働いてきて、大凶に近い貧乏くじ引くんだな。
ワキが甘いんだな。私きっと。
そして、去年やめてった2人の部下もそれぞれに貧乏くじ引いたなぁ。
世の中は弱いと貧乏くじを引くのか?
スカンクの残し香(命名汪海妹でお願いします)みたいな強烈な嫌がらせをしてからやめてやりたいな。
しかし、この名は、あれだな。色気がないな。仕方ないか。
自分がされたことを思い出せ。腹を括れ。
そして、辞める場面のシナリオを書く。妄想スイッチオンだ。
セリフはこれで始めよう。
一年前に私が辞めることは決まってたんですよ。
でも、下が辞めて私まで連続して辞めたら困るだろうと思って今までいたんです。
むしろ感謝していただきたい。
かっこいいけど、でも、結局そんな捨て台詞吐いて辞めたってさ。
私が貧乏くじ引いたのには変わりねえけどな。
せめて、楽でいい仕事についてから辞めたいな。かわいそすぎるじゃん。私も去年やめてった部下もさ。
「さっさと転職したほうがいいって言われたよ」
うちに帰って、家でも仕事をしている主人にいう。
「人材紹介は、絶対そういうよ。転職させないと利益上がらないんだから」
「ま、そりゃそうだな」
「どこ行ったっておんなじだよ。やな部分が変わるだけー」
「……」
うちの主人もまぁ、サクッとそんな真理のようなことを言うなや!
嘘でも、転職すればいいことあるよと言えっ!首絞めたくなったわ。
もちろんしない。この人いるから、生活楽なんです。ダブルインカム。楽だよー。
そうだ!会社なんてな、松竹梅レベルで災厄の詰まったボックスだ。梅レベル目指すのが得策だ。
だけど、今のは竹から松レベルでねえの?
神様。今まで酷いことばっかしだったんだから、今度こそイケメン総経理秘書とか楽で楽しい仕事持ってこいや。




