一昨日に続く
一昨日に続く
まぁ、こうなるとは思ってましたけど、結局よく寝られずにぼんやりと考え事をしていて、それなら起きるかと起きてしまった。そして、早朝に息子の寝ている二段ベットの下で盧溝橋事件と柳条湖事件を調べて、それが別の事件だったということを知りました。
中国人と結婚して、中国に長く住んでいる自分がこうなのだから、全く困ったものだというか、平和ボケしているなんて人を言う前に自分だなと思います。ただ、そう言いつつも言いたいのは、平和ボケしてる日本人が長く住んでても別に今まで支障はありません。だから、平和ボケが全ての面において悪いというわけでもないでしょう。
そして、結局もやもや考えていて眠れなくなってしまったのは、上のようなそんな歴史についての問題とか、反日についての話ではないのです。
結局、現場がごくごく家の近くだったことと、うちの子も歩いて登校していたわけで、ギリギリまで家にいる我が子は当日の朝、事件の直後に学校に入ってる。このせいで、自分の防御本能のトリガーが引かれてしまったから、自分の武器は思考しかありませんから、どうしても情報を収集し状況を分析しようとしてしまうのですね。
ただ、前回の蘇州の事件にしても、今回の事件は起きたばかりですが、動機を含め情報は開示されませんので情報が少ないのです。少ない中で多分に推測を交えて話しますと、私は以前の反日デモの時もここにおりますが、あの時は多数の人が反日を訴えていました。でも、前回の蘇州の時も今回もそんな動きはないのですね。だから、これは反日を中心に据えた事件ではないと思うのです。
もしも日本を排斥するというのが目的であれば、やはり大規模に拡散していくことを狙うものだと思いますし、反日を訴える手段として子供を刺すというのは非常に愚かな行為です。簡単に言えば、いくら反日を訴えていたとしてもそのために子供を刺そうなどという過激な人間はいくらなんでもいないということです。まぁ、いたとしてもごくごく少数でしょう。
もしも日本を排斥するというのが目的であれば、日系企業の建物に火をつけるとか、物に向かうのが妥当でしょう。日系企業を排斥すべきだという明確なスローガンがあり、時流がその方向であり、向かうものが物であれば、多数の人員を動員できるかも知れません。
ただ、現在の時流で何がなんでも日系企業を、というのにはあまりトピックがないと思うのです。核汚染水くらいしかない。このくらいではそこまで火がつかない。もっと上の台湾有事の際に日本が明確に台湾側に立ったとか、あるいは別の領域での領土問題とか、多くの人が立ち上がるような物でなくては動員できない。
また、昔と違って中国人の人も今は裕福ですね。別に日系企業を排斥しなければならない強い理由がなければ、そんな活動に参加する人はいないですよ。利益にならないのです。利益を得る活動か、或いは、今すでに保持している自分の損益を大いに損なう局面でしか、人は立ち上がりません。
私は今回の騒動の根っこは 貧対富 であり、標的は日本ではなくこの国なのだと思っています。実際に今、深圳のみではなく各地で無差別の殺傷事件が起きていて、対象者は日本人以外にもいるようです。
ではなぜ、日本人でしかも子供だったのかといえば、それが、一気に国際的に報道され大問題になるこの国にとってのアキレス腱だからではないでしょうか。
事件が起きた現場は、私や同様の日本人学校に通うご家族や、近辺に住む中国人にとっては普通の住宅地ですが、犯人にとっては自分より上の異世界だったのではないかと、ここは空想で申し上げていますが、ないかと思います。
対象はお金持ちだったのではないでしょうか。そして、訴えたい相手はこの国。そこになぜ日本人が入ってしまったのかというと、一つは国際的な問題になるアキレス腱であることと、歴史的、政治的問題なのだというカモフラージュを得られるからだと思います。犯罪心理は分かりませんが、そこにも一歩を踏み出す大義名分のようなものがあると思うのですね。最後の最後に背中を押す要素のために、こいつらは昔、俺の国を踏みにじったやつだからという部分が必要だったのではないかと思う。
この反日というカモフラージュがなければ、この人はただの子供を殺した卑怯な人間であり、日本人、中国人に限らず、世界中の人から非難されるただの犯罪者です。最もカモフラージュがあっても、すでに非難されていますが。
それではこのカモフラージュを中心に報道が語るのをやめてより核心を報道するべきなのかというと、私はそうも思いません。それこそこの国のアキレス腱を痛めつけることになり事態を良い方に向かわせることもないでしょう。
大きい国です。下から突かれるその威力を常に警戒している。だから、日本では考えられないような様々な仕組みがある。それをいいとは言えませんし、より民主的な方へ少しずつでいいから動いて欲しいと願ってます。
少なくとも、日本人をスケープゴートとし、こんな重大な結果を招いてしまうようなことは二度と起こさないでほしい。今までやってきたことの最悪の結果ですね。ここに住む日本人はもはや人質のようなものとなってしまった。怒りの矛先を変えるために、時に利用してきた過去の結果です。一番弱い子供に向かってしまいました。こんなことは誰も望んでいなかったと思います。
色々な意味で曲がり角に来ているのかもな。豊かになる一方だった、また、新進の都市であるこの深圳で起きたことも、痛い部分ですね。
日本人に起きたことだけを考えれば二件ですが、他にも事件はあり、これは組織的な犯行ではなく、単独犯が各地で呼応しながら連鎖しているのではないかと思うのです。ただたまたま一人に頭のいかれた人がいたという問題で片付けられないですね。
力で圧する今までのやり方でどこまで行けるのか、ただ、私にできるのは、やはりそれでも自分の持ち場で働き生活をすることです。
しばらくは子供を外に出すことはできなさそうです。出る時も我が家で一番強いと思われる主人を同行させましょう。来月になればもう少し落ち着くでしょうか。
支度をして、今日も会社に参ります。
汪海妹
2024.09.20
 




