ドラマ感想:7月開始のドラマ達、その二
ドラマ感想:7月開始のドラマ達、その二
ネタバレします。<(_ _)>
明日はもっといい日になる
児童相談所の話です。自分が母親で、また、子供好きな人間であり、さらに、蟹座で母性本能が強いので、子供が
大変な目にあうのには無関心ではいられないんですね。それと、様々な人の心理の様をコレクトして歩くのが私のライフワークでして、そういう意味でも目の離せないドラマでした。
全部の回を通して一番印象に残った回がどれかというと、そうだな、ダメマネで吃音のある女優を演じていた松本穂香さんがお母さん役で出てきた前半の回です。働いていた児相で偶然小学校の幼馴染である彼女と再会した新人の翼ちゃんは、育児ノイローゼ気味の彼女に職員として以上に肩入れしてしまい、本人としては励ますつもりで休みの日に彼女と娘を連れ出して遊園地へゆくのです。
しかし、それは裏目に出てさらに母親を追い詰めてしまい、とうとう乳幼児を家に置いて行方不明になってしまう。
くらーい昔を持っている私は、根暗な人間でして、こういう元気ない時に明るくて元気な人(作中の翼ちゃん)に励まされると、その人と自分を比べてもっと落ち込むものだというのがよくわかるので、見ていて納得。ちなみに育児放棄された乳幼児は一時保護され、しばらく母と娘は別々に暮らしたのでした。
これ以外にもいろんな親子が出てくるのですが、例えば食事を与えずに餓死させそうになった親とか、内臓出血するほどに殴る親とか、そりゃもう外から見てたら、親の資格ねえなとなって、子供を親の元から引き離すのが最善と思うのだが、殺しそうになっていてでも児相に取り上げられると怒って取り返そうとする、その親の子に対する執着がとことん不思議でした。
とある場面で、殴るのは子供に甘えたいからだというセリフが出てきましたが、これは私にとって新しかったですね。そうか、暴力もまた、甘える手段なのかと。もちろん、納得して自ら暴力に目覚めるとかそういうことではないのでご理解ください。
色々と考えさせられたドラマでした。心理学的要素が多かったのが見応えがありました。
蛇足ではございますが、ちはやふるでは、人間の負の面がいまいち物足りなかった。私は、根暗な部分を見たくてドラマを見てるかもしれません。
僕達はまだその星の校則を知らない
主人公の弁護士がスクールロイヤーとなり高校へ派遣される。その派遣先の女教師が大の宮沢賢治好きで、やはり宮沢賢治に詳しい主人公との間で、作品のあちらこちらに ふんだんに賢治の作品からの引用が溢れ、見ていると自然に宮沢賢治を手にとって読みたくなるドラマでした。
学校や社会の不完全さを露呈させながら、そこに宮沢賢治の理想とする世界観に派生するような登場人物たちがぶつかってゆくような仕掛けがあります。賢治の清らかさは、清らかであると同時に薄っぺらなものでもないので、アオハルと相性がいいかもしれませんね。少年少女というのは、清らかなものです。
一番印象に残っている回は最終回の手前の回で、容姿端麗、成績優秀な生徒会副会長の女の子が、はめられて中身を知らないまま違法ドラッグを幼馴染から受け取り、売り先の女子中学生に渡す、運び屋をしてしまう回。警察、ではなく薬の管轄は厚生労働省か?とにかく捕まってしまい、少年院送致まではいかないものの、執行猶予付きの有罪か不処置の無罪かで処分が決まるまで鑑別所に拘束されてしまうのですね。
これはもう、前のめりでみました。副会長が真面目でまっすぐな人であるだけに、犯罪者として見られるのはどんだけ辛いだろう。ましてまだ高校生の子供ですね。
私もねぇ、不器用だけど真面目一本できました、みたいなところのある人で、悪いことなんてしない人間なのですが、昔、トラブルに巻き込まれたことがあって、疑われたことがあるんです。あの時のショックを思い出しながら見てました。
その幼馴染の男の子は彼女のことがずっと好きだったんですけど、振られた腹いせに彼女が疑われるような罠を仕掛けた。この、愛が憎しみに変わる、思春期バージョンな!
いや、オミャー、やりすぎやろーーー!
