With C
With C
2022.02.28
本当は With コロナ ではなく バリバリ Anti コロナの中にいるわけです。
ちょっと深圳の状況がイエローになってきて、折角だから書いておこうかなと。
ずっと新規感染者0で落ち着いた生活をしてきました。
現在ガンガン感染者出してる香港から、半ばパニックになった人が出たらしい。香港は今日は新規が一日で2万とか3万とか言ってたな。
主人の話によるとどうも、病院がいっぱいでね。治療を受けられなくて。それでパニックになったのかもしれない。
香港から深圳に密入国した人が複数出たそうです。
深圳はずっとスマホの情報アプリを介して市民の行動記録がとられているんです。個人情報どうのという問題はまず置いといて、それで管理されていたところに、何人だったのかなぁ?そんなすごい人数だとは思いませんが、管理アプリで管理できない人たち(香港からの密入国者)が入り込んできて、そっからオミクロンが始まったようだ。ニュースをちゃんとチェックしないので真偽のほどはなんとも言えません。
とにかく、ずっと静かに暮らせていたのに、あれよあれよと感染者が出るわけです。
本日が30人 累計160人 160が現在治療中というわけだ。
大した人数ではないのですけれど、ずっと0だったからな。
毎日毎日、大規模なPCR検査を続けてこの人数。まだ潜在的患者がいると思うし、そのひとから伝染する可能性を考えると決して少ない人数だとは思わないんです。一箇所の人数ではなく、あちこちに飛び火してますから、この30人及び160人。
はれー
あれよあれよと我々の日常がイエロー(黄色信号の意味だ)になってゆく。
それでもまだ笑ってます。イエローだからな。
ちょっと過去に戻る。
あまりニュースも見ず、ぼけっとしている人(私)が、あれ?と初めて思ったのはですね。先週水曜日でした。
PCR検査のテントが立ったからね。
ああ、また、緊張の時間が始ったのかなぁと。
準備中のテントの脇で待つこと1時間。PCR検査を受けた。たまたま用事があって休みだったので、受けれる時に受けようと思って受けました。
その時はまだ、二日に一回受けるようにくらいの要求かなと思ってました。で、うちの子は今、オンライン授業で外出る必要ないし。結構混んでたし。水曜は受けさせなかった。
で、状況が更に深刻になってきたので、木曜に受けさせるために並んでた。私のスマホに息子の管理IDが入ってるから、私以外付き添いできないの。外国人はまたちょっと特殊でね。
「今日は息子が受けます」
「あなたも受けていきなさい」
「へ?」
「48Hではなく24Hが要求されます」
香港の密入国者が近くの港から上陸。どこをどう逃げたか捜索中。そのため、その港に近い地域は48Hはあかん。24Hになったのだ。
これは、毎日受けなければならないのか。
そこで一番最初に思ったこと。
……金かかるなぁ。
深圳市、まったPCRにぎょうさん注ぎ込んで、これじゃ22年はすっからかん。
もう、補助金は期待できないなぁ。
ま、でも、私の財布が痛むわけではない。
そして、次の日の朝。一旦外へ出たら、PCR検査なしでは入れないかもと思った。確認しておこうと朝6時半過ぎ、うちのマンションの門のところに突っ立ってる保安に話しかけた。そして、気づきました。
この保安の兄ちゃん、かっこいいやんけ。
このマンションに引っ越してきてはや数ヶ月。保安に用がなかったから知らなかった。かっこいいやんけ。
そして、思いだす。そう言えばおばあちゃんが保安の人と仲良くしてたよなと。なんか旦那の古いセーターを上げたとか、仕事がオフの時に台所の壁に調味料の棚作ってもらったとかさ。謝礼をあげたとかなんとか。
もしかして、このイケメン保安ではないか?だって、おばあちゃんだって歳とったって女っしょ!そして、きっとこの保安さん、このマンションのおばあちゃんたちのヒーローなのではなかろうか?
「わかりました?」
「あ、はい」
そうそう。私は、マンションの出入りにPCR検査が必要かどうかの確認をしてたのだった。すっかりすっ飛んでたわ。
そして、水曜から毎日連続でPCR検査を受けている息子と私。木曜の夜はいちいち上に上がらず下から電話して息子を呼び出した。
「お母さんが先に並んでるから降りてきな」
PCR検査はマンションのすぐ下でやっている。そんなに混んでなかった。だからサクサク進む。しかし、息子は何をモタモタしてるんだか降りてこない。あー、もう!これは罰だ。私が先に受けて、もう一度並び直させようと思いつつ進む。
「あ、間に合った」
検査のQRコードを係の人に読み取ってもらう寸前で、息子が割り込んできた。やれやれ。
列の途中から割り込み禁止のテープが張ってある。それをちょっと躊躇した後に超えてくる。
すんません。すんません。心の中で謝る。
もともとは、もっと早く息子が来るはずでした。しかし、私のとこに来た息子。後ろをチラチラ見ながら呟く。
「おばあちゃんに教えなきゃ」
「なぬ?」
そして、おばあちゃんが笑顔で堂々と割り込み禁止のテープを跨いでやってくる。
おーのー!
