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とりとめのないこと 抜粋  作者: 汪海妹
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ローソンと富士山












  ローソンと富士山












SNSで話題となり、観光客が集まっているというローソンと富士山。ローソンの看板の青と富士山の青が美しい。それにしても、富士山は我が日本にとって古くからの霊峰ではあるが、海外の人にもその良さが伝わるものなのか。もしかして北斎のおかげで、富士は海外でも有名か?


しかし、弾丸登山やら、住宅地が突然観光地化するやら、迎える人達は大変だ。日本観光立国元年というかなんというか、頑張れ、みなさん!とテレビの前で応援した。多分届いてないだろう。


ふと昨年行った日光でバスの運転手のおじさんがスピーキングイングリッシュしてたの思い出す。あれはじんとした。ちょっと感動しただよ。外国語はとにかく必要に迫られたら誰でも話せるようになるぞ。経験者は語る。


しかしだな、どんなに注意しても横断歩道ではなく車道を横切る外国人と日本人のイタチごっこを眺めつつ眉を顰める。


「危ないんですよっ」


いや、危なくないなあと思う。冷静にその映像を見ながら思う。それなりに交通量の多く、しかし、細い道にわさわさと集まる多国籍な人々を見る。日本人ドライバーはきちんとした人が多いから減速しつつ通らなければならず不便だろう。迷惑だろう。しかし、危なくはないなと思う。


つまりですね、交通ルールの天文学的に悪い国に住んでいると、割り込みしなければバスには乗れないし、車が止まるのを待っていたら永遠に道を渡れない。車もバイクも自転車もスクーターもはちゃめちゃに交通規則を守らない道路上で、徒歩の人もアグレッシブにすり抜けて走行しなければむしろスクーターにぶつかる。毎朝息子を学校まで送っているが、ここ1ヶ月で2回ほど後ろから来たスクーターにぶつかられた。かすった感じだから怪我はもちろんしなかったが、ど素人がぁっと睨んでやったのはいうまでもない。


毎日あの人通りが多くてみんながルールを守らない歩道を歩いて会社へゆく自分にとって、あの道の横断は全く危なくないと思う。あのくらいの速度で車が走ってくれたら、余裕でよけらるぜ。ただ、車が速度出せないな。


日本人は真面目が標準装備されている国だからなぁ。しみじみと思いながらみた。それは悪いことではない。ただ、外国人は真面目が標準装備されていませんから、その方達にルールを説いて従わせるのは結構大変だよとテレビに向かって呟く。多分私の声は届いていないだろう。


日本人が中国とか来て仕事を始めると、最初にガツンとやられるのが、この中国人の不真面目さかもしれない。しかし、中国人の名誉のために言っておこう。日本人がとっても真面目なので、その日本人から見ると多分かなりの数の外国が不真面目なんだと思う。中国だけではないだろう。


ここで、いや、自分はここにリトルジャパンを作るのだと奮起するのが第一ステップだ。周りからはいつまで続くかなと思われている。そして何度も挫折を促す出来事が起こり、ぶっちゃけ、ストレス極まりキレる日本人がいる。それを見た長年中国に住んでいる日本人がどう思うか?


お、もうそろそろ産まれるなと思う。


そして、出産の危険を乗り越え、新しい命が生まれる。


日本人改


日本人改の特徴はなんだろうか?昼間や慎重になっている場面では、日本人改は普通の日本人に見えるかもしれない。マグロはやっぱりクロマグロだよねとか言って、日本人っぽい会話についてくるかもしれない。


しかし、夜に適度に飲ませてみよう。


「日本はなあんにもわかってなーい」


大体、本社の偉いさんの悪口を言い始める。


「ここは日本じゃねえんだよう」

「ソーダ、ソーダ!」

「そんなに文句言うならお前がこっちに来てやってみろってんダァ」


駐在員あるあるである。アーメン。しかしだな、コツを覚えると中国人と働くのもそんなに大変ではない。つまりはね、こうなんです。日本人にだって長所と短所があるように、中国人にも長所と短所があるので、長所をうまく使い、短所が顧客に出ないようにコントロールする。そんな難しいこっちゃねえぞ。日本人がやった方がいいところは日本人である自分がやって、あとは中国人にバンバンやらせるのよ。


レストランで言うと、料理を作らせて最後の盛り付けを自分がやってる感じやねん。


えー、ずるい!と言われてもしょうがないかもしれない。しかしだな、中国人は日本人の仕事の仕方の一部は本当に嫌いなのよ。つまり、遅い!全部確認が必要でくどい!それを、それは必要なことなんだと言い聞かせてやらせるために時間とパワーを割くのは良い手段ではないのだ。


だから、やりたがらないところは自分に集めて、これからが重要だ。私が最後に盛り付けをしたことによる効果の違いを劇的に見せるのです。そして、感謝させる。お前がやったらクレームなってたよな?ということを繰り返し繰り返し見せるのです。


そうすると、全員ではないが何人かに一人は日本人の真似をするようになってくるんだよ。普通はね、こういうことは正攻法で言い聞かせてもうまくいきません。自分の手の内を見せて、さりげに盗ませるのが上々ではないでしょうか。中国人の人はプライドも高いし、頭ごなしに言っても素直に聞かないしね。


そして、その時を待つ。おおおおおお!産まれたぁ!


中国人改


日本人改の一人として思うことはこういうことである。例え、日本人改になったとしても、これ以上日本人から外れて中国人によっても、俺、あかんよなと。自分の価値というのは、どっちもわかるってことなので、日本を忘れてはいかんのです。だから、交通規則も(日本へ帰った時は)守らなくてはならないのです。


そして、私は今日も、害のない羊のような様子でお客様を迎える。


「ここに来られてどのぐらいですか?」

「中国ですか?」

「いや、会社」

「あ、会社は1年とちょっと前」


中国に来てXX年というと、大体みんなおったまげる。私はどうも見た目ではまだ日本人に見えるらしい。やれやれ。


2024.12.03

汪海妹




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