副会長のファンであるおばさん、テレビ画面の前でヤキモキする。
それで、助けてくれとスクールロイヤーの白鳥さんに頼む。しかし、本来は学校のスクールロイヤーである白鳥さんは、彼女の弁護士になると利益相反があるためできない。他の弁護士が担当するのだが、その弁護士はやる気がなくて、執行猶予で手をうちゃいいんじゃね、みたいないい加減さ。
その様子を見てとうとう白鳥さんはスクールロイヤーを辞めてしまうのです。職を辞して法廷に立つ。この回が一番見応えあった。不器用な水戸黄門みたい、あるいはアンパンマンみたく正義の味方だったぜ。
ちなみに、番組の合間に流れるCMで生徒たちが登場して、主題歌であるヨルシカの修羅の歌詞を朗読する映像が流れるのですが、それを読むみなさんの空気も良い。朗読という素朴なものにヨルシカの楽曲が最後にかぶる部分で突然アカペラからあらゆる音が飛び込んでくるダイナミズムに感動します。
自分の中で一番お気に入りだった2人は、生徒会長くんと副会長ちゃん。大変失礼なことを言わせていただくと、生徒会長くんと副会長ちゃんはまさに美女と野獣。まっすぐないい男ですよ、会長くんは!男はねぇ、心だよ、心!と、誰に向かって演説してるのでしょうか。
この会長くんの副会長への優しさは、友情?愛情?やっぱり、愛情?でもそれがはっきり示されないのが良い。
なんせ、彼は、制服でスカートではなくズボンを履いてきたことで、周囲の人に色々言われ嫌な思いをした副会長を励ますために、なんと、全校生徒の見てる前でスカート履いて挨拶した人だからな!
それからである。薬物所持のために家に帰れないまま毎日取り調べを受けていた副会長ちゃん。手紙を書くのは許されてたので、生徒会長くんに、わたしがどんなことになっても変わらずに友達でいてくれる?と涙ながらに綴るのです。
返事にはなんと書いてあったか?
当たり前だろ、バカ!
とすげーでかい字でガッツリ書いてあった。
ここが良かった。不器用な優しさが良い。
ちなみにまた蛇足だが、やはり自分は人間の暗い精神を眺めるのが好きなようだ。幼馴染で清らかな彼女を切々と思う傍、自分はクスリの売買なんぞに手を染めて、どんどん彼女との距離を離してしまった堕落した彼が、彼の様子を怪訝に思い離れて行こうとする想い人を見て、どうせこの気持ちが叶わないなら、自分が落ちるのと道連れに好きな人を巻き込もうとする暗い欲望のようなものが、
あー、なんかめっちゃわかる
チーン……
一応念のために言っておくと、こういう人間の弱さとか卑怯さはめっちゃわかるけど、自分は別に犯罪に手を染めたことも、警察に捕まりそうになって、好きな人を罠にはめて共犯にしたこともありません!
やっぱり自分って、人間の影の部分が好きな人なんですね。ちなみに光も嫌いではない。このドラマは、会長くんや副会長ちゃんみたいな清らかな光がちゃんとあって、それで、そんな清らかな人でもあれよあれよと鑑別所なんかに入っちゃうのが、自分的には ドラマティック! でした。
ちなみに副会長役の南琴奈さん、美しすぎました……
そして、野獣と呼んでしまった日高ゆきとさん、あんぱんにも出てたって。ばけばけにも出るそうです。楽しみです。
19番目のカルテ
録画に失敗し、最終回を見損ねました。あー、赤池先生、どうなったんやろうなぁ。
医療系のドラマは、とにかく病気についての知識はほんわかとでも素人も持っていた方が良いということで、見てて無駄にはならないと思う。
感想はどうかというと、松本潤さんが、本当はもさっとはしていないが、外観はめっちゃモサっとしている総合診療医の役なのですが、ハマり役すぎて、もう、他の役できないんじゃね?と思うくらいでした。
役作りにめっちゃ頑張ったのか、あるいは、実は本当は松潤はモサっとした人なのだろうか?という疑問が心中を絶えず渦巻いていた。
このお医者さん、患者を緊張させないためにモサを演じてるだけで、めっちゃ観察力あって、すげースピードで診断するやり手医師なのです。しかし、医者という仕事以外の個人を見てみると、わりと変な人で、しかし、変な人と言われると、ちょっと怒っているという、その、なんかモテなさそうなオーラを出した返しとか見てると、
え、これは演技なの?それとも本当にもさおなの?君は。テレビに向かって語りかけてしまう、中年女A
あまりに気になるので、しばらくテレビで松潤を追っかけてると思います。
サマーウィカさんの女医姿も素敵でしたが、しかしだね、外科医なんて激務をする人が、あんなピンヒール、はくのかね?ドラマのキャラ設定は当たり前を外してかねばならぬから、ピンヒール?ピンヒール履いてて、メスをモテるのか?
女医でヒールとくると、やはり大門さんの影響だろうか?私、失敗しないので、と言いながら大金せしめてブランドもの買いまくるみたいな。君は大和撫子の希望の星だ。自分の腕で、ブランドもの買い漁るのだ!みたいな。別に勤務時間外で履いてるならいいんだけどさ。
すげー、お局OLの重箱の隅を つつくようなこと書いちゃったぜ。
サマーウィカさんは光る君への清少納言役も印象的でしたね。次は何で会えるでしょうか。
終わりがしまらないですが、ま、いっかということで。来期は何を見ようかな?テレビを見過ぎだということで、もうちょっと絞ろうと思います。
それでは!
台風のせいで自宅待機となったが、その台風もぶっちゃけ大したことなかったような気がした今日でした。
汪海妹
2025.09.24