100%日本人とはもはや言えない私ですが、それでも、日本人的感覚は残ってるわけで。ディズニーランドだってさ。しんどい思いしてみんな並ぶのさ。もし、みんながこんなふうに誰か1人の仲間に列に並ばせて、割り込みさせてやってごらんよ!後ろの人は待っても待っても順番が来ず、疲れてるのに帰れないさっ!
「お昼見ても混んでて、夜見ても混んでたからさー」
我が家はね。2人、中国人、1人、日本人、1人、ハーフだ。
おばあちゃん、並ぶの大嫌い。私が先に並んでいるのを聞いて、それなら私も行こうとバタバタしてたから息子も遅れたわけよ。
割り込み上等!じぇんじぇん、罪悪感ねえし。息子はハーフ。日本に転ぶか中国に転ぶか。
「いいか。みんながみんな私たちがしたようなことをすると、みんな困るよな。だから、この方法はこれっきりにしよう」
「うん」
そして、おばあちゃんの息子の主人である。
「あなた、PCR検査した?」
「いや」
「なんで?」
「駐車場から入る時、绿吗(緑コード、これによって行動制限がかかる)見られないし」
見られなかったらいいんかーい!これも、中国あるあるである。
「いや、でもさ。さっき15分もかかんなかったよ」
「大丈夫。大丈夫」
電話が切れた。
「貸して」
息子がいう。もう一度電話をかけて息子が淡々と諭す。
「家に入ってこられなくなるかもよ。お父さん、どこで寝るの?検査受けて」
むっちゃ心配してんねん。いい子や。しかし……
「ただいまぁ」
「お父さん、検査、受けた?」
「いや」
チーン
「なんでっ??」
「いや、大丈夫、大丈夫。駐車場入る時、誰も見ないし」
なんかの、その、度胸大会かなんかか?バイクで崖まで走ってぇ、どっちがギリギリまで行けるか競争するぅみたいな。
(深圳は、24Hなり48Hなり要求のPCR検査結果がないと、自分のうちに帰れなくなる事件が勃発してるんです。最近)
そんな日が何日か続き、昨夜のこと、とうとう近所の我が同僚と友達の区域が封鎖された。4日間閉じ込められた。
朝の車は運転手さん入れて4人が3人に。1人は隔離されちゃったからね。
朝、隔離区域がどんな風になってるかなっと野次馬根性で見に行く。真っ赤かな壁とかできてたりして。ドキドキ。
わりとフツーに鉄のフェンスで区切られてた。蛇腹の鉄の引っ張るとバツバツバツっとなるさ。XXXこんなんで区切られてた。
ありゃー、ありゃ、楽勝で乗り越えられるなぁっと思いながら見てる。
しかしだな。そうすると、現在緑のワタクシのコードが黄色になっかも。
黄色になるとバイキン扱いだし。スーパーもショッピングモールも入れねえ。あ、チャウチャウ出勤停止だわ。
いや、できんできん。
そして、本日夕方。やはり息子とPCR検査に並ぶ。
「お父さん、今日こそ検査受けて帰ってくるかなぁ」
「もうね、マンション入れなかったらさ、ホテル行こうとするじゃない」
「うん」
「あそこのホテルなんてどうだろう」
2人で並びがてら、本日父が泊まるかもしれないホテルを見る。よ、あの制服は……。
「警察の人がうじゃうじゃいるね」
「きっとコロナオミクロン対策本部、的な?」
「ふうん」
「あそこさ、24H緑コードなしで泊まれないんじゃね?」
「あー」
2人で警察の人たちがたむろってるのを見る。いやはや、もはや、平時ではないぞ。緊急時だぞ。こんな時に頑固に検査を受けずに生活しようとする神経が知れない。
「ホテルに泊まれなかったらさ。あれだ。とりあえずすぐにPCRを受けて」
「うん」
「大体、順調にいけば6〜7時間で結果が出るからさ。結果が出るまで車で寝てりゃいいんじゃね?」
「おー、おとうさーん」
雄叫びを上げる息子。父思いである。
「ま、でも、自業自得だな」
「そうだそうだ」
大人のくせに子供じみているというか、意外と主人も変な癖のある人なのである。
ガチャガチャと玄関で音がする。
「あ、帰ってきた」
息子と2人で顔を合わせる。
「ただいまぁ」
主人が戻る。安心した息子、すっ飛んでいく。
「今日は流石に検査受けにいくわ」
「えっ!受けてないの?」
昼にどこかで受けてから帰ってきたと思ったのに……。
「これから受けにいく。でも夕飯食べてないんだよな」
「ご飯食べてから行ったほうが空いてるわよ」(←おばあちゃん)
日本人VS中国人。中国人、のんきだなっ!しかし、大多数の中国人の皆様のために追記。
うちの主人ぐらい検査受けない中国人もレアだ。生真面目な人は、休みの日の朝から並んでるって。




