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とりとめのないこと 抜粋  作者: 汪海妹
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なんとも言えない気分です












なんとも言えない気分です













蘇州での事件があったときは、こんな言い方をすれば大変失礼ですが、対岸の火事。今日は朝からの学校からの通信に震え上がりました。深圳でも同様の事件が起きました。当たり前ですが、どこの誰が被害にあったと書かれてませんので、自分の子が無事なのかがわからない。冷静に考えればもし私が当事者の親であれば全体発信の前に必ず連絡が来るはずですが、そう思っても、子供の顔を見るまでは大丈夫だとは思えない。仕事中失礼して学校に迎えに行きました。ピンピンしてた。


してたけど、大手を振って喜ぶわけにいかないですよね。怪我をした子がいるのですから。


この前は蘇州の子が怪我をした。また、中国人の方が亡くなってます。それからまだ日が浅いのに今度は深圳の子が怪我をしています。本当になんとも言えない気分です。


この国の偉い人たちが、とりわけ日本に対して、こんなことが起こるようにと思って、核汚染水なんて言葉を使ったりしてるわけではないと思うけど、でも、愛国心を高める手段のためにたまに国の中ではなく外に攻撃対象を置いていることは確かですよね?そこに社会不安のようなものが加味されてくると、こんなバカなことをする人だって出てくるわけです。


自分は政治について詳しい人間でもなく、一見論理的に生きているように見られることもありますが、非常に感覚的な人間なんです。半分芸術家なんでね。


あの、トランプ大統領が打たれて、耳から血を流しながらSPに伏せるように言われながらも腕を上げる写真があったでしょ?あれをうちの息子がすごいかっこいい写真だと言ったんですね。あの写真を今日、思い出しました。


私はトランプさんを好きでも嫌いでもないのですが、ただね、強い力でぎゅっと押したら、同じぐらいの強い力で押し返される。アメリカと中国もひどく対立し、中国は最近ロシアと仲がいいですが、どの国だって根本は自分の国と国民を守りたいだけなはずで、そのために取る手段は、何なのかってことなんですよ。


私は、トランプさんのあの写真は象徴的な写真だとは思いますけど、かっこいい写真だとは思わないんですね。例えばロシアが、あるいは中国が、そんなことはありえませんが、この世界地図から消えれば問題が解決するのか?そんなことはもちろんないわけで、それぞれが存在しつつできるだけ対立を避けてやっていくのが答えなんだろうと思うわけで。


そんな難しいことは本来、偉い人たちが考えていればいいんでしょうけど、こんな身近で、自分の最も大切なものを、息子を、脅かされるようなことがあれば、考えずにはいられません。


中国は危険なところだから、いかなければいい。というのも、本質的な解決ではないですよね。そもそもうちの家族は半分中国人ですからここを去るわけにはいかないし。ここぞとばかりに中国の悪口を言ってもそれもちょっと違う。


この世から全ての対立や衝突をなくすことなど、全くもって不可能ですが、そういうことに関して無関心でい続けることや、何も言わずに生きてゆくことも、違うのかなと思う。


世界がもともとこういうふうに難しかったのか、あるいは自分がその難しさの端っこのさらに端っこを持つほどに大人になったからなのか……


ずっと昔に起きた戦争のその 影響が 遠い未来の全く無関係の子供を襲ったわけだけど、ただ、そんなのただの表の話だけで、本当は戦争とは直接は関係のない話だと思うんですよ。


連鎖していることが嫌ですね。その背景がよく見えません。今度も、犯人の供述内容は公開されないでしょう。思想背景もわからず、なぜ呼応したのかもわかりません。そして、さらに呼応や連鎖をするのかも、こんなに情報がない中ではわかりようがない。


安全になったと思ってたのになぁ。まぁ、でも、私がきた頃は、日本人だからというわけではなくここは危険なとこだったよ。


あまりぼやくのはやめて、事務所に戻りましょうかね。怪我されたお子さんが、少しでも軽傷で済みますように。


汪海妹

2024.09.18

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